客による迷惑行為が世間を騒がせている。そこで今回はコンビニに注目、反響の大きかった困った客の記事トップ5を発表。店員が本音を語る迷惑客の数々から第5位は、こちら!(集計期間は2018年4月~2022年12月まで。初公開2019年9月20日 記事は当時の状況です) * * *
日々多くの客が訪れるコンビニ。当然、店側は客を選ぶことはできない。なかには店員のことをまるで見下しているような態度の客も少なくない。ちょっとしたことで言いがかりをつけてくるような人までいる。
筆者はコンビニで長く働いてきたが、殴られそうになるなどコワい思いをした経験もある。
◆コンビニ店員が恐れる“コワい客”
繁華街にあった客層が悪いA店で働いていた時のことだ。筆者は深夜帯のシフトに入っていてワンオペ状態だった。深夜1時頃、背が190センチぐらいありそうなフランケンシュタインふうの不気味な男が来店した。初めて見る顔で、いかにも危険な空気をまとっていた。嫌な予感は的中するもので、後に彼をめぐってトラブルが起きる……。
レジで「タバコ、セブンスター」と言ってきたので差し出すと、「そうじゃない、カートンだ」と返す。
ぶっきらぼうな言い方に腹が立つが、カートン買いだと思って出すと、今度は突然、封を切って一箱だけ取り出して「これ」と言う。
なにがなんだかわからない。一箱欲しいだけでなぜ、こんなことをするのか。「(カートン買いではなく)これだけですか?」とたずねても何も答えず、一箱分の金額だけ出した。
店側は非常に迷惑だ。だが、他の客もいないワンオペで、無用なトラブルを避けるためにも、その時はそのままお金を受け取った。
朝方、それを店長にしっかり報告しておいた。その数日後、シフトには店長が入っており、再び男が来店して全く同じ行為をした。店長もトラブルを避けるために筆者と同様にスルーしたという。犯罪をしているわけでないので警察には届けられないし、困ったものだ……。
◆「迷惑なので止めてください」と注意すると…
アルバイトの大井君(仮名)は、背が低く童顔でいつもニコニコしているのだが、話す時に“なぜか上から目線”なのである。
それが気に障るという客も多く、格好の餌食として絡まれてばかりいるのだが、実は武道の達人で頭もキレる男だった。大井君にも先日訪れた不可解な男の情報は伝わっていた。大井君が深夜ワンオペで入っている時に、その男はやってきた。
「タバコ、セブンスター」
大井君が出すと「そうじゃない、カートンだ」。そしてカートンを差し出すと、また袋を破り始める。事前に聞いていたとおりではあるが、許せない男だと大井君は思った。もしも男が暴れても余裕で取り押さえられるという絶対の自信があったという。
「あの、このような行為は迷惑なので止めてください」と注意すると「なんだとこの野郎!」としばらく揉め、「本部に伝えておく」と捨て台詞を残して帰っていった。
そのように言っておきながら実際、本部に伝える人はわずかなので気にも留めていなかったが、翌日、本部の苦情センターにメールと電話で抗議してきたのだという。
いったい、何の抗議だったのか……。その後、彼は二度とやってくることはなかった。
◆深夜、客に殴られかける
筆者が客に暴力をふるわれる恐怖を味わったのは、10年以上前になる。当時、都心の駅近くの店舗で働いていた。そこではブラックオーナーのもと、忙しいのにワンオペだった。

時刻は土曜の朝8時過ぎ。睡魔もかなり襲ってきた。その時だ。体が大きく、タンクトップ姿に入れ墨の入った20代後半ぐらいの男がいきなり入ってきた。
「おい! 車内で携帯を充電するやつ、どれだよ! 店員、こっちこいよ!」
おおよそ、カタギには見えない。こんな時に、なぜ一人でシフトに入っていたのか……自分の運命を呪う。ベテランスタッフや、他にスタッフが二人ぐらいいたらどうにかなりそうだが、面倒なことになりそうだと思った。
男のところに行き、説明する勇気もなかった。筆者は本能的に避けようと、聞こえないふりをしてしまったのだ。レジ袋を整え、レジを拭いた。“なんでこんな思いをしないといけないのだ”という気持ちもあった。
すると男は、「この野郎! なんでテメエは呼んでいるのに来ないんだよ!」と凄い剣幕でレジ前にやってきた。
間違いなく殴られるなど危害を加えられると思った。実際このような場合、他の客は何もしてくれない。見ないふりで目を逸らすか、チラ見するだけだ。せめて警察に通報してもらいたいものだ。
「なんでテメエ、呼んでいるのに来ないんだ!」「……(行けるわけない、お前のところなんて)」
本当はそう言ってやりたいが、言えるわけがない。その後、どんな言いワケをしたか覚えていないが平謝りをした。それにしても、なぜこんなことで謝らないといけないのだ。次の瞬間、男は拳をあげた。
逃げないといけない。すると、そいつはレジに置かれていたレジ袋の束を思いっきり筆者に投げてきたが、間一髪それを避けた。男は文句を言いながら帰っていったが、さすがにこの時ばかりは泣きそうになった。
その日、店長が来てから顛末を報告したが、労りの言葉さえもなかった。
「浜さん、ビデオ観たけど、コワいね。あんなことやられたら」
しかし結局、トラブルに対応できるだけの人数に増やすことにはならず、この店舗を辞める決心をした瞬間だった。