毎年、受験シーズンが本格化するのを前に、受験生らが買い求める玩具がある。
東京都葛飾区の老舗玩具メーカー「丸彰(まるしょう)」が製造する飛行機形の玩具「くるっぴー」だ。ゼンマイ式で動くが、段差があっても落下しない仕組みになっており、「絶対に落ちない」ことから、人気を集めているという。同社では「くるっぴーをお守りにして受験で結果を出してほしい」と話している。
■端で方向転換
同社は1957年創業。くるっぴーの製造は80年代に始まった。
電池は不要で、ゼンマイを巻いてテーブルなどの上で走らせると、端で落ちる寸前に「くるっ」と方向転換する。
もともと合格祈願用に開発されたものではないが、2000年頃に江ノ島電鉄モデルが販売されると、神社が多い湘南エリアで話題になった。テレビや新聞で合格祈願グッズとして紹介されるようになると、さらにネットなどを通して知名度が上がっていったという。
現在のくるっぴーは全日空と日本航空の2種類のみだが、年間で2万個ほどを生産しており、これまでの総出荷数は50万個超に上る。現在は各地の空港で購入することができる。
■技術力生かす
丸彰はもともとブリキ工場で、強度と光沢があるブリキ製の飛行機のおもちゃが売りだ。ただ、ブリキの金型は値段が高く、玩具作りに使うには手作業でいくつもの工程が必要となることから、時代とともにプラスチックが主流となった。
くるっぴーもプラスチック製だが、同社の増田幸央専務(61)は「くるっぴーにも飛行機玩具の技術力が生かされている。塗装は初期よりも丁寧に作っている」としたうえで、「受験生もくるっぴーにあやかって、本番で羽ばたいてほしい」とエールを送った。