「レバレジーズ」は創業18年で年商1千億円に迫る規模に成長を遂げたIT企業だ。人気俳優のTVCMでもおなじみの人材紹介業「レバテック」を傘下に持ち、就活生からも大人気だというが、その実態は、法令違反が横行するブラック企業なのだという。
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【写真を見る】「キャバクラ好きで飲み会も派手」といわれる岩槻社長 岩槻知秀社長(43)が早稲田大学社会学部を卒業後、2005年に設立したベンチャー企業が「レバレジーズ」だ。昨年度の年商は869億円。「就活生注目企業ランキング文系部門」で1位(OpenWork調べ)と、学生から熱い視線を集めている。社名を聞いてピンとこない向きも、俳優・賀来賢人(34)がCMに出演している企業「レバテック」の親会社と言えば伝わろう。

「レバテック」公式YouTubeより「執行役員が若手女性社員の太ももを」 そのCMの中で、ITエンジニア役の賀来がモデル・八木莉可子(22)扮する宇宙人からこう問い掛けられる場面がある。「会社ってなんだ? そこ楽しいのか? それでいいのか?」 そんな質問の後に、CMでは〈人生に、まだ見ぬ選択肢を〉というキャッチフレーズが流れるのだが、「楽しいなんてとんでもない」 と訴えるのは同社のさる従業員だ。「休日も仕事せざるを得ず、残業時間が月120時間を超えることはざらです。80時間まではみなし残業として給料に含まれており、80時間以上の残業代もほぼ出ません。上役が社員を人前で罵るのも日常茶飯事。長時間労働に加えてパワハラが横行する労働環境で精神を病み、休職する同僚も常に一定数いる状態です」 続けて語る。「岩槻社長はキャバクラが大好き。飲み会も派手なのですが、ある2次会では執行役員の一人が、若手女性社員の太ももを摩(さす)る場面に遭遇しました。また、別の飲み会ではチーム責任者が、足ツボマッサージと称して、女性社員の足を触る光景も。さらに、大勢の前で女性社員を“ブス”と罵る上司まで……」病歴を理由に紹介拒否 加えて業務である人材紹介の面でもこんな話が。「求職者との面談で、既往歴を聞き出すためのマニュアルが社内で共有化されています。通院歴、病名、通院ペース、服薬の有無等の質問項目に加えて会話の流れまで、細かくマニュアル化されているのです」 だがしかし、「既往歴や過去の犯罪歴といった個人情報は、個人情報保護法において“要配慮個人情報”と規定されており、職業紹介をしている事業者は求職者の同意なく病歴を聴取・公開したり、それをもとに紹介を拒否することは本来できません」 なのに同社では、精神疾患などの既往歴まで細かく求職者から聞くことが事実上義務付けられているうえ、「求職者の氏名や職歴などと一緒に、既往歴も社内で誰でも閲覧できる状態です。病歴を理由に紹介拒否とすることも多々あります」 実際、面接で病歴を聞かれた求職者が言う。「1対1のオンライン面談であいさつをするや否や、即座に“これは皆さんにお聞きしているのですが、過去に休職歴がありますか”と聞かれました。正直にあると答えると、“それはメンタル系ですか”と……」 その後、病名や通院頻度まで質問されたうえ、「面接の担当者が、既往歴を紹介先のすべての企業に伝えると言い出したので驚きました。しかも、その場で抗議したのに、聞き入れられませんでした」「管理不足がございました」 当のレバレジーズに法令違反等に関して尋ねると、「セクハラ・人権侵害の“常態化”については事実無根。(一方、要配慮個人情報の聴取等については)求職者ご本人の要望に基づき、本人の同意を得たうえで必要に応じて(企業に求職者の病歴等を)提示しております。ただし、口頭での同意形成となっており、証跡として明確に残す行為をしていなかったため現在対応しております。そのため、求職者ご本人との同意の有無について、管理不足がございました」 個人情報管理に詳しい板倉陽一郎弁護士は、「既往歴はその取り扱いに配慮を要しますが、適切な方法で本人から聞き出すこと自体は違法ではない。ですが、その情報を選考に使うのは、厚生労働省が定める“公正な採用選考の基本”というガイドラインに抵触する恐れがあります」 宇宙人にも「それでいいのか?」とあきれられそうだ。「週刊新潮」2023年11月16日号 掲載
岩槻知秀社長(43)が早稲田大学社会学部を卒業後、2005年に設立したベンチャー企業が「レバレジーズ」だ。昨年度の年商は869億円。「就活生注目企業ランキング文系部門」で1位(OpenWork調べ)と、学生から熱い視線を集めている。社名を聞いてピンとこない向きも、俳優・賀来賢人(34)がCMに出演している企業「レバテック」の親会社と言えば伝わろう。
そのCMの中で、ITエンジニア役の賀来がモデル・八木莉可子(22)扮する宇宙人からこう問い掛けられる場面がある。
「会社ってなんだ? そこ楽しいのか? それでいいのか?」
そんな質問の後に、CMでは〈人生に、まだ見ぬ選択肢を〉というキャッチフレーズが流れるのだが、
「楽しいなんてとんでもない」
と訴えるのは同社のさる従業員だ。
「休日も仕事せざるを得ず、残業時間が月120時間を超えることはざらです。80時間まではみなし残業として給料に含まれており、80時間以上の残業代もほぼ出ません。上役が社員を人前で罵るのも日常茶飯事。長時間労働に加えてパワハラが横行する労働環境で精神を病み、休職する同僚も常に一定数いる状態です」
続けて語る。
「岩槻社長はキャバクラが大好き。飲み会も派手なのですが、ある2次会では執行役員の一人が、若手女性社員の太ももを摩(さす)る場面に遭遇しました。また、別の飲み会ではチーム責任者が、足ツボマッサージと称して、女性社員の足を触る光景も。さらに、大勢の前で女性社員を“ブス”と罵る上司まで……」
加えて業務である人材紹介の面でもこんな話が。
「求職者との面談で、既往歴を聞き出すためのマニュアルが社内で共有化されています。通院歴、病名、通院ペース、服薬の有無等の質問項目に加えて会話の流れまで、細かくマニュアル化されているのです」
だがしかし、
「既往歴や過去の犯罪歴といった個人情報は、個人情報保護法において“要配慮個人情報”と規定されており、職業紹介をしている事業者は求職者の同意なく病歴を聴取・公開したり、それをもとに紹介を拒否することは本来できません」
なのに同社では、精神疾患などの既往歴まで細かく求職者から聞くことが事実上義務付けられているうえ、
「求職者の氏名や職歴などと一緒に、既往歴も社内で誰でも閲覧できる状態です。病歴を理由に紹介拒否とすることも多々あります」
実際、面接で病歴を聞かれた求職者が言う。
「1対1のオンライン面談であいさつをするや否や、即座に“これは皆さんにお聞きしているのですが、過去に休職歴がありますか”と聞かれました。正直にあると答えると、“それはメンタル系ですか”と……」
その後、病名や通院頻度まで質問されたうえ、
「面接の担当者が、既往歴を紹介先のすべての企業に伝えると言い出したので驚きました。しかも、その場で抗議したのに、聞き入れられませんでした」
当のレバレジーズに法令違反等に関して尋ねると、
「セクハラ・人権侵害の“常態化”については事実無根。(一方、要配慮個人情報の聴取等については)求職者ご本人の要望に基づき、本人の同意を得たうえで必要に応じて(企業に求職者の病歴等を)提示しております。ただし、口頭での同意形成となっており、証跡として明確に残す行為をしていなかったため現在対応しております。そのため、求職者ご本人との同意の有無について、管理不足がございました」
個人情報管理に詳しい板倉陽一郎弁護士は、
「既往歴はその取り扱いに配慮を要しますが、適切な方法で本人から聞き出すこと自体は違法ではない。ですが、その情報を選考に使うのは、厚生労働省が定める“公正な採用選考の基本”というガイドラインに抵触する恐れがあります」
宇宙人にも「それでいいのか?」とあきれられそうだ。
「週刊新潮」2023年11月16日号 掲載