梅毒に感染した妊婦から胎児にうつる「先天梅毒」と診断された赤ちゃんが、今年初めから今月5日までに34人(速報値)になったことが国立感染症研究所(感染研)の調査でわかった。
現在の調査方法となった1999年以降で、年間最多を更新した。大人の梅毒患者が増加している影響とみられる。
梅毒は、主に性的接触で感染する。性器や口にしこりができ、全身に発疹が出る。妊婦が感染している場合、胎児にうつり、難聴や知的障害などを持つ赤ちゃんが生まれる恐れがある。流産や死産に至る例もある。
感染研の感染症発生動向調査によると、先天梅毒と診断された赤ちゃんの数は、2022年までの5年間は、年20人前後で推移していた。今年は、これまで最多だった19年の23人を大きく上回っている。一方、梅毒全体の患者数は今月5日までに1万2679人(速報値)となり、過去最多だった昨年の1万3228人(同)に迫る勢いだ。
妊娠初期の健診では、梅毒の検査がある。感染が判明すれば抗菌薬で治療できるが、胎児への感染を完全に防げるわけではない。日本大学医学部の川名敬教授(産婦人科)は「子どもを望む人で梅毒が疑われる症状がある場合は、検査を受け、必要に応じ治療を受けてほしい」と話す。