京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第17回公判が27日、京都地裁であった。被告人質問で、公判を振り返り被告は「被害者一人一人に生活があり、生きている人だったと痛感した。後悔が山ほど残る事件だ」と述べた。被害感情の立証も行われ、遺族が直接質問したが、被告は弁護人から求められているとして回答しなかった。検察側は「厳重処罰を望む」などとする遺族らの供述調書を読み上げた。
9月に始まった公判は最大の争点である刑事責任能力の審理が11月上旬に終了。27日から量刑に関する審理が始まった。完全責任能力を主張する検察側の死刑求刑が予想される中、弁護側は慎重な判断を求めている。
検察側の質問で後悔の意味について問われた被告は「(京アニに)恨みがあったとはいえ、(一人一人に生活があったことを)考えずにガソリンをまいたことはあまりにも浅はかだった」と説明。事件を反省しているかどうかについては「話すべきことは話している。自分の中の反省点だ」と述べた。