変態仮装行列にはしない! 31日にハロウィン本番を迎えた東京・渋谷は多くの人でごった返した。渋谷区が「来ないで」と訴えていたかいあって例年よりは人出が少ないものの、仮装する若者と外国人が集結。それだけに警備も気合が入っており、露出度の高い女性が現れると徹底マークで渋谷から“追放”するなどしていた。
「前に進んでください!」「止まらないでください!」「ピーッ、ピーッ!」――。人混みとなっているセンター街では警察や警備員が人の流れが滞留しないよう目を見張らせていた。道行くコスプレイヤーからは「警察が一番気合入ってんじゃん」との声も漏れた。
そんな警備態勢に緊張が走った瞬間があった。布面積が異様に少ない衣装を来た若い女性が渋谷に姿を現すと警備の腕章を着けた警備員たちが取り囲み、完全マーク。カメラやスマホを持った男性たちが撮影を女性に希望するも、警備員は「立ち止まらないで」と“撮影会”にはさせなかった。インカムを使い、警備員同士でその女性が渋谷のどこを歩いているかリアルタイムで情報共有。最終的に女性は渋谷から去り、事実上の“追放”となってしまった。ほかの仮装する人たちと比べても露出度が高く美人でもあったため、人が殺到する前に対処した形となった。
これまでセンター街の商店街関係者は荒れる参加者が出る渋谷ハロウィンについて「変態仮装行列」と否定的に語るなど苦言を呈してきた。
渋谷ハロウィンに通う40代男性は「例年より暖かいのにもかかわらず、今年は露出の高い衣装は少ないです。警察の規制が強く撮影会にもなりません。韓国の雑踏事故の影響でしょう。お酒の販売もないです。以前は路上でテキーラを売っていましたから」と警備の厳重さに驚いていた。
日本発の「来ないで」というニュースが伝わっていなかったからなのか、たくさんの外国人も渋谷を訪れていたのだがトラブルもあった。日本刀を持っていた外国人男性が警察に取り囲まれ、交番に連れて行かれてしまったのだ。コスプレ用のレプリカで、男性は「ポケットに入れるから」と主張するも携帯することが問題だとして事情を聴かれていた。
「今年のハロウィンは間違いなく安全です。ただ、遠方から来るほど楽しいものではなくなってしまったかもしれませんね」と前出の男性は話し、帰って行った。
渋谷区の「来ないで」という方針には賛否がある。渋谷区で活動する「渋谷をスマイルにする会」の込山洋代表は「区の方針は致し方ないところもあるが、いきなり『来るな』と規制するのはおかしい。区長の渋谷ではない。みんなの渋谷です」と指摘した。
「『来ないで』の前にできることがあったはずです。ゴミのポイ捨て問題も路上飲酒、路上喫煙も今に始まったことではない。日頃からルールを作って周知することができたはずです」とやり方はほかにもあったのではないかと提案しつつ、「ハッピーハロウィンスマイル!」と訴えた。
「来ないで」の呼び掛けがあったものの多くの人が集まった渋ハロ。果たして来年はどうなるか。