「選考委員会で理事長にどういう資質を有する人が必要なのかを定義して、候補者がその要件を満たしているかどうかを適切に判断し、誰を理事長にするか決める。監督も理事会でやっていく。それを重ねてガバナンスの改善を進めていくしかない」
日大ドロドロ内紛…締め出され辞任迫られた“元検事”副学長の「反撃」に執行部は戦々恐々 日大アメフト部の違法薬物事件を巡り、第三者委員会が31日記者会見を開き、委員長の綿引万里子弁護士が経営陣の責任についてこう注文をつけた。

公表された報告書では《立証されていない事実や立証される可能性が低いとみなした事実を矮小化し、時にはないものとする、不都合な情報には目をつぶり、得られた情報を自分に都合よく解釈し、自己を正当化するという姿勢が全ての場面で顕著である》と断じた。 その上で《それを制御し、牽制すべき、学長や理事長によるガバナンスが全く機能しなかったことも、本法人において不適切な行為が重ねられた原因であった》と結論付けた。 第三者委の報告が迫った先月18日、澤田康広副学長が林真理子理事長とのやりとりを録音した音声データをメディアに流出させ、林理事長から辞任を求められていたことを暴露。これに対し、林理事長側は情報漏洩を理由に臨時理事会で澤田副学長の解雇を要求するなど、ドロドロの内紛に発展した。 一連の執行部の対応について委員のひとりが「ガバナンスはなっていないし、情報も上がってこない。組織の体をなしていません」と言えば、もうひとりも林理事長と澤田副学長が対立していることに関し、「まったく好ましくない。異常事態。これをどのように自浄作用で改善していくのか、考えていただきたい」と苦言を呈した。■大学のイメージはますます悪化「異常事態を招いた元凶は、自身の判断で『植物片』を12日間、隠し持っていた澤田副学長であり、その判断を記者会見で『適切だった』と言い切った林理事長です。林理事長は『悪いことは何もしていない。嘘もついていないから堂々と臨もう』と言って、8月の記者会見に出席した。そこで対応のマズさを指摘されると、保身のためか、学生や教職員のことなどそっちのけで、お互いに責任のなすりつけ合いを始めた。その結果、ますます大学のイメージを悪化させ、信用を失墜させた。組織としての体をなしていません」(日大関係者) 綿引委員長は「今のような状態を続けていたら、日大は再生できないと思います。どういうふうに再生していくのか。私たちが振り付けできることではない」と「後は自分たちで考えろ」と言わんばかりだった。 林理事長と澤田副学長は、第三者委の言葉をどう受け止めているのだろうか。
日大アメフト部の違法薬物事件を巡り、第三者委員会が31日記者会見を開き、委員長の綿引万里子弁護士が経営陣の責任についてこう注文をつけた。
公表された報告書では《立証されていない事実や立証される可能性が低いとみなした事実を矮小化し、時にはないものとする、不都合な情報には目をつぶり、得られた情報を自分に都合よく解釈し、自己を正当化するという姿勢が全ての場面で顕著である》と断じた。
その上で《それを制御し、牽制すべき、学長や理事長によるガバナンスが全く機能しなかったことも、本法人において不適切な行為が重ねられた原因であった》と結論付けた。
第三者委の報告が迫った先月18日、澤田康広副学長が林真理子理事長とのやりとりを録音した音声データをメディアに流出させ、林理事長から辞任を求められていたことを暴露。これに対し、林理事長側は情報漏洩を理由に臨時理事会で澤田副学長の解雇を要求するなど、ドロドロの内紛に発展した。
一連の執行部の対応について委員のひとりが「ガバナンスはなっていないし、情報も上がってこない。組織の体をなしていません」と言えば、もうひとりも林理事長と澤田副学長が対立していることに関し、「まったく好ましくない。異常事態。これをどのように自浄作用で改善していくのか、考えていただきたい」と苦言を呈した。
■大学のイメージはますます悪化
「異常事態を招いた元凶は、自身の判断で『植物片』を12日間、隠し持っていた澤田副学長であり、その判断を記者会見で『適切だった』と言い切った林理事長です。林理事長は『悪いことは何もしていない。嘘もついていないから堂々と臨もう』と言って、8月の記者会見に出席した。そこで対応のマズさを指摘されると、保身のためか、学生や教職員のことなどそっちのけで、お互いに責任のなすりつけ合いを始めた。その結果、ますます大学のイメージを悪化させ、信用を失墜させた。組織としての体をなしていません」(日大関係者)
綿引委員長は「今のような状態を続けていたら、日大は再生できないと思います。どういうふうに再生していくのか。私たちが振り付けできることではない」と「後は自分たちで考えろ」と言わんばかりだった。
林理事長と澤田副学長は、第三者委の言葉をどう受け止めているのだろうか。