〈〈写真多数〉渋谷だけじゃない…「こっちは無法地帯やなー!」「あっちがダメなんで来ました」“歌舞伎町ハロウィン”のリアル〉から続く
長谷部健渋谷区長から発された「ハロウィン目的で渋谷に来ないでほしい」というメッセージ。そして警察による厳戒な警備体制等によって、ハロウィン直前の週末となる10月28日の渋谷の人出は例年に比べて激減していた。
【画像】街中で“調教”が始まり、ヤギが現れ、ナンパ目的の“ヒモ男”が…「今年はまだノーキスです」カオスと化していた“渋谷ハロウィン”の写真を見る
“本番”を迎えた10月31日。街はいったいどのような様相を呈していたのか。現地に集った人々の声とともに紹介する。
◆◆◆いまは野外調教をしてもらっている途中です 平日ということもあってか、日没前の渋谷には、さほどコスプレ姿の人は見られない。しかし、夜が深まるにつれて街の様子は次第に変わっていった。「いまはプレイの一環、野外調教をしてもらっている途中です。ハロウィンは昔に比べるとひっそりした感じになっちゃったけど、それはそれで楽しいですね。なぜかというと、女王様が一緒なので」野外で「調教」をしているという 文藝春秋 コスプレをしている人自体は例年に比べて少ないものの、いつもの渋谷では見られない異様な状況が確かにあった。 こうした渋谷の街を、来街する若者はどう思っているのか。「あんま規制とか関係ないし、迷惑さえかけなきゃいいと思っているんですよ、僕は」という側頭部にタトゥーシールをあしらった男性。続けて、同行者が語る。「一年に一回のことですから。今日も大騒動にはなっていないですし、みんなと楽しめれば。お酒を飲まなかったり、立ち止まったりせずにね。 いやー、正直お酒は飲めるようになった方が嬉しいは嬉しい。でも、守らなきゃいけない部分はあるので、そこはしっかり守ります。トラブルが起こらずに皆が平和に楽しめるのが一番ですね」 一方、異なる声も。青髪の男性は言う。「ハロウィン歴10年以上なんですけど、コロナ以降は規制が厳しくなりすぎて、とにかくやりづらいですね。2015年頃は道玄坂とかが全部歩行者天国になっていたんですよ。区がこちらに歩み寄ってくれている感じだったんですけど、いつから突っぱねる感じになったのか……っていうのが。ちょっとこうなんでそうなるんですかね、っていうところです。やっぱり、軽トラ横転事故からなんですかね。 僕は遊びに来ている身なので、こう言うのはおかしいんですけど、ハロウィンを目的に渋谷に来ているわけではない人、たとえばこの辺りで働いている人とかに皺寄せがいくのはおかしいと思うんですよ。税金を使ってそこまですることなのかな?と思っちゃいます。 最近の渋谷って遊び場が減ってきていて。『ageha』も無くなりましたし、クラブはどんどん潰れています。このままだと、渋谷がどんどん窮屈な街になっちゃいますよ」 来街者一人ひとりにも、さまざまな腹の中があることが窺える。 青髪の男性と同行していた“オネエ”を自称する方は、毎年ボランティアで渋谷を訪れているというが、今年は明らかな変化があったとか。「私は6年くらい参加していて。毎年ボランティアでゴミ拾いをしているんですけど、今年は区長のおかげでゴミが半分くらいに減りました。 ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。 毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」 ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど……「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
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平日ということもあってか、日没前の渋谷には、さほどコスプレ姿の人は見られない。しかし、夜が深まるにつれて街の様子は次第に変わっていった。
「いまはプレイの一環、野外調教をしてもらっている途中です。ハロウィンは昔に比べるとひっそりした感じになっちゃったけど、それはそれで楽しいですね。なぜかというと、女王様が一緒なので」
野外で「調教」をしているという 文藝春秋
コスプレをしている人自体は例年に比べて少ないものの、いつもの渋谷では見られない異様な状況が確かにあった。
こうした渋谷の街を、来街する若者はどう思っているのか。「あんま規制とか関係ないし、迷惑さえかけなきゃいいと思っているんですよ、僕は」という側頭部にタトゥーシールをあしらった男性。続けて、同行者が語る。「一年に一回のことですから。今日も大騒動にはなっていないですし、みんなと楽しめれば。お酒を飲まなかったり、立ち止まったりせずにね。 いやー、正直お酒は飲めるようになった方が嬉しいは嬉しい。でも、守らなきゃいけない部分はあるので、そこはしっかり守ります。トラブルが起こらずに皆が平和に楽しめるのが一番ですね」 一方、異なる声も。青髪の男性は言う。「ハロウィン歴10年以上なんですけど、コロナ以降は規制が厳しくなりすぎて、とにかくやりづらいですね。2015年頃は道玄坂とかが全部歩行者天国になっていたんですよ。区がこちらに歩み寄ってくれている感じだったんですけど、いつから突っぱねる感じになったのか……っていうのが。ちょっとこうなんでそうなるんですかね、っていうところです。やっぱり、軽トラ横転事故からなんですかね。 僕は遊びに来ている身なので、こう言うのはおかしいんですけど、ハロウィンを目的に渋谷に来ているわけではない人、たとえばこの辺りで働いている人とかに皺寄せがいくのはおかしいと思うんですよ。税金を使ってそこまですることなのかな?と思っちゃいます。 最近の渋谷って遊び場が減ってきていて。『ageha』も無くなりましたし、クラブはどんどん潰れています。このままだと、渋谷がどんどん窮屈な街になっちゃいますよ」 来街者一人ひとりにも、さまざまな腹の中があることが窺える。 青髪の男性と同行していた“オネエ”を自称する方は、毎年ボランティアで渋谷を訪れているというが、今年は明らかな変化があったとか。「私は6年くらい参加していて。毎年ボランティアでゴミ拾いをしているんですけど、今年は区長のおかげでゴミが半分くらいに減りました。 ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。 毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」 ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど……「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
こうした渋谷の街を、来街する若者はどう思っているのか。
「あんま規制とか関係ないし、迷惑さえかけなきゃいいと思っているんですよ、僕は」という側頭部にタトゥーシールをあしらった男性。続けて、同行者が語る。
「一年に一回のことですから。今日も大騒動にはなっていないですし、みんなと楽しめれば。お酒を飲まなかったり、立ち止まったりせずにね。 いやー、正直お酒は飲めるようになった方が嬉しいは嬉しい。でも、守らなきゃいけない部分はあるので、そこはしっかり守ります。トラブルが起こらずに皆が平和に楽しめるのが一番ですね」 一方、異なる声も。青髪の男性は言う。「ハロウィン歴10年以上なんですけど、コロナ以降は規制が厳しくなりすぎて、とにかくやりづらいですね。2015年頃は道玄坂とかが全部歩行者天国になっていたんですよ。区がこちらに歩み寄ってくれている感じだったんですけど、いつから突っぱねる感じになったのか……っていうのが。ちょっとこうなんでそうなるんですかね、っていうところです。やっぱり、軽トラ横転事故からなんですかね。 僕は遊びに来ている身なので、こう言うのはおかしいんですけど、ハロウィンを目的に渋谷に来ているわけではない人、たとえばこの辺りで働いている人とかに皺寄せがいくのはおかしいと思うんですよ。税金を使ってそこまですることなのかな?と思っちゃいます。 最近の渋谷って遊び場が減ってきていて。『ageha』も無くなりましたし、クラブはどんどん潰れています。このままだと、渋谷がどんどん窮屈な街になっちゃいますよ」 来街者一人ひとりにも、さまざまな腹の中があることが窺える。 青髪の男性と同行していた“オネエ”を自称する方は、毎年ボランティアで渋谷を訪れているというが、今年は明らかな変化があったとか。「私は6年くらい参加していて。毎年ボランティアでゴミ拾いをしているんですけど、今年は区長のおかげでゴミが半分くらいに減りました。 ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。 毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」 ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど……「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
「一年に一回のことですから。今日も大騒動にはなっていないですし、みんなと楽しめれば。お酒を飲まなかったり、立ち止まったりせずにね。
いやー、正直お酒は飲めるようになった方が嬉しいは嬉しい。でも、守らなきゃいけない部分はあるので、そこはしっかり守ります。トラブルが起こらずに皆が平和に楽しめるのが一番ですね」
一方、異なる声も。青髪の男性は言う。
「ハロウィン歴10年以上なんですけど、コロナ以降は規制が厳しくなりすぎて、とにかくやりづらいですね。2015年頃は道玄坂とかが全部歩行者天国になっていたんですよ。区がこちらに歩み寄ってくれている感じだったんですけど、いつから突っぱねる感じになったのか……っていうのが。ちょっとこうなんでそうなるんですかね、っていうところです。やっぱり、軽トラ横転事故からなんですかね。
僕は遊びに来ている身なので、こう言うのはおかしいんですけど、ハロウィンを目的に渋谷に来ているわけではない人、たとえばこの辺りで働いている人とかに皺寄せがいくのはおかしいと思うんですよ。税金を使ってそこまですることなのかな?と思っちゃいます。 最近の渋谷って遊び場が減ってきていて。『ageha』も無くなりましたし、クラブはどんどん潰れています。このままだと、渋谷がどんどん窮屈な街になっちゃいますよ」 来街者一人ひとりにも、さまざまな腹の中があることが窺える。 青髪の男性と同行していた“オネエ”を自称する方は、毎年ボランティアで渋谷を訪れているというが、今年は明らかな変化があったとか。「私は6年くらい参加していて。毎年ボランティアでゴミ拾いをしているんですけど、今年は区長のおかげでゴミが半分くらいに減りました。 ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。 毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」 ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど……「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
僕は遊びに来ている身なので、こう言うのはおかしいんですけど、ハロウィンを目的に渋谷に来ているわけではない人、たとえばこの辺りで働いている人とかに皺寄せがいくのはおかしいと思うんですよ。税金を使ってそこまですることなのかな?と思っちゃいます。
最近の渋谷って遊び場が減ってきていて。『ageha』も無くなりましたし、クラブはどんどん潰れています。このままだと、渋谷がどんどん窮屈な街になっちゃいますよ」
来街者一人ひとりにも、さまざまな腹の中があることが窺える。
青髪の男性と同行していた“オネエ”を自称する方は、毎年ボランティアで渋谷を訪れているというが、今年は明らかな変化があったとか。
「私は6年くらい参加していて。毎年ボランティアでゴミ拾いをしているんですけど、今年は区長のおかげでゴミが半分くらいに減りました。
ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。 毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」 ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど……「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
ただ、規制が強まっているのは、ちょっとつまんないなと思っちゃう。皆が常識を守ってほしい。ゴミをポイ捨てしないとか、酔っ払って喧嘩しないとか。そういうのを守ってくれれば、ハロウィンに渋谷に来て楽しんでいいのかなと思うんですよ。規制しなくても。
毎年来ているので、ニュース沙汰になるようなトラブルは大体目の前で見ているんですけど、今年はまだないですね。それはいいことだと思います。警備の方がいてくれるのがいいのかな」
ハロウィンで盛り上がる渋谷のあり方を考え、いっときの狂騒を楽しむ人々たちだけが渋谷の主役ではない。街に目立つのはナンパを目的とした男性たちの姿だ。
「立ち止まらないでください」という警察官からの注意喚起があちらこちらから聞こえてくるなか、通りを外れてファンシーな装いの2人に話を聞いた。
「スプリングセンテンスですねーこれ! いやセンテンススプリングか! うぇーい!」取材班に対してそう語る、自称“ヒモ”の男性二人組もナンパ目的で渋谷を訪れたそう。
「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。 今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。 っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。 ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。 これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」 そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。 騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」 渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。 渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
「普段はプー太郎ですよ。30歳と25歳。いつも遊び歩いてます。ヒモに近いですね。自称ヒモです。
今日はマイメロの格好をしてきたんです。そりゃあ女の子に声をかけられる目的ですよ! 格好つけたコスプレでガツガツいくのは嫌で。向こうから来てほしいんだよねー。
っていうのも、自分から行くと打率が下がるんですよ。そこで、女の子は一体何が好きなのかと考えて……ピンク! 白! マイメロになればいいんです。間違いないです。ピエン系狙いですね。戦略的コスプレですよ。
ただ、今年の渋谷は全然……。これまでは“道を歩けばキス”みたいな感じだったんですけど、今年はノーキスです。外国人観光客と写真を撮るくらいですね。
これから渋谷のハロウィンはどうなっていくんですかねえ。ぶっちゃけ、今日のナンパの結果次第で来年来るか来ないか決めようと思っています」
そう息巻く二人組のすぐそばには、ゴミ拾いを続ける男性が。
「5,6年くらい渋谷の清掃をしています。今年は区の取り組みもあってか、一番ひどい時期に比べると全然少ないです。平日の夜と同じくらいのゴミの量ですね。
騒動やゴミという面で、今年のハロウィンはずいぶんマシになりました。とはいえ、施策には税金がかかっちゃってるわけで、区民に嫌な気持ちが生まれてしまう限りは渋谷ハロウィンを肯定的に捉えてもらうのは難しいですよね。5年、10年かかるかもしれないですけど、一旦リセットして、新しいかたちでいいハロウィンがつくられていけばいいのかなと思います。そのためにできることのひとつとして、まずは街をきれいにしていければと」
渋谷という街、そして、ハロウィンのあり方を良くしていこうと考える人は彼だけではない。
渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。批判するだけではなく、応援してあげないと「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。 そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。 区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会常務理事の鈴木大輔氏、学生向けのコワーキングスペース運営を行う株式会社アントレキッズの共同創業者・太田可奈氏らにハロウィンを目的として来街する若者たちへの印象を聞いた。
「渋谷ハロウィンの現状は『日本大丈夫かな?』って感じです。恥晒しを自分でしていることにすら気づいていない人たちがたくさんいますよね。
そうした状況に対して、今回の規制は“一石を投じた”ということなのではないでしょうか。ここから学んだものを次に活かしていくという段階だと思います。
区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」 一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
区も、地域も『なんとかよくしよう』という考えで全力でやっているんです。どうにかしようとしていて、今年はこれだけ人が減ってトラブルが起きていない。それは事実ですよね。批判するだけではなく、応援してあげないとなかなかよくならないということを伝えたいです」
一方、渋谷駅近辺に店を構える飲食店店主は、周辺の経済に寄与するわけでもなく、対策費用だけがかさむ渋谷ハロウィンを嘆く。
「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。 今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主) 渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。(「文春オンライン」編集部)
「今日は全然この辺に人がいないですね。ハロウィンがあるから、あんまり渋谷に近づきたくないのかもしれないです。
今年の5月に店をオープンして今日が一番売り上げが悪いかもしれないくらい。隣の居酒屋も階上のバーも閉めているし、通りにも全然人がいないですよ。来年のハロウィンは営業形態を考えないとですね」(飲食店店主)
渋谷を訪れる若者、地域社会、地域経済、そして自治体。2023年時点では、それぞれが理想とするハロウィンに違いがある様子が窺えた。はたして、これから渋谷の街はどのように変化していくのだろうか。
(「文春オンライン」編集部)