カスタマーハラスメントの被害でメンタル不調にまで追い込まれる人は珍しくない。某ファストフード店で働く40代女性は接客業歴15年のベテランだが、1か月ほど前、こんな経験をしてから客と直接向き合う業務が出来なくなってしまったと語る。
その日は人手が足りず、いつもの早朝6時からドライブスルーを開けることができなかった。すると、そのことは掲示していたにも関わらず、カウンターに現れた中年男性がいきなり大声で
「この店はいつもドライブスルー閉めやがってよー!ちゃんと書いとけって言うんだよ」 「てめえどういうつもりか説明しろよ」
と罵ってきた。恐怖を感じつつ対応したという女性に、編集部では当時の一部始終を聞いた。
この客は50~60代くらい、スーツ姿で会社員風の男性だった。出勤前の朝食を購入しようと来店したようだ。説明しろと言われた女性は、必死に接客をしたが……。「『申し訳ありません。本日こちらの都合でドライブスルーは7時より営業の予定です」と言ったのですが、『うるせえ』とキレられました。ご注文は数百円のセットメニューで、『おい、○○出せよ。飲み物コーヒーな』と言いながらお金を投げつけて来ました」注文の仕方もお金の払い方も最悪の客だった。しかも「接客中は『てめえ』とか『おせーよ』とか、とにかく煽るような言葉を連発していました。私は遅くもなく、普通に対応していたのですが……」おびえながらもなんとか接客を続けたが、客はポイントカードの有無を聞いても答えなかった。それにも関わらず、「『おい、おめーはポイントもつけないつもりかよ』と怒鳴りつけてくる始末でした」「会計後にはポイントが付けられないことは掲示しており、声掛けもしていた」というが、理不尽に怒鳴りつけられてしまった。何とかポイントを後付けしたが、恐怖心は収まらない。「『またクレーマーか』という気持ちと、恐怖心が入り乱れ、平常心でいようと思いましたが、一刻も早く逃げ出したかったです。店長に対応を代わってもらってから、影に行って泣いてしまいました」男性店長に対応を代わると「途端にクレーマーは大人しくなりました」威圧感や怒鳴りつけの凄まじさに、たまらず店長を呼んだのだった。すると「店長が男性という事もあってか、途端にクレーマーは大人しくなりました。私はすぐに後ろに下げて貰えましたが……。こうなると騒いでいた証拠もないため文句も言えず……という状況でした」男性の店長を見たとたんクレームが止まったというから、苦情というより弱そうな女性スタッフに威張り散らしたかっただけなのではないか。「あとで店長に『なにか文句言ってましたか?』と聞きましたが、『何も言ってないよ』で終わりです。『こういう客はいるからしょうがない』と言っていました」後味は悪かったが、とりあえず事態は収束した。「色々なお客様がいらっしゃいますし、 歴も長いですが、こんなに酷い人は初めてです」と語る女性には、心の傷が残ってしまった。「私はそれ以来、お客様が怖い、怒られたらどうしよう……という気持ち、不安感が強くなり、カウンターでの接客やドライブスルーの担当がまともにできなくなりました。病院に通い、薬を飲みながら、後ろで商品を作ったりしています。担当の医師もこのことが原因とはっきり言っております」完全にメンタル不調に陥ってしまった女性だが、なんとか仕事は続けている。ほかに言いたいことを聞いてみると、「お客様だから何してもいいというのはないです」と口を開き、「たまたま虫の居所が悪かった、気分が悪かった……というのは人間誰しもあります。だからといって店員に当たったり、お金を投げたりは違うと思います」と、もっともな苦言を呈した。その上で、接客業で働く人たちに前向きな励ましを語ってくれた。「私はお客様が商品の購入を通して笑顔になって欲しいと思っているので、また以前のような接客ができるよう、復活を目指しています。少しでも同じように理不尽な思いをしている接客業の方、一緒に頑張りましょう」
この客は50~60代くらい、スーツ姿で会社員風の男性だった。出勤前の朝食を購入しようと来店したようだ。説明しろと言われた女性は、必死に接客をしたが……。
「『申し訳ありません。本日こちらの都合でドライブスルーは7時より営業の予定です」と言ったのですが、『うるせえ』とキレられました。ご注文は数百円のセットメニューで、『おい、○○出せよ。飲み物コーヒーな』と言いながらお金を投げつけて来ました」
注文の仕方もお金の払い方も最悪の客だった。しかも
「接客中は『てめえ』とか『おせーよ』とか、とにかく煽るような言葉を連発していました。私は遅くもなく、普通に対応していたのですが……」
おびえながらもなんとか接客を続けたが、客はポイントカードの有無を聞いても答えなかった。それにも関わらず、
「『おい、おめーはポイントもつけないつもりかよ』と怒鳴りつけてくる始末でした」
「会計後にはポイントが付けられないことは掲示しており、声掛けもしていた」というが、理不尽に怒鳴りつけられてしまった。何とかポイントを後付けしたが、恐怖心は収まらない。
「『またクレーマーか』という気持ちと、恐怖心が入り乱れ、平常心でいようと思いましたが、一刻も早く逃げ出したかったです。店長に対応を代わってもらってから、影に行って泣いてしまいました」
威圧感や怒鳴りつけの凄まじさに、たまらず店長を呼んだのだった。すると
「店長が男性という事もあってか、途端にクレーマーは大人しくなりました。私はすぐに後ろに下げて貰えましたが……。こうなると騒いでいた証拠もないため文句も言えず……という状況でした」
男性の店長を見たとたんクレームが止まったというから、苦情というより弱そうな女性スタッフに威張り散らしたかっただけなのではないか。
「あとで店長に『なにか文句言ってましたか?』と聞きましたが、『何も言ってないよ』で終わりです。『こういう客はいるからしょうがない』と言っていました」
後味は悪かったが、とりあえず事態は収束した。「色々なお客様がいらっしゃいますし、 歴も長いですが、こんなに酷い人は初めてです」と語る女性には、心の傷が残ってしまった。
「私はそれ以来、お客様が怖い、怒られたらどうしよう……という気持ち、不安感が強くなり、カウンターでの接客やドライブスルーの担当がまともにできなくなりました。病院に通い、薬を飲みながら、後ろで商品を作ったりしています。担当の医師もこのことが原因とはっきり言っております」
完全にメンタル不調に陥ってしまった女性だが、なんとか仕事は続けている。ほかに言いたいことを聞いてみると、「お客様だから何してもいいというのはないです」と口を開き、
「たまたま虫の居所が悪かった、気分が悪かった……というのは人間誰しもあります。だからといって店員に当たったり、お金を投げたりは違うと思います」
と、もっともな苦言を呈した。その上で、接客業で働く人たちに前向きな励ましを語ってくれた。
「私はお客様が商品の購入を通して笑顔になって欲しいと思っているので、また以前のような接客ができるよう、復活を目指しています。少しでも同じように理不尽な思いをしている接客業の方、一緒に頑張りましょう」