11月にもかかわらず、3日は300を超える地点で夏日となり、異常ともいえる残暑ということになりました。この「暑すぎる秋」は私たちの食卓にも影響を及ぼしています。
■11月なのに…夏日続出359地点
もう11月なのに休日を外で過ごす人々の手には日傘。装いは半袖に腕まくりで夏のようです。3日も季節外れの暑さに包まれた列島。25℃以上の夏日は359地点に上りました。
記録的な暑さとなったのが名古屋市です。11月に2日連続で夏日となるのは実に126年ぶり。動物も参っていました。外に出たレッサーパンダもすぐに退散です。
夏日どころではなかったのが富山市です。最高気温は28℃を超えました。
■トウモロコシざくざく!二期作も
暑さをチャンスと捉える人もいます。
小山農園 小山三佐男さん:「リカバリーしたいということで、期待を込めて(種を)まいている」
いつもは7月下旬にまく夏野菜の種。それを11月に行うのには深刻な事情がありました。
小山農園 小山三佐男さん:「(ニンジン)こんな状態です。発芽して間もない状態で、このまま成長しない」
夏の異常な暑さで土の温度は45℃にまで達しました。ここ最近の暑さで土の温度は発芽に最適となり、いわば「リベンジの種まき」を行っているのです。
小山農園 小山三佐男さん:「これだけ暖かいと、逆に暖かさを利用するしかない」
うれしい収穫もありました。夏野菜のトウモロコシが冬を控えた今、グングンと成長。今年は9月に1度収穫しましたが、来週にも2度目の収穫ができる見込みです。
小山農園 小山三佐男さん:「まさか東京でトウモロコシが2回取れるのは予想外」
■カキ出荷遅れ&イセエビ豊漁
異変は「冬の味覚」にも。ぷりっぷりの牡蛎(かき)。さらに、東北にいないはずのイセエビまで取れていました。11月に夏日を観測した岩手県宮古市。東北も記録的な暑さになりました。
宮城県の名物といえばコクのある味わいが自慢の「牡蛎」。暑くても皆さん、焼き牡蛎に舌鼓です。ただ、今年は異変が起きていました。
「かき小屋 渡波」店主 寺岡征己さん:「まだちょっと大きさ的には小ぶりな牡蛎が多い」
実は、宮城県産の牡蛎の出荷は例年より1カ月遅れ、先月30日にようやく始まりました。急ピッチで進む出荷作業。解禁日から1カ月出荷が遅れた理由の1つが「夏の暑さ」です。
宮城県漁協 石巻湾支所 丹野芳広さん:「高温が続いて海水温が高かった影響もあると思う。これからサイズもどんどん大きくなっていくと思うので、おいしい牡蛎を届けたい」
水面下では思わぬ異変も起きていました。石巻市の海で取れたのは高級食材のイセエビ。今まで東北ではめったに取れることがありませんでしたが、海に潜ると岩の隙間にいましたイセエビ。黒潮に乗って南の海から運ばれるイセエビが生息できるほど三陸沖の水温は高くなっているといいます。