3連休の初日に開かれた祭りの最中に、多くの人を巻き込む事故が起きた。
規制線の前に立つ警察官の先には、人だかりが見える。
祭りの衣装を身にまとった人の付近には、太鼓らしきようなものが倒れている。横転していたのは、祭りに使う山車(だし)だった。
静岡・伊豆の国市で、3日午前8時40分ごろ、廣瀬神社の例大祭で山車が横転した。
この事故で、山車に乗っていた人など子どもを含む19人が救急搬送され、佐藤由己さん(72)が死亡した。
現場近くにいた人は、「危ないって前にいた人はみんな逃げましたよ。ガタガタドーンという形で、(上に)10人くらいいたと思いますよ。太鼓たたく人、鐘を鳴らす人」と話した。
事故が起きるおよそ5分前に撮影された橋を渡る山車の画像では、引き手に加え、山車の上にも多くの人が乗っているのが確認できる。
横転により、上に乗っていた人の多くが転落し、引き手も巻き込まれたとみられる。
日本の祭りで多く使われる山車は、みこしより重く、多くは人力で引くという。
2022年10月には、愛知・豊田市の拳母祭りで、引き回しをしていた山車が交差点で向きを変えようとしたところ、担ぎ手の男性が転倒し、車輪にひかれ死亡した。
またしても起きた山車による事故。
廣瀬神社によると、山車の練り歩きは、コロナ禍で中止となって今回が4年ぶり。
山車は、なぜあの場所で横転したのだろうか。
山車が横転した現場は、橋の左側にある道路で、緩やかな勾配の坂となっていた。
現場近くにいた人は「橋を渡った時に、坂が急に。そこで持ちきれなかったんじゃないかな、ブレーキが」、「たぶん切り替えした時の、山車が振られる時にバランスが崩れたんじゃないかな」などと話す。
警察によると、事故は緩やかな下り坂を下ろうとした時に起きたとみており、業務上過失致傷の疑いも視野に、当時の状況を調べている。