木村弥生区長(58)が初当選した4月の東京都江東区長選を巡り、自民党の柿沢未途(みと)衆院議員(52)側が、地元の区議らに対する現金配布の概要をまとめた「リスト」を作成していた疑いがあることが関係者への取材で判明した。金額は区議によって異なり、数十万~1万円の幅があったという。東京地検特捜部もリストを入手している模様で、区議らから任意で事情を聴き、現金の趣旨の確認を進めているとみられる。
【画像】掲載されたネット広告の一部 江東区長選中に 関係者によると、4月の選挙戦に入る前に、柿沢氏の事務所が中心となってリストを作成し、リストに基づき、区議らに現金が渡されたという。江東区議会には自民党の他に、野党での活動が長かった柿沢氏に近い区議でつくる会派があるが、自民と、柿沢氏に近い議員の両方の名前がリストに記載されていたとされる。リストには、配布額の記載もあったとされる。 柿沢氏は区長選で木村氏を支援していたといい、区長選と区議選は投開票日が同日だった。現金に木村氏への票のとりまとめを依頼する趣旨があれば公職選挙法違反(買収)に問われる可能性もあるが、柿沢氏は周囲に「区議選の陣中見舞いで、区長選は関係ない」と説明し、買収の意図を否定しているという。 木村氏は、区長選の選挙期間中に公選法が禁じるインターネットの有料広告を掲載したとして特捜部の捜査を受けている。特捜部は、柿沢氏の事務所関係者にも任意で事情聴取を進め、有料ネット広告が動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載された経緯だけでなく、柿沢氏側と木村氏側による選挙運動全体の実態解明を進めているとみられる。 柿沢氏は木村氏に有料ネット広告の利用を提案したことを認め、9月に就任したばかりの副法相を10月31日に辞任した。木村氏も特捜部に対し、柿沢氏から勧められたことを認めているという。【井口慎太郎、北村秀徳、岩本桜、山田豊】
関係者によると、4月の選挙戦に入る前に、柿沢氏の事務所が中心となってリストを作成し、リストに基づき、区議らに現金が渡されたという。江東区議会には自民党の他に、野党での活動が長かった柿沢氏に近い区議でつくる会派があるが、自民と、柿沢氏に近い議員の両方の名前がリストに記載されていたとされる。リストには、配布額の記載もあったとされる。
柿沢氏は区長選で木村氏を支援していたといい、区長選と区議選は投開票日が同日だった。現金に木村氏への票のとりまとめを依頼する趣旨があれば公職選挙法違反(買収)に問われる可能性もあるが、柿沢氏は周囲に「区議選の陣中見舞いで、区長選は関係ない」と説明し、買収の意図を否定しているという。
木村氏は、区長選の選挙期間中に公選法が禁じるインターネットの有料広告を掲載したとして特捜部の捜査を受けている。特捜部は、柿沢氏の事務所関係者にも任意で事情聴取を進め、有料ネット広告が動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載された経緯だけでなく、柿沢氏側と木村氏側による選挙運動全体の実態解明を進めているとみられる。
柿沢氏は木村氏に有料ネット広告の利用を提案したことを認め、9月に就任したばかりの副法相を10月31日に辞任した。木村氏も特捜部に対し、柿沢氏から勧められたことを認めているという。【井口慎太郎、北村秀徳、岩本桜、山田豊】