早期退職やリストラに倒産……サラリーマンに押し寄せる厳しい現実。今回は再就職に悩む50代に聞いた“本音”のなかから、反響の大きかった記事トップ3を発表。第3位はこちら!(集計期間は2018年1月~2022年12月まで。初公開2019年4月24日 記事は取材時の状況) * * *
「ギリギリ逃げ切れるはず!」。そんな楽観的な見方をしがちな50代だが、少し目を凝らせば、すぐそこは阿鼻叫喚の地獄絵図。「転職・独立」というフロンティアは、弱肉強食の厳しい世界でもある。会社を飛び出した男たちを待ち受けていた運命とは? その過酷な現実に迫る。
◆社長の肝いりで入社するも直属の上司とモメて整理解雇に年収900万円→49歳で転落→年収0万円三野高明さん(仮名・50歳・既婚)無職
博士号を持つ三野さんは、私立大学の教員として20年間勤務。その後、少子化によってリストラされるも、縁のあった商社の社長の肝いりで、48歳にして年収900万円でヘッドハントされる復活劇を遂げた。だが、昨年末に2度目となるリストラの憂き目に遭うことに……。
「社長の期待に応えようと、新規事業や新規開拓先を次々に提案しました。ですが、事なかれ主義の上司は二言目には『意味ない』『効果あるの?』。それで許可を取らず、独断で仕事を進めたんです」
結果、「組織のルールを守れない」と取締役会の案件に発展し、整理解雇を突きつけられたという。三野さんの解雇予告通知書の解雇理由には、「協調性の欠如」のほか、「既存顧客からの苦情」と取ってつけたような理由が記されている。
「『一本釣りされた』、『知識は上司より上』と自負し、クビにはならないと高をくくっていたんです。結局、役員10人のうち味方は社長を含め2人。自分の力を証明しようと躍起になった結果が、『社内は敵だらけ』という状況でした」
現在、再就職先を探しているが、プライドが邪魔をするのだとか。
「年収700万円は譲れませんが、紹介されるのは年収300万円の案件ばかり。自宅のローンが10年残っているので、もう決めないと」
過剰な自信は50代では命取りだ。