警視庁は3日、東京・歌舞伎町の大久保公園周辺で売春の客待ちをしたとして、1~9月に売春防止法違反の疑いで20~46歳の女性80人を現行犯逮捕したと発表した。昨年は51人が摘発されたのに対し、大幅に増えた。若い女性が客待ちする様子がSNSで拡散されたことで、東京都外からも女性や客が集まるようになっているという。
約7割が20代で、約9割が初犯だった。無職や性風俗店従業員の割合が高い。ホストクラブやメンズ地下アイドルにはまったことによる借金返済や、遊興費目的が約4割を占めた。過去には多額の代金を回収しようとするホストが売春を勧めたケースもあった。
こうした状況を踏まえ、警視庁は9月22日、歌舞伎町地区のホストクラブなど110店舗に風営法に基づく一斉立ち入りを実施した。代金の回収に関するトラブルについて注意喚起するチラシを責任者に手渡し、客に売春させるなどの行為は処罰対象になると従業員に周知するよう求めた。
歌舞伎町の猯ちんぼ瓮好櫂奪箸離瓮ぅ鵑蓮大久保病院と大久保公園の間の通りだ。女性は1・5メートル間隔ほどで並び、多い時には50人ほど立っている。街灯がたくさんあり、夜でも明るい。世界中の観光客が集まる新観光スポット「歌舞伎町タワー」に隣接し、歌舞伎町交番から100メートルも離れていない。
歌舞伎町事情通は「朝から夜まで立ちんぼがいます。1日に何回も客を取りたいからです。顔を見て、しゃべってから交渉するので、変な客を断れるということで女性側のメリットもある。強気な女性だと2万から交渉です。買う方は常連だらけで、見慣れた女性には見向きもしない。毎日爛僖肇蹇璽覘瓩靴董⊃型佑いる時だけ買う人も多いですね。新人は争奪戦になりますよ」と語る。
今年4月、歌舞伎町のホストが客の女に「立ちんぼで稼いだら店でも会える」と言いくるめ、売春の客待ちをさせたとして、売春防止法違反で逮捕された。女は2月からホストに通い始め、常時20万円ほどの売掛金(ツケ)を抱えるようになった。3月から40日間、立ちんぼをして、売り上げの8割をホストに渡していたという。現在、歌舞伎町にはホストクラブが300店舗ほどあり、約8000人のホストがいるといわれる。
「ホストクラブが増え続けています。売掛金を払うために立ちんぼをしている女性が多いことに、警視庁は警戒を強めていました。一方で、ヤクザもホストを警戒するようになりました。以前、ホストはツケがたまって返せない女に対しては、風俗店で働かせることで、風俗店とヤクザに利益をもたらしてました。最近、ホストは客に立ちんぼをさせてそのカネをむしり取るようになっています。ヤクザを通さず、ヤクザに利益をもたらさないので、何人ものホストがヤクザに詰められています」(同)
そもそもホストクラブで売掛金という制度がおかしいことになっている。元ホストは「かつてホスト遊びは、社長夫人や起業した大金持ちの太客がするもの。そしてホストの裁量と腕前で客にツケをさせて、お金を落とさせる。だから、ツケが数千万円になっても回収できた。今では客の多くが風俗関係の女性で、その日暮らしという感じの子もいる。ツケはホスト持ちなので、回収できなければ、店からボコボコにされる。客のキャパオーバーまでツケをさせるのは二流です」と指摘した。