埼玉県所沢市の国道で軽自動車が暴走。事故の一部を収めたドライブレコーダーの映像がSNSで話題になっている。
【写真】「軽自動車にベンツのマーク」なA氏の愛車 事故現場はガードレールが曲がり、割れたブロックが 歩道に乗り上げた1台の軽自動車。停車しているのかと思いきや、次の瞬間、車が突然、左後方向に急バック。そのまま道路沿いの建物の壁に激突する。激突直前に映った車のフロント部分のバンパーやナンバープレートが破損して外れていること、この軽自動車が停車していた歩道のガードレールが破損し、街路樹も折れ曲がっていることから一度ガードレールに正面衝突し、再びバックで暴走し、建物壁にぶつかったとみられる。

この暴走自動車を止めるため、そばにいた人物は「降りろよ!降りろよ!」と怒声を飛ばすが、聞こえていないのか、車は再び急発進し、国道に戻る。「足を(アクセルから)どかして」「おい!」「ストップストップストップ」という声を気にも留めず、そのままゆっくりと走り去ろうとする──そんな衝撃的な動画だ。 目撃していた近隣住民によると、「この後、すぐに駆けつけた救急隊員に引きずり下ろされましたが、自分が何を起こしたのかわかっていないようで。呼びかけにも応答をしていなかった」という。 幸いなことにけが人はいなかったが、一歩間違えれば大事故に繋がりかねない危険な運転だ。事故現場を訪れると、いまだにガードレールは斜めに曲がったままで、折れ曲がった街路樹は根本から伐採されていた。衝突で割れたと見られる縁石ブロックも積まれていた。 近隣を取材すると、事故を起こした運転手は今年86歳の男性A氏であるという。バックしてぶつかった建物は彼の住む自宅で、1階が駐車場で2階がプレハブ小屋の住居スペースになっている。A氏はこの駐車場に自動車をバックで入れようとして暴走を引き起こしたのではないかとみられる。 事故が起きた1階の駐車場は、以前は飲食店などの商業施設が転々と入居して、地域住民と騒音などを巡り、度々トラブルになっていたという。別の近隣住民はこう語る。「30年前くらいから居酒屋などが入っていて、夜に客が来るとカラオケがうるさくて。注意しても『今度店を新しくして防音になるから』とか言ってはぐらかして、『すいません』の一言もない。その後、人に場所を貸してお店をやっていたんですけど、ここもうるさくてトラブルになり、通報が多く入ったので、警察が見張っていた時期もありました。また、ポルノ関係の物を売っていた店が入っていたこともあります。昔からトラブルが多い“いわくつき”の場所だったので、駐車場になってからは安心していたんですが、またこうしてトラブルの場所になるとは……」「どなたさまもご苦労さんです」 事件後、テレビの取材に対し、免許の返納については「考えていない」と言い張ったA氏。近所の銭湯やスーパーに通っている姿も目撃されていて、認知症のような徴候は見られないというが、周囲からは不安の声が聞こえる。「Aさんはもう長いこと回覧板も回らず、近所づきあいはほとんど無かった。なんというか個性が強い人で……自宅のポストには“どなたさまもご苦労さんです”というメッセージを置いていたり、今回事故を起こした自動車は軽なのになぜかベンツのエンブレムをつけていた。駐車場でも謎の中古物品を売っていたりした。運転はやめてほしいのですが、関係が絶たれているため、私たち近所の人が“危ないから免許返納したら?”と言っても難しいでしょうね」(別の近隣住民) さらに別の近隣住民もこう語る。「また車を運転されたらと思うと、怖くて仕方がない。どなたか一緒に住んでいる方がいるようですので、免許返納について説得してもらえれば助かるんですが……」 高齢者の運転はこれまでも大事故をたびたび招いたことで社会問題となってきた。2019年4月には池袋で当時88歳の被告が運転する自家用車が暴走し、3歳の女の子と母親が命を落とす凄惨な事故が起きている。事件後、免許返納は増えたというが、ニッセイ基礎研究所の調べによると、2022年の75歳以上のドライバーの免許返納率は4.48%で、前年より0.24ポイント低下しているという。 A氏に話を聞こうと自宅を訪れたが、電気などはついているものの反応はなかった。事故を起こした軽自動車は廃車にしたのか、駐車場には見かけられなかった。
歩道に乗り上げた1台の軽自動車。停車しているのかと思いきや、次の瞬間、車が突然、左後方向に急バック。そのまま道路沿いの建物の壁に激突する。激突直前に映った車のフロント部分のバンパーやナンバープレートが破損して外れていること、この軽自動車が停車していた歩道のガードレールが破損し、街路樹も折れ曲がっていることから一度ガードレールに正面衝突し、再びバックで暴走し、建物壁にぶつかったとみられる。
この暴走自動車を止めるため、そばにいた人物は「降りろよ!降りろよ!」と怒声を飛ばすが、聞こえていないのか、車は再び急発進し、国道に戻る。「足を(アクセルから)どかして」「おい!」「ストップストップストップ」という声を気にも留めず、そのままゆっくりと走り去ろうとする──そんな衝撃的な動画だ。
目撃していた近隣住民によると、「この後、すぐに駆けつけた救急隊員に引きずり下ろされましたが、自分が何を起こしたのかわかっていないようで。呼びかけにも応答をしていなかった」という。
幸いなことにけが人はいなかったが、一歩間違えれば大事故に繋がりかねない危険な運転だ。事故現場を訪れると、いまだにガードレールは斜めに曲がったままで、折れ曲がった街路樹は根本から伐採されていた。衝突で割れたと見られる縁石ブロックも積まれていた。
近隣を取材すると、事故を起こした運転手は今年86歳の男性A氏であるという。バックしてぶつかった建物は彼の住む自宅で、1階が駐車場で2階がプレハブ小屋の住居スペースになっている。A氏はこの駐車場に自動車をバックで入れようとして暴走を引き起こしたのではないかとみられる。
事故が起きた1階の駐車場は、以前は飲食店などの商業施設が転々と入居して、地域住民と騒音などを巡り、度々トラブルになっていたという。別の近隣住民はこう語る。
「30年前くらいから居酒屋などが入っていて、夜に客が来るとカラオケがうるさくて。注意しても『今度店を新しくして防音になるから』とか言ってはぐらかして、『すいません』の一言もない。その後、人に場所を貸してお店をやっていたんですけど、ここもうるさくてトラブルになり、通報が多く入ったので、警察が見張っていた時期もありました。また、ポルノ関係の物を売っていた店が入っていたこともあります。昔からトラブルが多い“いわくつき”の場所だったので、駐車場になってからは安心していたんですが、またこうしてトラブルの場所になるとは……」
事件後、テレビの取材に対し、免許の返納については「考えていない」と言い張ったA氏。近所の銭湯やスーパーに通っている姿も目撃されていて、認知症のような徴候は見られないというが、周囲からは不安の声が聞こえる。
「Aさんはもう長いこと回覧板も回らず、近所づきあいはほとんど無かった。なんというか個性が強い人で……自宅のポストには“どなたさまもご苦労さんです”というメッセージを置いていたり、今回事故を起こした自動車は軽なのになぜかベンツのエンブレムをつけていた。駐車場でも謎の中古物品を売っていたりした。運転はやめてほしいのですが、関係が絶たれているため、私たち近所の人が“危ないから免許返納したら?”と言っても難しいでしょうね」(別の近隣住民)
さらに別の近隣住民もこう語る。
「また車を運転されたらと思うと、怖くて仕方がない。どなたか一緒に住んでいる方がいるようですので、免許返納について説得してもらえれば助かるんですが……」
高齢者の運転はこれまでも大事故をたびたび招いたことで社会問題となってきた。2019年4月には池袋で当時88歳の被告が運転する自家用車が暴走し、3歳の女の子と母親が命を落とす凄惨な事故が起きている。事件後、免許返納は増えたというが、ニッセイ基礎研究所の調べによると、2022年の75歳以上のドライバーの免許返納率は4.48%で、前年より0.24ポイント低下しているという。
A氏に話を聞こうと自宅を訪れたが、電気などはついているものの反応はなかった。事故を起こした軽自動車は廃車にしたのか、駐車場には見かけられなかった。