東京都は3日、中古車販売大手ビッグモーターに対し、道路法に基づき街路樹が枯れるなどした店舗周辺の原状回復費用として約1600万円を支払うよう命令した。都によると同社は支払う意向。原状回復の工事は都が行う。
都内には同社店舗が18あり、街路樹のある都道に面する14店舗前で土壌調査が行われていた。その結果、9店舗前で除草剤の成分が検出され、多摩店では20本の街路樹が伐採されていたことも分かっている。
約1600万円のうち、約280万円は土壌調査費となっている。都建設局の担当者は「植栽費用については都の積算基準がありそれに基づいています」。
支払い期限は13日。都としては「すみやかに工事をしたいが、警察から現場保全を求められています。今は現場に入れない状況」(同)。警視庁は器物損壊容疑で捜査を続けており、結論が出るまでは枯れた街路樹も証拠なのだ。
除草剤が検出された土壌は入れ替えないといけない。「ツツジがある場合は抜くとツツジに負担があるので周りの土壌を入れ替えます。伐採のあった多摩店の場合は根株を撤去して、同じ木を植え替えます」(同)
神奈川県は街路樹の原状回復のために約785万円を同社に請求している。大阪府も3日に被害届を提出し、植え直しの費用を請求するという。全国でとなると1億円前後になりかねない。