東京・池袋で2019年4月に起きた乗用車暴走事故で、妻子を亡くした松永拓也さん(37)の名前を挙げ、「近いうちに殺す」という内容の電話が警視庁本部にあったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、28日昼ごろ、暴力団を名乗る男の声で電話があり、「年のいった受刑者に金を払わせるのはおかしい。近いうちに松永を殺す」などと脅迫した。同庁は同日中に電話があった旨を松永さんに伝えたという。
事故を巡っては、東京地裁で27日、松永さんら遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決があり、運転していた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(92)と保険会社に対し計約1億4600万円の支払いを命じた。
松永さんは自身のSNSで、「(賠償金は)保険会社から支払われ、飯塚受刑者との直接金銭のやりとりはない」と指摘している。