俳優の綾野剛(41)らをYouTubeで脅迫したなどとして、暴力行為法違反(常習的脅迫)や強要、証人威迫など5つの罪に問われた元参院議員ガーシー(本名・東谷義和)被告(51)の2回目の公判が30日、東京地裁で開かれ、証人として母親が出廷した。
ガーシー被告は6月4日に逮捕され、9月20日の初公判では、起訴内容について「間違いありません」と述べ謝罪。弁護側は常習性はないとして一部否認の姿勢を示した。一方、検察側は「(被告は)自己中心的で狂ってる」などという綾野の供述内容を朗読していた。
第2回公判には、ガーシー被告の母が弁護側の情状証人として出廷し、証言した。ガーシー被告について聞かれると、「おおらかで優しい子。うそをつくような子ではない。家族に怒ったことは一度もありません」と証言。それだけに、YouTube動画などで怒っている姿を見て驚いたといい、「驚きました。あんなに烈火のごとく怒っている息子を見たのは初めてなので、見てすぐに“ふた”をしてしまった」と、動画を見るのを途中でやめてしまうほどだったとした。
脅迫の起訴内容については「知ってましたが、許されることではないので反省してほしい」と、素直に反省を求めていた。
ガーシー被告は一時、ドバイに生活の拠点を移し、逮捕状が取られてもすぐには帰国しなかった。母は「(帰国するように)何回か言いました。“考えておく”と言うにとどまった」と述べた。
ガーシー容疑者は今年3月、兵庫県伊丹市にある実家が家宅捜索された際には、生配信の中で涙ながらに「うちの母親、77歳ですよ。すみません、もうほんまにうちのオカンは勘弁してください。オカン関係ないでしょ。頼むからオカンは勘弁してくださいホンマに。ホンマに、オカンだけは勘弁してください。70代のオカン捕まえて拘留して何が出るんですか。親父も自殺して、俺まで犯罪者みたいになって、これ以上オカンを苦しめたくないんです。何も知らないんですよ、ホンマに」と訴えていた。さらに初公判の中で、起訴状に対する認否を問われた際にも母親への思いにも触れていた。母はこの日、証言台で「自宅に警察が捜査に来た時えらいことになったと不安に思った」と素直な気持ちを吐露していた。
起訴状によると、昨年2~9月、YouTubeで綾野ら4人を脅迫したなどとしている。今年2月には、綾野ら2人の告訴状を取り下げさせようと考え、インスタグラムなどで脅したとされる。
《経過》
▼2022年2月中旬 YouTubeチャンネルを開設
▼7月10日 参院選比例代表で初当選
▼12月24日 動画投稿サイトで芸能人らを脅迫するなどしたとの告訴を受け、警視庁が任意の事情聴取を要請
▼23年3月15日 参院本会議で除名
▼16日 警視庁が暴力行為法違反容疑などで逮捕状を取得
▼4月13日 国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配
▼6月4日 滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)から帰国し、警視庁が逮捕
▼24日 証人威迫容疑で警視庁が再逮捕
▼8月30日 弁護側による3度目の保釈請求却下
▼9月19日 東京地裁の初公判で起訴内容について「間違いありません」と発言