猛暑の影響か、今年はスズメバチに異変が・・・活発化する時期がずれ、巣もより大きくなっているといいます。ひるおびは多忙を極めるハンターに密着し、緊迫の除去現場を取材。さらに、都会にいても知っておきたいスズメバチの対処法をお伝えします。
【写真を見る】「部屋にスズメバチが入ってきたらどうする?」連日の猛暑で異変!凶暴化するスズメバチの対処法を研究者に聞く【ひるおび】今年は多い!?スズメバチハチ刺されによる死者数は、過去10年間で166人。2023年6月にも、50代男性が除草作業中にスズメバチに刺され病院に搬送後、翌日に死亡が確認されています。

年間駆除件数930件を超えるハチ専門の会社「みどり産業」に聞くと、今年の依頼件数は、過去最大だった去年(2022年)の1.3倍に増加しているということです。「今年一番大きい」モンスズメバチの駆除現場スズメバチの中でも攻撃性が強く毒の量も多い「モンスズメバチ」。閉鎖空間に巣を作り、夜間も活動するという特徴があります。ひるおびは駆除に密着しました。8月8日に訪れたのは、茨城県常総市の河川敷。サイクリングや散歩などで人通りもあり、市の職員がハチ駆除の依頼をしました。モンスズメバチの巣があるのは、水門近くのコンクリートのブロックの中。自作の金網をハチが出入りする穴にかぶせ、一網打尽にします。ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:500、600匹ぐらいいるかもね。この時期にしてはやっぱりでかい。去年に比べるとでかい。この日の最高気温は33℃。河川敷で防護服を着て作業を続けるハンターは、熱中症になりかけたこともあるといいます。ある程度ハチを捕獲したところで、コンクリートのふたを開けてみると・・・ハンター歴45年「みどり産業」田迎真人氏:モンスズメバチで今年一番でかいよ。9月、8月下旬くらいの大きさかな。巣の大きさは約30cm。ハチの数は約600匹。今季最大のモンスズメバチの巣の駆除となりました。今年の巣が大きいワケどうして8月上旬にこれだけ巣が大きくなったのでしょうか。茨城・つくば市の6月15日~7月末の気温を見ると、ほとんどの日で平年を上回り、30℃以上の日が30日。さらに、降水量も平年に比べ、とても少なくなっています。スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:今年の夏は暑い日が多く雨も少なかったので、スズメバチが巣を大きくするのには好条件。(ハチにとっては)雨はやはり少ない方がいいんです。作りたての時に雨で濡れちゃうと、もう1回作り直さなきゃいけない。猛暑で活動時期にも変化さらに活動時期にも変化が。「ハチ110番」によると、スズメバチは例年8月下旬から10月上旬にかけて活発化します。これは、新しい女王蜂が誕生することで働き蜂の攻撃性が高まり、警戒心が強くなるためです。しかし中村氏によると今年は異例。猛暑の影響で6月下旬から活発になっており、しかもスズメバチは気温が10℃以下にならない限り活動し続けるため、10月上旬以降も警戒が必要になる可能性があるということです。スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:僕も今年スズメバチの巣を採る必要があって探したんですけど、「この時期だから大丈夫だろう」と思っていたら刺されたんですよ。軽装でやって5か所ぐらい刺されて、早い段階からまさかこんな大きいんだって。大群でハンターを襲撃 キイロスズメバチ千葉県・野田市の雑木林に囲まれた住宅の方から駆除の依頼を受け、ハンターが向かいました。物置として使われている建物の、天井をのこぎりで切り崩すと・・・ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:あった!真上だ!直径30センチほどの大きな巣を発見。ハチを掃除機で吸い取りつつ、丁寧に切り落としてこの巣の撤去は完了。しかしこの建物には、2階の軒下にも大きな巣が。ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:マックス怒ってるね。めちゃくちゃ怒ってる。500~600匹はいるよ。この攻撃量は今季最大かもしれない。秋の攻撃力みたい。攻撃性が非常に強い「キイロスズメバチ」。作業開始直後から大量のハチがハンターを襲います。高所と雨という悪条件の中、ハチの猛攻に耐えながら作業を進め、約40cmという大きな巣の撤去を完了しました。依頼者:外にあるだけだと思っていて、中にもあるとは思っていなかったので、びっくりしました。これで安心して明日から過ごせます。一軒に2つの巣があることも 引っ越しシーズンに要注意スズメバチは働き蜂が増えてくると“引っ越し”をします。初期は土の中・天井裏・壁の中など外敵に狙われない閉鎖空間に巣を作りますが、その後7月から8月にかけ、軒下や木の枝など開放空間に引越しをして巣を大きくするのです。スズメバチの引越しシーズンは、見える場所以外にも出入りしている可能性があり、細かくチェックすることが大切。中村氏は、「巣を天敵から守ろうと凶暴化しているので、駆除は自分でやらないように」と話しています。部屋にスズメバチが入ってきたら・・・もし遭遇してしまった場合、襲われないためにはどうすればいいのでしょうか。▼手で振り払わない▼ゆっくりと後ずさりする恵俊彰:ワーってなっちゃうよ。ゆっくりと後ずさりなんてできないと思う。スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:本当にそうですよね。ただハチの目は、横の動きに対してすごく敏感なんですが、前後に関しては少し鈍くなるんですよ。そういうことで、ゆっくり後ずさりするというのは、理にかなっています。さらに、「ハチ110番」によると、部屋の中にスズメバチが入って来てしまった場合の対処法は・・・▼まず電気を消す▼明るい光が入る窓を開ける▼それ以外の窓は閉め、カーテンも閉める▼自然にハチが外に出ていくのを待つスズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:ハチは故意に入ってきたわけじゃなくて、偶然入ってきてるんです。だから出たいんです。スズメバチは、東京都内でも注意が必要です。木や藪があるところにはスズメバチのエサとなる虫がいます。住宅街でも、公園や手入れされていない庭など木の多い場所にはオオスズメバチが巣を作る可能性があるということです。恵俊彰:都会にも巣を作るんですか?スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:可能性は当然あります。特に世田谷などでは、僕もオオスズメバチを見ましたから。エサが調達できればやっていけますので。中村氏によると、これからの時期はより注意する必要があるということです。(ひるおび 2023年8月18日放送より)
ハチ刺されによる死者数は、過去10年間で166人。2023年6月にも、50代男性が除草作業中にスズメバチに刺され病院に搬送後、翌日に死亡が確認されています。
年間駆除件数930件を超えるハチ専門の会社「みどり産業」に聞くと、今年の依頼件数は、過去最大だった去年(2022年)の1.3倍に増加しているということです。
スズメバチの中でも攻撃性が強く毒の量も多い「モンスズメバチ」。閉鎖空間に巣を作り、夜間も活動するという特徴があります。ひるおびは駆除に密着しました。
8月8日に訪れたのは、茨城県常総市の河川敷。サイクリングや散歩などで人通りもあり、市の職員がハチ駆除の依頼をしました。
モンスズメバチの巣があるのは、水門近くのコンクリートのブロックの中。自作の金網をハチが出入りする穴にかぶせ、一網打尽にします。
ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:500、600匹ぐらいいるかもね。この時期にしてはやっぱりでかい。去年に比べるとでかい。
この日の最高気温は33℃。河川敷で防護服を着て作業を続けるハンターは、熱中症になりかけたこともあるといいます。ある程度ハチを捕獲したところで、コンクリートのふたを開けてみると・・・
ハンター歴45年「みどり産業」田迎真人氏:モンスズメバチで今年一番でかいよ。9月、8月下旬くらいの大きさかな。
巣の大きさは約30cm。ハチの数は約600匹。今季最大のモンスズメバチの巣の駆除となりました。
どうして8月上旬にこれだけ巣が大きくなったのでしょうか。茨城・つくば市の6月15日~7月末の気温を見ると、ほとんどの日で平年を上回り、30℃以上の日が30日。さらに、降水量も平年に比べ、とても少なくなっています。
スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:今年の夏は暑い日が多く雨も少なかったので、スズメバチが巣を大きくするのには好条件。(ハチにとっては)雨はやはり少ない方がいいんです。作りたての時に雨で濡れちゃうと、もう1回作り直さなきゃいけない。
さらに活動時期にも変化が。「ハチ110番」によると、スズメバチは例年8月下旬から10月上旬にかけて活発化します。これは、新しい女王蜂が誕生することで働き蜂の攻撃性が高まり、警戒心が強くなるためです。
しかし中村氏によると今年は異例。猛暑の影響で6月下旬から活発になっており、しかもスズメバチは気温が10℃以下にならない限り活動し続けるため、10月上旬以降も警戒が必要になる可能性があるということです。
スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:僕も今年スズメバチの巣を採る必要があって探したんですけど、「この時期だから大丈夫だろう」と思っていたら刺されたんですよ。軽装でやって5か所ぐらい刺されて、早い段階からまさかこんな大きいんだって。
千葉県・野田市の雑木林に囲まれた住宅の方から駆除の依頼を受け、ハンターが向かいました。
物置として使われている建物の、天井をのこぎりで切り崩すと・・・
ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:あった!真上だ!
直径30センチほどの大きな巣を発見。ハチを掃除機で吸い取りつつ、丁寧に切り落としてこの巣の撤去は完了。
しかしこの建物には、2階の軒下にも大きな巣が。
ハンター歴7年「みどり産業」松原暢明氏:マックス怒ってるね。めちゃくちゃ怒ってる。500~600匹はいるよ。この攻撃量は今季最大かもしれない。秋の攻撃力みたい。
攻撃性が非常に強い「キイロスズメバチ」。作業開始直後から大量のハチがハンターを襲います。高所と雨という悪条件の中、ハチの猛攻に耐えながら作業を進め、約40cmという大きな巣の撤去を完了しました。
依頼者:外にあるだけだと思っていて、中にもあるとは思っていなかったので、びっくりしました。これで安心して明日から過ごせます。
スズメバチは働き蜂が増えてくると“引っ越し”をします。初期は土の中・天井裏・壁の中など外敵に狙われない閉鎖空間に巣を作りますが、その後7月から8月にかけ、軒下や木の枝など開放空間に引越しをして巣を大きくするのです。
スズメバチの引越しシーズンは、見える場所以外にも出入りしている可能性があり、細かくチェックすることが大切。中村氏は、「巣を天敵から守ろうと凶暴化しているので、駆除は自分でやらないように」と話しています。
もし遭遇してしまった場合、襲われないためにはどうすればいいのでしょうか。
▼手で振り払わない▼ゆっくりと後ずさりする
恵俊彰:ワーってなっちゃうよ。ゆっくりと後ずさりなんてできないと思う。
スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:本当にそうですよね。ただハチの目は、横の動きに対してすごく敏感なんですが、前後に関しては少し鈍くなるんですよ。そういうことで、ゆっくり後ずさりするというのは、理にかなっています。
さらに、「ハチ110番」によると、部屋の中にスズメバチが入って来てしまった場合の対処法は・・・
▼まず電気を消す▼明るい光が入る窓を開ける▼それ以外の窓は閉め、カーテンも閉める▼自然にハチが外に出ていくのを待つ
スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:ハチは故意に入ってきたわけじゃなくて、偶然入ってきてるんです。だから出たいんです。
スズメバチは、東京都内でも注意が必要です。木や藪があるところにはスズメバチのエサとなる虫がいます。住宅街でも、公園や手入れされていない庭など木の多い場所にはオオスズメバチが巣を作る可能性があるということです。
恵俊彰:都会にも巣を作るんですか?
スズメバチ研究の第一人者 中村雅雄氏:可能性は当然あります。特に世田谷などでは、僕もオオスズメバチを見ましたから。エサが調達できればやっていけますので。
中村氏によると、これからの時期はより注意する必要があるということです。
(ひるおび 2023年8月18日放送より)