福岡県水巻町でパート従業員辻つぐみさん（５２）を殺害し、通帳を奪ったなどとして、辻さんの妹ら３人が強盗殺人容疑で逮捕された事件で、妹が「（共に逮捕された知人に）十数年間にわたり総額数千万円の金を渡していた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
県警は、知人が長期にわたって妹から金銭を得ていたとみられることから、事件を主導した可能性があるとみて調べる。
逮捕されたのは、辻さんの妹で無職辻和美被告（５１）（詐欺罪などで起訴）、和美被告の知人で無職岡村恵美（４６）、その長女で無職愛香（２４）両容疑者。
捜査関係者によると、和美被告は約２０年前に職場で知り合った岡村容疑者から、様々な理由を付けて金を要求されていたとみられる。和美被告は「多い時は毎日、数千円を渡した」と話しているという。
和美被告は６月２日の事件直後、辻さんの預金口座からほぼ全額の約７４万円を引き出し、その大半が岡村容疑者親子に渡ったとみられている。親子は借金があるなど困窮していたが、事件後に数十万円の買い物をしていた。
一方で、和美被告は１０年以上の間、野宿に近い生活を送っていた。事件から９日後、北九州市内で県警に身柄を確保された際の所持金は約１０００円だった。