自動車税に車検制度、ガソリンにかけられる重課税など色々と高いと言われている日本の車を取り巻く料金事情。
しかし、海外の人からすると高いことで驚かれることが多いのが、先に挙げた料金ではなく高速道路の料金なのだ。高速道路料金はそもそも無料である国も存在するが、なぜ日本の高速道路料金が高いのだろうか。
具体的にどれくらいの差があるのだろう。違いを理解するためにも、まず日本の高速道路料金のシステムを説明する。
NEXCO中日本のホームページによると、日本の高速道路は基本料金として150円が設定されており、これに普通車の場合、1kmあたり24.6円が距離料金として加算される。なお、端数は四捨五入され10円単位で料金は決まり、消費税は別となっている。
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また、これよりも高くなることもある。
例えば、東京と大阪の大都市近郊区間は1kmあたり29.52円と高く設定されている。恵那山トンネルや飛騨トンネルなどの長大トンネルだと1kmあたり39.36円となっている。
このあたりは建設が難しく、建設時のコストがかかったためという背景があるのかもしれない。
では諸外国の高速道路料金はどうなっているのだろうか?
そもそも高速道路料金が設定されておらず、高速道路が無料という国も多い。
代表的な例で言えばドイツのアウトバーンやアメリカのフリーウェイなどが挙げられる。アウトバーンは近年では一部有料の区間も存在するが、まだまだ無料の区間の方が多い。(大型トラックなどは有料)
高速道路が有料となっている国と比べるとどうなのだろうか。
フランスやイタリア、スペインなどを例に見てみよう。
少し古い資料にはなるが、2017年度末時点で、国土交通省の資料によるとフランスは1kmあたり15.6円、スペインは13.4円が距離料金として設定されている(当時の円換算)。
イタリアは、2016年度末時点で、平地部が1kmあたり8.7円、山地部が10.3円となっている。
当時の資料であるため1ユーロ120円換算での計算だが、1kmあたり日本の高速道路料金の1/2~2/3以下程度。高速道路が有料の国々と比べても日本の高速道路料金は高いと言える。
ではなぜ日本の高速道路は有料で高額なのだろうか。【後編】『海外に比べ「日本の高速道路料金」は高すぎるのは、特有の「悲しい事情」が原因だった!』で詳しく説明する。