気象庁の異常気象分析検討会(会長=中村尚・東京大教授)は28日、今夏の猛暑について「異常だった」との見解を示した。
日本の東にある太平洋高気圧の勢力が過去に例を見ないほど強く、日本列島を覆ったことが主な要因という。
同庁によると、7月中旬から8月下旬にかけ、全国100か所以上で年間最高気温の記録を更新。今夏(6~8月)の平均気温は1898年の統計開始以降最高となる見込みだ。
例年は日本列島の東側にとどまる太平洋高気圧が西方向に大きく張り出し、日本列島全体が猛暑に見舞われた。梅雨期には、高気圧の縁を回るように流入した大量の水蒸気が前線の活動を活発化させ、大雨につながったという。
中村会長は「今年の暑さは歴代と比べて圧倒的だった。気温が高い状態は、世界全体で今後もしばらく続くだろう」と話した。