殺すだけでは物足りなかったのか。札幌・ススキノのホテルで男性（６２）の遺体が発見された事件で、死体遺棄などの疑いで逮捕された田村瑠奈容疑者（２９）の身の毛もよだつ行為が２日、判明した。なんと男性の殺害シーンを動画で撮影していたというのだ。
北海道新聞によれば、瑠奈容疑者はホテル内で男性を刃物で襲う様子を動画で撮影していたという。撮影したのは瑠奈容疑者自身とみられ、捜査本部は既に動画を押収し、解析を進めている。
事件を巡っては、瑠奈容疑者とともに逮捕された父親で精神科医の修容疑者（５９）、母親の浩子容疑者（６０）が事前に犯行計画を知っていた疑いがある。修容疑者は犯行前日に瑠奈容疑者とノコギリやスーツケース、手錠などを購入していた。
自宅には大量のクーラーボックスも用意されていた。遺体をバラバラにして、スーツケース内に入れて、持ち出す狙いとみられたが、瑠奈容疑者は首を切断するのが精一杯で、遺体が発見され、犯行が露呈したとみられていた。
ところが、殺害シーンの動画を撮影していたとなると、様相が変わってくる。持ち去った頭部とともに戦利品のごとく、犯行の証拠を残していたことになるからだ。頭部もクーラーボックスではなく、自宅の浴室に置かれ、腐敗が進む中で、あたかもさらし首状態になっていた。
犯行を動画で記録という謎が１つ加わったことで、事件関係者はこう指摘する。
「瑠奈容疑者は今年５月ごろ知り合った被害男性から暴行を受け、その際に撮られた動画の関係で、その後も男性と何度か会っていたという情報がある。その動画の話が事実なら、報復で瑠奈容疑者は犯行動画を収めた可能性が考えられる」
男性をただ殺害するだけでは飽き足らず、そのシーンを動画に収めて、頭部を持ち帰り、浴室に置いて、おとしめることまでして恨みが深かったということなのか…。
さらに小柄でしかも女性の瑠奈容疑者がどう犯行に及んだかについては判然としていない。室内は浴室以外は利用した形跡はなく、男性には争った際にできる防御創がなかったことで、一撃で殺害された可能性が高い。
瑠奈容疑者が動画を撮影していたとなれば、片手で凶器を携えた状態で犯行に及んだのか。それとも浴室にカメラを固定していたのか。事件の異様さが際立つばかりだが、押収された動画は事件の決定的証拠につながるとみられ、道警は瑠奈容疑者の殺人容疑も視野に解明に当たることになる。