山形市の社会福祉法人「輝きの会」で施設長などを務めた40歳代男性が約10年間、自身の給与を水増しして計約3400万円を着服していたことが2日、同法人への取材でわかった。
同法人は7月14日に男性を懲戒解雇しており、刑事告訴も検討している。
同法人によると、男性は1997年に介護職員として入所し、2011年4月~22年3月に給与事務を1人で担当。給与の水増しがあったのは13年9月~22年8月で、計122回行われていた。1回につき2万~60万円多く、自身の給与口座に振り込むよう銀行に申請していた。
男性は22年4月の人事異動で施設長に就任。後任者が今年5月、決算用の資料を作成していた際、複数月の給与台帳が同じ時期に印刷されていたことを不審に思い、発覚したという。
男性は内部調査の聞き取りに対し、「慣れない事務仕事などへのストレスからやってしまった」などと着服行為を認め、着服分を返済する意思を示しているという。同法人の担当者は読売新聞の取材に対し、「給与担当を複数人で行い、チェック体制を強化して再発防止に努める」と話した。