中学生時代に性的暴行を受け、人生が変わってしまったという男性が、40代になった今、自身の性被害の経験について重い口を開いてくれました。被害の影響に長く苦しんだ男性は、「男性が声を上げることの難しさ」を訴えています。相談に行った病院でも信じられない対応が待っていたといいます。13歳の時の性被害を告白した元ジャニーズJr.の橋田康さん(37)と、性被害問題について考えます。

◇性被害を受けたという男性(40代)「理不尽な性加害によって、本当に人生めちゃくちゃになることがあるんです」40代の男性が、自身の性被害の経験について重い口を開いてくれました。性被害を受けたという男性(40代)「やっぱり恋愛とかしたいなって思いはあったけど、こんな汚い僕みたいなのが恋愛しちゃいけないんだって思って、尻込みして結局、付き合わないで終わっちゃったりとか」性被害は、男性の人生を大きく変えてしまいました。中学1年生のころ、はじめは殴られるなどのいじめ被害だったのが徐々にエスカレートしていったといいます。性被害を受けたという男性(40代)「空き教室のあるフロアとかで裸にされて、自慰行為を強要されて、加害者の中には男子もいたし、女子もいました」そして、ある日――性被害を受けたという男性(40代)「いじめ加害者の1人でもあった男性の先輩から個人的に呼ばれて、いわゆる性的暴行を受けました。本当に訳がわからなくて、もう自分が、それが性的なものってことすらなんだかわからないので、まして相手が男性で、僕も男性っていうことで」男性は、自分がされていることは何なのか理解できなかったといいます。その先輩に言われたというのが――性被害を受けたという男性(40代)「(先輩に)『話したって誰も信じないからな』って言われて、すごく怖いし、気持ち悪いし、逆らうとどうしていいかわからないっていうのがあって」このことを誰にも言えないまま、先輩からたびたび性的暴行を受けたといいます。そして、男性の心身には不調が現れ始めました。性被害を受けたという男性(40代)「夜中に起きてしまうとか、休日もずっとそのことを1日考えてしまって、終えてしまうこととか」男性はそれでも、成長するにつれ、自分がされたことと向き合おうと考えたといいます。21歳の時に参加したある集会で、“いじめ被害”として自身の経験を語ったといいます。性被害を受けたという男性(40代)「終わった後で1人の参加者が『これって性犯罪被害だよね』ってさらっと言ってくれたんですね。『あ! それだ』って気づき、衝撃があって」自分が受けたのは“性被害”だった。大人になって初めて気づくことができたのだといいます。そして、カウンセリングを受けることを勧められ、心療内科へ向かいました。しかし、そこで男性を待っていたのは、信じられない対応でした。性被害を受けたという男性(40代)「『男性のレイプ被害なんて聞いたことない』って言った心療内科の人もいたし、『女性ならともかく男性なんだし』って言われて、『気にしないことだね』って言われて帰らされてしまったこともあります」相談に行った病院は30か所ほどにのぼるといいます。どこも似たような対応で、男性は病院に通うのをあきらめたといいます。性被害を受けたという男性(40代)「男性の場合は特に『被害を受けた』というその一言を発信することがものすごく怖いことで、否定をされる可能性が高いんですね」実感したのは、被害に遭った男性が声を上げることの難しさでした。そうした中、ジャニー喜多川前社長による性加害問題が浮上しました。男性は、ジャニーズ事務所だけではない、男性の性被害について目を向けてほしいと話します。性被害を受けたという男性(40代)「これをきっかけに男性の性被害もあちこちであるんだって理解してもらって、じゃあ世の中どうやっていったらいいかなっていうふうに、流れっていうのは止めないでほしいと、すごく切実に思います」 ◇◇◇藤井貴彦キャスター「本当に…男性が被害を訴えることが難しい時代だったと思いますが、橋田さんは(男性の訴えを)どう見ましたか?」元ジャニーズJr. 橋田康さん「自分とかぶる部分がたくさんありました。僕も『男だから』『男なのに情けない』とか『男なんだから抵抗できただろ』とか、やっぱりいろいろ言われていたんですけど、子どもころだったっていうのもあったんですけど、(ジャニー喜多川前社長の)権力も含めてなかなか言い出すのは難しいですよね。やはり恥ずかしさもありますし。女性でも、もちろんきついだろうし、言うのは本当に大変なこととは思いますけど、男性だからこそのつらさというのもあるとは思います」藤井キャスター「また少年だからこそ、誰に訴えていいかわからなかったんじゃないですか?」元ジャニーズJr. 橋田康さん「僕もVTRの人と同じで全てが“最初”だったので何が起きたのかわからず、『自分は性被害に遭ったんだ』ということは後に気づくというか…やはり、そういうのは本当に後からえぐられるというか…(悲しい)思いをする人が本当にいなくなるような環境をつくらなきゃいけないと本当に思いました」藤井キャスター「ここまで橋田さんにお話をうかがってきました。今日はどうもありがとうございました」元ジャニーズJr. 橋田康さん「ありがとうございました」
中学生時代に性的暴行を受け、人生が変わってしまったという男性が、40代になった今、自身の性被害の経験について重い口を開いてくれました。被害の影響に長く苦しんだ男性は、「男性が声を上げることの難しさ」を訴えています。相談に行った病院でも信じられない対応が待っていたといいます。13歳の時の性被害を告白した元ジャニーズJr.の橋田康さん(37)と、性被害問題について考えます。

性被害を受けたという男性(40代)「理不尽な性加害によって、本当に人生めちゃくちゃになることがあるんです」
40代の男性が、自身の性被害の経験について重い口を開いてくれました。
性被害を受けたという男性(40代)「やっぱり恋愛とかしたいなって思いはあったけど、こんな汚い僕みたいなのが恋愛しちゃいけないんだって思って、尻込みして結局、付き合わないで終わっちゃったりとか」
性被害は、男性の人生を大きく変えてしまいました。
中学1年生のころ、はじめは殴られるなどのいじめ被害だったのが徐々にエスカレートしていったといいます。
性被害を受けたという男性(40代)「空き教室のあるフロアとかで裸にされて、自慰行為を強要されて、加害者の中には男子もいたし、女子もいました」
そして、ある日――
性被害を受けたという男性(40代)「いじめ加害者の1人でもあった男性の先輩から個人的に呼ばれて、いわゆる性的暴行を受けました。本当に訳がわからなくて、もう自分が、それが性的なものってことすらなんだかわからないので、まして相手が男性で、僕も男性っていうことで」
男性は、自分がされていることは何なのか理解できなかったといいます。その先輩に言われたというのが――
性被害を受けたという男性(40代)「(先輩に)『話したって誰も信じないからな』って言われて、すごく怖いし、気持ち悪いし、逆らうとどうしていいかわからないっていうのがあって」
このことを誰にも言えないまま、先輩からたびたび性的暴行を受けたといいます。
そして、男性の心身には不調が現れ始めました。
性被害を受けたという男性(40代)「夜中に起きてしまうとか、休日もずっとそのことを1日考えてしまって、終えてしまうこととか」
男性はそれでも、成長するにつれ、自分がされたことと向き合おうと考えたといいます。21歳の時に参加したある集会で、“いじめ被害”として自身の経験を語ったといいます。
性被害を受けたという男性(40代)「終わった後で1人の参加者が『これって性犯罪被害だよね』ってさらっと言ってくれたんですね。『あ! それだ』って気づき、衝撃があって」
自分が受けたのは“性被害”だった。大人になって初めて気づくことができたのだといいます。
そして、カウンセリングを受けることを勧められ、心療内科へ向かいました。しかし、そこで男性を待っていたのは、信じられない対応でした。
性被害を受けたという男性(40代)「『男性のレイプ被害なんて聞いたことない』って言った心療内科の人もいたし、『女性ならともかく男性なんだし』って言われて、『気にしないことだね』って言われて帰らされてしまったこともあります」
相談に行った病院は30か所ほどにのぼるといいます。どこも似たような対応で、男性は病院に通うのをあきらめたといいます。
性被害を受けたという男性(40代)「男性の場合は特に『被害を受けた』というその一言を発信することがものすごく怖いことで、否定をされる可能性が高いんですね」
実感したのは、被害に遭った男性が声を上げることの難しさでした。
そうした中、ジャニー喜多川前社長による性加害問題が浮上しました。男性は、ジャニーズ事務所だけではない、男性の性被害について目を向けてほしいと話します。
性被害を受けたという男性(40代)「これをきっかけに男性の性被害もあちこちであるんだって理解してもらって、じゃあ世の中どうやっていったらいいかなっていうふうに、流れっていうのは止めないでほしいと、すごく切実に思います」
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藤井貴彦キャスター「本当に…男性が被害を訴えることが難しい時代だったと思いますが、橋田さんは(男性の訴えを)どう見ましたか?」
元ジャニーズJr. 橋田康さん「自分とかぶる部分がたくさんありました。僕も『男だから』『男なのに情けない』とか『男なんだから抵抗できただろ』とか、やっぱりいろいろ言われていたんですけど、子どもころだったっていうのもあったんですけど、(ジャニー喜多川前社長の)権力も含めてなかなか言い出すのは難しいですよね。やはり恥ずかしさもありますし。女性でも、もちろんきついだろうし、言うのは本当に大変なこととは思いますけど、男性だからこそのつらさというのもあるとは思います」
藤井キャスター「また少年だからこそ、誰に訴えていいかわからなかったんじゃないですか?」
元ジャニーズJr. 橋田康さん「僕もVTRの人と同じで全てが“最初”だったので何が起きたのかわからず、『自分は性被害に遭ったんだ』ということは後に気づくというか…やはり、そういうのは本当に後からえぐられるというか…(悲しい)思いをする人が本当にいなくなるような環境をつくらなきゃいけないと本当に思いました」
藤井キャスター「ここまで橋田さんにお話をうかがってきました。今日はどうもありがとうございました」