老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、国民年金を払ってこなかった46歳の方の悩みについてです。
Q:46歳。これから国民年金保険料を払って、将来年金をもらうことは可能でしょうか?「現在46歳です。高校卒業して2年間だけ正社員で働き、その後はずっとアルバイト生活をしているので国民年金保険料を未納のまま、この年になりました。最近、親が少し国民年金保険料を払う援助をしてくれるという話になり、これから国民年金保険料を払いたいと思っていますが、将来年金をもらうことは可能でしょうか?」(匿名希望) A:満額ではありませんが、年金を受け取ることはできます国民年金は、20歳から60歳までの人が加入しなければならない強制加入の年金保険制度で、40年間(480カ月)、国民年金保険料を支払います。国民年金に加入すると、老後に受け取れるのが老齢基礎年金です。老齢基礎年金は、受給資格期間(国民年金保険料納付済期間や合算対象期間、保険料免除期間等の合計)が10年間あると受け取ることができます。
国民年金保険料は、保険料の納付期限(納付対象月の翌月末)から2年間、さかのぼって納付することが可能です。免除申請をしていれば、10年間をさかのぼって納付できることとなります。
したがって、過去に申請を行っているのかを年金事務所に確認する必要があるでしょう。払わずにそのままにしてしまった場合、今からでは払うことができない期間もあると思います。未払いになってしまった期間分、将来もらえる年金は少なくなってしまいます。
過去に年金が未払いとなっている人の救済策として、60歳以上65歳になるまで、国民年金保険料を支払うことができる「任意加入制度」というものがあります。
相談者は現在46歳とのことですから、今からさかのぼって支払える2年分、これから60歳までの14年分、任意加入制度で60歳から65歳になるまで支払う5年分で、合計21年分(252カ月分)の国民年金保険料を納付することができます。満額の480カ月には及びませんが、受給資格期間も満たしますし、将来、年金をもらうことはできます。
また、これからは正社員を目指す、または厚生年金に加入できる事業所にアルバイトとして勤務することを考えてみてはいかがでしょうか。厚生年金に加入すると、会社が厚生年金保険料を半分負担しますので、その分自己負担は少なくなり、国民年金よりも、将来もらえる年金額は多くなります。厚生年金は70歳まで加入可能です。
年金対策というだけではなく、厚生年金を含む社会保険加入はメリットが大きいです。厚生年金に加入して働くことを目指してほしいと思います。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)