持ち込まれた修理車をさらにぶっ壊し、自動車保険の不正請求を繰り返していた中古車販売大手のビッグモーター(BM)のデタラメがどんどん明るみに出ている。店舗に並べた中古車を目に留まりやすくするため、街路樹に除草剤をまいて枯らせた疑惑が各地で浮上。近所の店舗周辺をチェックし、写真付きで惨状を伝えるツイートが続出している。国交省は全国の地方整備局に対し、国道沿いの店舗周辺の街路樹の状況を調べるよう指示。被害届を提出する自治体の動きも拡大中だ。
「ビッグモーター」のパワハラは他人事じゃない! 社会に跋扈する“ブラック企業”の驚愕実態 街路樹の枯死をめぐり、群馬県は昨年11月、県警太田署に被害届を提出。住民の通報を受け、BM太田店前の国道沿いに植えられたトウカエデが枯れていることを確認し、土壌分析で除草剤の成分を検出したという。こうした不自然な事例は27日までに北は北海道から南は福岡県まで、全国12都道府県の21店舗で判明。福岡も土壌調査に乗り出し、除草剤成分を確認した場合は器物損壊容疑などで被害届提出を検討するという。 18店舗を擁する東京都も27日、16店舗の付近をチェック。「各建設事務所が現場を確認。その内容を精査して今日中に調査状況を公表する予定」(建設局公園緑地部管理課)という。「器物損壊罪」には時効3年の壁 BMの25日の会見で、枯死について問われた創業オーナーの兼重宏行前社長は「環境整備で」と口にしかけたが、陣内司管理本部長が「調査して適切に対処する」と割って入って制止。専務から昇格した和泉伸二社長は「10年くらい前の話だと思うが、環境整備点検で雑草を抜くのに甘い認識で除草剤をまき、街路樹に影響を与えたのはあると思う」と釈明していた。 一方、テレビ西日本の取材に応じた元従業員は、環境整備方針に従って幹部が街路樹を掘り起こし始め、雑草が生えにくいように石を敷き詰めて除草剤をまく作業を繰り返したと証言。「周りの砂をスコップで落として、根っこが出てきたら体重をかけてスコップで切り落とす。縦に四方切り落とす。そして引っこ抜く。数百メートルにわたり街路樹を抜いていると、コツをつかんでくる」と具体的だ。 組織ぐるみが疑われる環境破壊は立件されるのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう言う。「街路樹を意図的に枯らせば器物損壊罪に該当します。ただ、時効が3年のため、それ以前の事案は捜査できない。時効をクリアした場合、まず刑事責任を追及されるのは実行犯。上層部の指示があれば幹部は共犯に問われる。会社を処罰することはできないため、民事訴訟で損害賠償を求めるしかないでしょう」 カネ儲け至上主義では片づけられず、BMはもはや犯罪者集団と言った方がいい。
街路樹の枯死をめぐり、群馬県は昨年11月、県警太田署に被害届を提出。住民の通報を受け、BM太田店前の国道沿いに植えられたトウカエデが枯れていることを確認し、土壌分析で除草剤の成分を検出したという。こうした不自然な事例は27日までに北は北海道から南は福岡県まで、全国12都道府県の21店舗で判明。福岡も土壌調査に乗り出し、除草剤成分を確認した場合は器物損壊容疑などで被害届提出を検討するという。
18店舗を擁する東京都も27日、16店舗の付近をチェック。「各建設事務所が現場を確認。その内容を精査して今日中に調査状況を公表する予定」(建設局公園緑地部管理課)という。
BMの25日の会見で、枯死について問われた創業オーナーの兼重宏行前社長は「環境整備で」と口にしかけたが、陣内司管理本部長が「調査して適切に対処する」と割って入って制止。専務から昇格した和泉伸二社長は「10年くらい前の話だと思うが、環境整備点検で雑草を抜くのに甘い認識で除草剤をまき、街路樹に影響を与えたのはあると思う」と釈明していた。
一方、テレビ西日本の取材に応じた元従業員は、環境整備方針に従って幹部が街路樹を掘り起こし始め、雑草が生えにくいように石を敷き詰めて除草剤をまく作業を繰り返したと証言。「周りの砂をスコップで落として、根っこが出てきたら体重をかけてスコップで切り落とす。縦に四方切り落とす。そして引っこ抜く。数百メートルにわたり街路樹を抜いていると、コツをつかんでくる」と具体的だ。
組織ぐるみが疑われる環境破壊は立件されるのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう言う。
「街路樹を意図的に枯らせば器物損壊罪に該当します。ただ、時効が3年のため、それ以前の事案は捜査できない。時効をクリアした場合、まず刑事責任を追及されるのは実行犯。上層部の指示があれば幹部は共犯に問われる。会社を処罰することはできないため、民事訴訟で損害賠償を求めるしかないでしょう」
カネ儲け至上主義では片づけられず、BMはもはや犯罪者集団と言った方がいい。