隠し事がバレるというのはよくあることだが、そのキッカケは意外と単純で、他人からすればバカバカしいことかもしれない。今回は、10年間ずっと「俺の不倫は、絶対にバレない」と豪語していた成瀬一成さん(仮名・38歳)に自滅したキッカケを聞いた。◆「俺の不倫は、絶対にバレない」の理由は
成瀬さんは、「バレない不倫方法を編み出した!」と豪語しはじめて10年以上もの間、不倫がバレてしまう人たちのことを「バカなヤツら」だと見下していたと言う。もちろん彼自身は、不倫がバレたことなど一度もなかった。
「一晩かぎりの関係も含めれば30人以上と関係を持ちましたが、修羅場になったり離婚したりはしたくないと思っていたので、早い段階で対策を考えたのです。それが、『バレない不倫方法』。その方法を編み出したキッカケになったのが、妻を呼んだときです」
それは、初不倫に浮かれていたときのこと。恋人時代から「あ~ちゃん」と呼んでいた奥さんを、不倫相手の名前「まりん」と呼んでしまったのだ。本来なら、修羅場。でもそのとき、「ワンッ!」と成瀬さん夫婦の愛犬“まりん”が駆け寄ってきて、奇跡的に修羅場を免れる。
◆修羅場を免れたことがきっかけに
「そこで思いついたのが、“妻もしくは愛犬と同じ呼び名で呼べる人だけと不倫をする”ということ。まりんという名前はなかなかいないですが、妻と同じで“あ~ちゃん”と呼べる女性はたくさんいます。名字でも名前でもいい。“あ~ちゃん”と呼べる女性を探しました」
成瀬さんが不倫相手に求める条件は、スタイルや顔など容姿がよいこと。恋愛ごっこは楽しいけれど本気になるのは危険だと自分を戒め、“あ~ちゃん”と呼べるかどうかで不倫できる女性かどうかを選別していった。
「たとえば、彩とか杏とか、有田とか浅野とか。“あ~ちゃん”と呼べる女性は多いので、いつ、どういうタイミングで呼びはじめるかが肝になります。不倫をはじめてからよりも、ターゲットと決めたときから仕込む。“あ~ちゃん”という呼び名を定着させることが重要です」
◆“あ~ちゃん”のあだ名を定着させる方法
名字や名前に“さん”を付けて呼ぶよりも、あだ名や“ちゃん”付けで呼んだほうが、女性との距離も縮まりやすいと成瀬さん。それでもタイミングを見誤り、痛いオジサンと思われて「ドン引きされた経験もある」と話す。そういうときはスパッと諦めるのがおすすめだとか。
「相手が引いているのに責めても、余計に気持ち悪がられるだけです。世の中には女性なんていくらでもいますから。あと、周囲が不倫ネタで盛り上がっているとつい、『バレない不倫方法を編み出した!』と口を挟むのですが、その方法を聞かれても絶対に教えません」
方法を教えないのは、「どこかからその方法が漏れて、自分の奥さんがその不倫方法を知ってしまうかもしれないから」という理由だ。また、「その方法で不倫三昧か?」とカマを掛けられても、「まさか! 俺は小心者だから不倫なんて無理」と回答する徹底ぶり。
◆妻以外に3人と不倫するハーレム状態に
「不倫だけでなく『不倫+浮気+浮気』というように、妻のほかに、さらに2~3人の女性と同時に付き合っていたこともありハーレム状態でした。不倫なのに、ホテル代や食事代などのお金を貢いでくれる子なんかもいたのがありがたかったです」
そんな絶好調の成瀬さんはある日、仕事関係で知り合った歩美さん(仮名・22歳)をターゲットにしようと決意。ターゲットにした理由はもちろん、成瀬さんのタイプだったことと、「あ~ちゃん」と呼べる女性だったから。

◆「本名で呼んでほしい」と懇願されて
「いままで自分を戒め、慎重すぎるほど慎重に行動してきました。それなのに、どんどん気持ちが高まっていき、不倫ということも忘れてのめり込んでしまったのです。そんなある日、歩美から『あ~ちゃんではなく、歩美と呼び捨てで呼んでほしい』とおねだりされました」
これまでは名前で呼んでほしいとおねだりされても、「カワイイ〇〇(不倫相手の名前)には、あ~ちゃんという呼び名がピッタリ」「あ~ちゃんって、呼びたい」と誤魔化し続けてきた成瀬さんでしたが…
「しばらくは『あ~ちゃん』と呼んでいましたが、普段はワガママを言わない歩美におねだりされて、根負け。ベッドでも同じおねだりをされ、雰囲気を壊さないように『歩美』と呼んでしまったことがキッカケです。その後は、『歩美』と呼ぶ機会が増えていきました」
◆不倫相手の名前で呼んでしまって…離婚
そんなある日、不倫発覚対策として妻とカラダを重ねていた成瀬さんは、行為後に「よかったよ、歩美」と言ってしまったのです。ハッとして口を塞いだが、時すでに遅し。「誰?」と妻に問い詰められ、スマホも全部チェックされて不倫がバレてしまったとか。
「俺は不倫相手を本気で好きになり、自滅したのです。奥さんとは別れることになりました。俺は、奥さんの親が経営していた会社で働いていたので、当然クビ。奥さんの親名義だった自宅からも追い出され、慰謝料も払うハメになりました」
バレない不倫方法を編み出したと豪語していた成瀬さんだが、自然の摂理として誰かを好きになるという気持ちまでは、うまくコントロールできなかったようだ。悪いことをしようとしても、完璧には振る舞えないというのが人間なのかもしれない。
<TEXT/夏川夏実>