夏本番です。犬や猫の飼い主は、ペットが逃げないように注意したほうがよいかもしれません。
環境省が公表しているデータ(2021年4月~2022年3月)によると、「所有者不明」の動物の引取り数は、1年間で犬2万1238匹、猫2万5203匹にものぼり、このなかには迷子になった個体も含まれます。
特に夏場は「迷子」が増えやすい傾向にあるとして、各地の自治体が、ペットの飼い主に注意を呼びかけています。
それでも、愛するペットが迷子になってしまったときのために「捜索ポスター」が無料公開されています。
福岡市の動物愛護管理センターは2019年7月末日、公式サイトで「夏のこの時期『花火大会』や『夕立時に雷』の音に驚いて逃げ出す犬がたくさんいます!」と注意喚起しました。
市の担当者によると、当時は市内で大きな花火大会が開催されていたため、直前に注意を促したのだといいます。
「犬は嗅覚だけでなく聴覚が発達していて、雷や花火の音が苦手な子が多いです。雷が鳴ったなったあとに迷子は多くなる傾向があります」(担当者)
熊本県も「激しい雷雨が予想される日や花火大会の日は、玄関に入れる」「首輪やリードが消耗して傷んでいないか再確認しておく」「日頃から迷子札や鑑札などを首輪に付けたり、首輪に飼い主の連絡先を書いておく」ことを推奨しています。
大阪市の担当者も同じ意見です。
「件数の把握はできていませんが、夏場の花火や雷によって犬や猫が逃げたと電話が寄せられたり、逸走届が出されることはあります」(市生活衛生課 乳肉衛生・動物管理グループ)
迷子にならないために努めることが何より大事ですが、もしペットが迷子になってしまったときのために、大阪市ではある取り組みをおこなっています。
2019年7月から公式サイトで、迷子犬・猫の捜索ポスターを無料で公開して、その制作手順に従えば、簡単にポスターをつくることができるのです。
市・動物管理グループの担当者によれば、これは広告代理店「大広」(大阪市)の若手グループによる持ち込み企画だといいます。
「会社の若手グループが地域に還元できないかと持ち込んだ動物愛護の関連企画です」
とはいえ、地味な取り組みのため、ポスターがどれだけ使われ、どれだけ発見につながったのかなど、市でも把握していないそうです。
ポスターに『大阪市』の文字を入れるような”せこいこと”はしていないので、全国どこでも活用可能。
「使わないことが一番ですが、迷子のペットでお困りの方がいれば、全国誰でもどんどんご自由にお使いください。ポスターを貼る際は、管理者の方に了解をいただいてから貼るようにご注意ください」
大阪から遠く離れた千葉県松戸市に住む女性は、近所でこのポスターを見たことがあると話します。
全国の犬猫の飼い主は、今一度ペットが逃げないように気を付けたいものです。