大分県在住の「こう」さんは今春、深夜に帰宅すると、風呂場から何やら物音が聞こえてきました。「ぴちゃぴちゃ」。湯船の水を誰かが? ひとり暮らしなのになぜ? スマホ片手に恐る恐る近づき、扉を開けると、浴槽の中に黒い生き物が。こうさんは急いで動画の撮影を開始。思わず声が出ました。「ええっ…嘘でしょ。え、嘘でしょ。まじー!?」
【写真】湯船の中でぴちゃぴちゃ こんな黒い生き物が…!「このあとどうしたのか知りたい」の声続々 騒動から2カ月経過。自身のツイッターに動画を公開したこうさんに話を聞きました。
──いつの出来事ですか。 「4月21日の深夜0時過ぎでした。大分県内の自宅アパートです」──異変に気付いたきっかけは。 「突然、風呂場からピチャピチャと音がし始めました。最初は水を止め忘れたのかと思って確認しに行ったら、黒い物体が見えたので撮影を開始しました」──黒い生き物の正体は。 「人の家に入ってきていることから、人家に近い存在であるアブラコウモリと考えられますが、断定はできません。その後も(近所で)飛んでいるコウモリをみたので珍しい種ではないと思います」──コウモリだと分かったときの心境は。 「動画内の音声の通り、信じられないという心境でした。菌の心配もありましたが、引っ越してきたばかりで網などもなかったので、どうしたものかと迷いました」──コウモリの侵入経路は。 「お風呂に窓はないので、換気扇の外側の口からコウモリが侵入し、内側の換気扇のファンの間を通って湯船内に落下してきたものと考えられます」 こうさんの投稿には「このあとどうしたんだろう」「続きが知りたい」などといった声が多数寄せられました。 こうさんに尋ねると、発見したのが深夜だったこともあり、その日は風呂場の扉を閉めて現場を確保。翌朝に業者の手配をしたそうです。「コウモリの菌が心配だったので、次の日にすぐ消毒清掃業者さんを呼びました。業者さんはコウモリの駆除なんてしたことがなかったのですが、とりあえず虫取り網だけ持ってきて、おそるおそるではありますがなんとか外に逃がしてくれました。業者さんもコウモリを物珍しそうにみていました」 また、浴槽にコウモリの菌がついたのではと心配する声もありましたが、「消毒業者さんを呼んだので、ばっちり塩素消毒してもらいました」。市HP「もし部屋に入ってきた場合、速やかに…」 自治体によっては、コウモリ対策についてわかりやすく案内している例もあります。 福岡県朝倉市では、市のホームページに「コウモリについてのお知らせ」を掲載。 「コウモリは、鳥獣保護管理法で保護されており捕獲が禁止されています。鳥獣保護管理法とは、鳥類または哺乳類に属する野生動物の捕獲と駆除を禁じている法律で、哺乳類であるコウモリはこの鳥獣保護管理法が適用されます。原則として、捕獲・殺傷は禁止されており、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。もし部屋に入ってきたり、ケガなどの衰弱で保護した場合は速やかに逃がしましょう」(同ページから引用) また、家に入ってきた場合の対処法として、「市では、捕獲、駆除等は行っていません。ご自身の管理地は、ご自身で防除する対応が必要です。糞や羽音等でお困りの場合は、コウモリを追い出し、侵入口を塞ぎましょう」とした上で、忌避剤を使う、ライト等を使って誘導するなどを紹介。「対応が困難な場合は、環境課にご相談ください。有料になりますが、コウモリに対応可能な業者をご紹介します。ご自身の所有地・管理地以外の場合は、施設や土地の所有者・管理者にご相談ください」と案内しています。害虫駆除、高額トラブルにも注意 今回の投稿者さんは円満に解決しましたが、害虫駆除をめぐっては、高額な請求をされ、消費トラブルに発展するケースもあるようです。 兵庫県内における害虫・害獣駆除サービスに対する苦情件数は、2019年度72件、2020年度79件、2021年度121件と年々増加。「ベランダにコウモリの糞があったので、駆除をしてもらおうと電話で見積りだけを依頼した。現場を見ないとわからないと言うので自宅に来てもらったら30万円だった。依頼していないのにすぐ駆除をして料金を請求された(30代女性)」など。 兵庫県立消費生活総合センターでは、「ネット広告を見て駆除を頼んだところ、表示料金より高額な請求をされたという相談が増えています」と注意を呼び掛けており、次のようなアドバイスをしています。(1)ネットの表示料金をうのみにしない(2)作業内容と料金を確認し、当初の表示とかけ離れた料金の場合は、すぐに契約しない(3)複数社から見積りを取り比較検討する(4)すぐ駆除しないと危険と急がされても契約しない 「消費者が事業者の訪問を求めた場合、基本的にはクーリング・オフはできませんが、勧誘方法や契約内容によりクーリング・オフができる場合があります。あきらめずに消費生活センターにご相談ください」(同センター)(まいどなニュース・金井 かおる)
騒動から2カ月経過。自身のツイッターに動画を公開したこうさんに話を聞きました。
──いつの出来事ですか。
「4月21日の深夜0時過ぎでした。大分県内の自宅アパートです」
──異変に気付いたきっかけは。
「突然、風呂場からピチャピチャと音がし始めました。最初は水を止め忘れたのかと思って確認しに行ったら、黒い物体が見えたので撮影を開始しました」
──黒い生き物の正体は。
「人の家に入ってきていることから、人家に近い存在であるアブラコウモリと考えられますが、断定はできません。その後も(近所で)飛んでいるコウモリをみたので珍しい種ではないと思います」
──コウモリだと分かったときの心境は。
「動画内の音声の通り、信じられないという心境でした。菌の心配もありましたが、引っ越してきたばかりで網などもなかったので、どうしたものかと迷いました」
──コウモリの侵入経路は。
「お風呂に窓はないので、換気扇の外側の口からコウモリが侵入し、内側の換気扇のファンの間を通って湯船内に落下してきたものと考えられます」
こうさんの投稿には「このあとどうしたんだろう」「続きが知りたい」などといった声が多数寄せられました。
こうさんに尋ねると、発見したのが深夜だったこともあり、その日は風呂場の扉を閉めて現場を確保。翌朝に業者の手配をしたそうです。「コウモリの菌が心配だったので、次の日にすぐ消毒清掃業者さんを呼びました。業者さんはコウモリの駆除なんてしたことがなかったのですが、とりあえず虫取り網だけ持ってきて、おそるおそるではありますがなんとか外に逃がしてくれました。業者さんもコウモリを物珍しそうにみていました」
また、浴槽にコウモリの菌がついたのではと心配する声もありましたが、「消毒業者さんを呼んだので、ばっちり塩素消毒してもらいました」。
自治体によっては、コウモリ対策についてわかりやすく案内している例もあります。
福岡県朝倉市では、市のホームページに「コウモリについてのお知らせ」を掲載。
「コウモリは、鳥獣保護管理法で保護されており捕獲が禁止されています。鳥獣保護管理法とは、鳥類または哺乳類に属する野生動物の捕獲と駆除を禁じている法律で、哺乳類であるコウモリはこの鳥獣保護管理法が適用されます。原則として、捕獲・殺傷は禁止されており、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。もし部屋に入ってきたり、ケガなどの衰弱で保護した場合は速やかに逃がしましょう」(同ページから引用)
また、家に入ってきた場合の対処法として、「市では、捕獲、駆除等は行っていません。ご自身の管理地は、ご自身で防除する対応が必要です。糞や羽音等でお困りの場合は、コウモリを追い出し、侵入口を塞ぎましょう」とした上で、忌避剤を使う、ライト等を使って誘導するなどを紹介。「対応が困難な場合は、環境課にご相談ください。有料になりますが、コウモリに対応可能な業者をご紹介します。ご自身の所有地・管理地以外の場合は、施設や土地の所有者・管理者にご相談ください」と案内しています。
今回の投稿者さんは円満に解決しましたが、害虫駆除をめぐっては、高額な請求をされ、消費トラブルに発展するケースもあるようです。
兵庫県内における害虫・害獣駆除サービスに対する苦情件数は、2019年度72件、2020年度79件、2021年度121件と年々増加。「ベランダにコウモリの糞があったので、駆除をしてもらおうと電話で見積りだけを依頼した。現場を見ないとわからないと言うので自宅に来てもらったら30万円だった。依頼していないのにすぐ駆除をして料金を請求された(30代女性)」など。
兵庫県立消費生活総合センターでは、「ネット広告を見て駆除を頼んだところ、表示料金より高額な請求をされたという相談が増えています」と注意を呼び掛けており、次のようなアドバイスをしています。
(1)ネットの表示料金をうのみにしない(2)作業内容と料金を確認し、当初の表示とかけ離れた料金の場合は、すぐに契約しない(3)複数社から見積りを取り比較検討する(4)すぐ駆除しないと危険と急がされても契約しない
「消費者が事業者の訪問を求めた場合、基本的にはクーリング・オフはできませんが、勧誘方法や契約内容によりクーリング・オフができる場合があります。あきらめずに消費生活センターにご相談ください」(同センター)
(まいどなニュース・金井 かおる)