「日本結婚相談所連盟」によると、結婚相談所に登録されているのは、男性・女性ともに30代~40代前半の方が多いようです。年齢が高いので、経済的に余裕があり、生活が比較的安定している方が多いと言えます。
一方で、(子どもを望まれる方の場合)妊娠、出産をするには、健康面で不安が残る年齢です。その年齢では、結婚後子どもを作るかどうかを気にしている人が多くおられます。
そういった方たちは、交際がはじめる時点、早いときには相談所で出会った時点で、子どもの話や子育ての役割分担について話し合いをされます。
20代と比べて出産や育児が体力的に難しくなるので、子育てに関して価値観が合うかどうかはかなり重要になってくるのでしょう。
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しかし、その話し合いで「子づくり」「子育て」に関する男女の意識の差が浮き彫りになることがあります。そして、多くの場合、男性が楽観的に捉えている場合が多いように感じます。
そこで、結婚を考えた男性の「子育て」についての考えの浅さに悩まされた女性の事例を紹介いたします。
(結婚相談所の事例に基づいたものですが、個人の特定を防ぐために内容を一部変更しています)
結婚相談所で活動をされている中野佳奈さん(29歳)は、都内の商社で事務の仕事をされている女性です。年収は大体400万円ほど貰っているそうで、29歳になってすぐに結婚相談所に登録されました。付き合っていた彼氏と別れたことがきっかけだったといいます。
「前の彼と別れたのは私の誕生日です。ありえないことを言われたんです」
と佳奈さんは当時のことを振り返ります。彼女の元カレの名前は、大介さん。二人は同い年で大学の友人の紹介で知り合い、26歳のときに交際をスタートさせたといいます。交際が進み、3年目に入った頃から佳奈さんは大介さんとの結婚を意識するようになったそうです。
佳奈さんは、次第に大介さんを「結婚しても苦労しないか」という目で見るようになりました。
「(結婚を)意識する前はルックスが好みで、一緒にいて楽しかったので、大好きでした。でも意識するようになって、一緒にいて楽しいことだけが大事ではないと気づいたんです。洗濯や掃除がマメかどうか、年収やお金の使い方は荒くないか、計画性があるかどうかなど、ロマンのかけらのもない、現実的な観点で彼を見るようになりました。彼の仕事内容について大体のイメージはありましたが、会社名までは知りませんでした」
佳奈さんが把握していたのは、大介さんの仕事は教育関係ということだけ。佳奈さんは勝手に、彼が大手学習塾で勤務していると思っていたといいます。
「ある日、大介と将来について真面目な話をしたんです。それで今の職業、どれくらい給料をもらっているのか聞きました。そしたら、彼、小さな学習塾の先生をしていたんです。給料は400万円くらいでした。勤務時間も長かったので、600万円くらい貰っているものだと…」
佳奈さんは少し意外に感じたという。しかし、彼女はこれからも働き続ける予定だったので、想像より低い給料を聞いても特段ショックを受けなかったそうです。
佳奈さんが大介さんと別れた理由は別にありました。
「職業の話から、結婚後に子どもを何人くらいほしいか聞きました。すると彼は、『子どもは二人くらいほしい。それで、大事に育てたいから佳奈には専業主婦になってほしい』って言いだしたんです」
佳奈さんは愕然としたそうです。
「年収400万、1馬力で子ども二人育てるって現実的に厳しいじゃないですか? しかも、勝手に子育ても完全に任せる流れになってるし。そういう苦労を全然わかってないんだなって。現実が見えていなさすぎてガッカリしました」
この話を機に、佳奈さんは大介さんに冷めて別れたといいます。
大介さんと別れた後、佳奈さんは次の交際相手を見つけるのは難しいと考え、結婚相談所に登録されました。
今回のお話の場合、付き合う前から相手の職業や年収を把握していなかったのが、一つのポイントだったといえます。収入や貯金が大きく関わってくる「子育て」をお互いが望んでいるのであれば、交際して早い段階でお互いにお金の話はするべきだったのかもしれません。
その点、結婚相手にある程度の年収を求める佳奈さんにとって、結婚相談所は年収やルックスが公開してから男女のマッチングを行うので、相性がいいといえます。
「しゅふJOB総研」が実施した就労志向の女性を対象にしたアンケート調査によると、「少子化の原因はなにか」という質問に対して「育児にお金がかかる」という回答が最も多かったそうです。
女性は現実的に出産・育児を捉えているといえます。男性はそのことを意識して言動に気を付けたほうがいいのかもしれません。
【後編】『29歳女性が驚愕…年収700万円のハイスぺ男性を「頭がお花畑」と感じたワケ』では、結婚相談所でも「子育て」に対して認識の甘い男性に悩まされる佳奈さんのお話に続きます。