英国王室で70年ぶりとなる「戴冠式」が、5月6日(現地時間)に執り行われる。日本からは天皇陛下の代理で秋篠宮ご夫妻が出席されるのだが、折から皇嗣家の「情報発信」に疑問の声が渦巻く中、訪英への“道のり”にもまた、大いに懸念が寄せられているのだ。
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【最新カット】初夏の装いの小室眞子さん 小室圭さんは「半袖&半パン」のリラックスした姿 昨年9月に96歳で亡くなったエリザベス女王が、自身の戴冠式に臨んだのは1953年6月。長男のチャールズ国王は当時、わずか4歳だった。

それから70年、新国王は前回と同じくウェストミンスター寺院において、伝統の儀式を迎えることになる。在英ジャーナリストによれば、「式典は英国教会のカンタベリー大主教によって執り行われます。中でも重要なのは『塗油』の儀式。天蓋で覆われたチャールズ国王とカミラ王妃の手や頭部にエルサレムから運ばれた聖油が塗られ、祝福を受けるのです」紀子さま とのことで、「前回、女王の戴冠式には約8千人が出席しましたが、今回は国王の意向もあり、物価高騰にあえぐ国民に配慮する形で規模を縮小。参列者は2千人程度に絞られます。また式典自体も、前回の3時間から1時間ほどに簡素化されることになっています」(同)他国の参列者は? 肝心の参列者については、「従来“新たに王位に就いた元首の戴冠を、より在位年数の多い外国の君主が祝うのは欧州の慣習になじまない”との観点から、各国の王位継承者やその妃が出席するのが習わしとなっていました。ですが今回、英王室は元首にも招待の幅を広げ、これに応じる形でスウェーデンからはグスタフ国王、スペインはフェリペ国王、そしてルクセンブルクのアンリ大公も式典に出席すると発表されました」(同) 日本政府に届いた招待状にも、国家元首を招きつつ、元首が出席できない場合は代理の出席が可能である旨、記されていたのだが、「海外王室の即位式や戴冠式には天皇陛下は出席されず、皇太子待遇の方が参列なさってきたという皇室の慣例もあって、今回は陛下が秋篠宮ご夫妻を差遣なさるという形で、4月11日に閣議で了解されました」(宮内庁担当記者)ご宿泊先は最高級ホテル「クラリッジズ」 秋篠宮さまは85年に旅行で訪英され、88年から90年にはオックスフォード大大学院に留学されているものの、英国への公式訪問は初めてとなる。さる20日には、紀子妃とともに東京・八王子の武蔵陵墓地を訪ねられ、昭和天皇と香淳皇后の陵墓を参拝、公式訪問前のご奉告をなさっている。1953年のエリザベス女王の戴冠式「ご夫妻は5月4日の午前に羽田空港から政府専用機で出発され、現地時間の5日午後、チャールズ国王が主催するバッキンガム宮殿でのレセプションにご出席。6日の午前中から戴冠式に臨まれ、午後には帰途に就かれます。ご宿泊は昨年、エリザベス女王の国葬の際に天皇皇后両陛下もお泊まりになった最高級ホテル『クラリッジズ』です」(同)抗議のメールが殺到 さる宮内庁関係者が言うには、「秋篠宮さまは皇嗣となられてからも大規模な警備態勢を好まれず、海外ご訪問時は一貫して民間機を利用してこられました。今回は混雑が予想されるゴールデンウイーク中であり、加えて陛下の代理という重いお立場もあって“例外的”に政府専用機を用いることで了承なさったのです」チャールズ国王夫妻 紀子妃もまた、「政府専用機には初めてご搭乗なさいます。式典前日のレセプションでは各国の王室とも交流されるため、背負われた責任とともに紀子さまには並々ならぬ意気込みがうかがえ、いつになくお気持ちが高ぶっておられるご様子です」(同) が、そんな晴れ舞台に水を差すかのように、ご夫妻の訪英には批判の声が沸き起こっていた。佳子さまの“暴走”を止められず 一連の“小室問題”で、秋篠宮家は空前の逆風にさらされてきたのだが、とりわけ2月以降、両陛下の代わりに秋篠宮ご夫妻が訪英されるとの見通しが報じられると、宮内庁には抗議の電話やメールが殺到。「日本の恥だ」「愛子さまは参列できないのか」といった声から、戴冠式の5日後に催される園遊会にからめて「宮内庁が天皇ご一家を渡英させないようにしているのか」との“独自見解”まで寄せられたという。システム見直しの主たる理由「宮内庁に届くご意見の8割以上が、戴冠式に関するものでした。これらを窓口である長官官房の秘書課が取りまとめ、国民の声として長官へ伝えてきましたが、4月から広報室が新設されたのに伴い、国民からの問い合わせは、まず広報室で受け、それがご意見やご要望である場合には、あらためて役所のホームページからメールでお送りいただくことになりました」(同) 結果として国民の声は、ダイレクトに届きづらくなったといえるのだが、「何しろ抗議の数が膨大で、すべてに対応していると通常業務もおぼつかない。これがシステム見直しの主たる理由だと聞いています」(同) 秋篠宮さまの肝いりで立ち上がった広報室が、さっそく国民に向けて“力”を行使し始めたわけである。歯切れの悪い回答が顕著に さる皇室ジャーナリストいわく、「こうした批判を招くのは、“小室問題”だけが原因とも言い切れません。事実、その後も秋篠宮家は、悠仁さまの高校入学の経緯や作文コンクールでの無断引用などで物議を醸してきました。最近では、34億円を費やして改修した宮邸に佳子さまだけが引っ越されず、引き続き仮住まいの『御仮寓所』でお暮らしになっている件も批判されています」 が、これらの“疑念”払拭に向けて動く姿勢が、宮内庁にはまるで見られないのだ。前出の記者が言う。「秋篠宮家のお世話をする皇嗣職のトップは、警察庁出身の加地隆治・皇嗣職大夫。御代替わりで皇嗣職が創設されたのに伴い、宮家の事務を統括する宮務主管から異動し、“秋篠宮家専従幹部”となった人物です」 その加地大夫は原則として、毎週金曜日に庁内で記者会見を行っており、「以前から記者の質問には歯切れの悪い回答が目立ちましたが、最近はそれが顕著です。例えば4月7日の会見では、ご一家のお引っ越しについて質問が出ました。大夫は『必要なお引っ越しは終了した』と言いながら、『佳子さまはどうされたのか』と尋ねられると『私室の部分の利用については説明を控える』と、居住実態を明かそうとしない。記者からは『御仮寓所は本邸の完成後、事務棟として活用する名目で国費が支出されたはず。これでは目的外利用だ』と畳みかけられても『ご意見として承(うけたまわ)る』と言うばかりでした」(同)“隠蔽体質”に記者からも皮肉が 続けて、翌週14日には、こんな話題も出たという。「春休み中の悠仁さまの生活について質問がありました。大夫は『基本的に公的な行事以外はお知らせしない』と前置きしながら、ご両親と一緒に九州山地を巡検、つまりフィールドワークされたと切り出したのですが、それ以上は一切明かさない。このご旅行については、前日発売の『女性セブン』が日程や場所などを詳しく報じていたのですが、それでも大夫は“私的ご活動”を盾に説明を拒んだのです。本来ならば前週の会見で伝えてもいいはずで、われわれが14日に水を向けなければ、言わずじまいだったのは明らかでした」(同) あまりの“隠蔽(いんぺい)体質”に、業を煮やした記者会からは、以下のような痛烈な皮肉も飛んだというのだ。「九州の地名すら口にしようとしない大夫に『北九州市は含まれていませんよね』と尋ねたのです。『具体的なお話は控える』とする大夫に、この記者は『作文の関係者とお会いになったか』と、追い討ちをかけました。これは昨年2月、北九州市が主催する作文コンクールで佳作に入選された悠仁さまの作品に、ガイドブックなどの無断引用が発覚した件を踏まえたものですが、こうした皮肉を言いたくなるのもうなずけます。“なぜこんなことを隠すのか”という応酬が、毎週のように続いているのです」(同)紀子さまの「ご指導」も影響か ご一家の日常にとどまらず、今回の英国ご訪問に関しても、理解しがたい対応がみられたといい、「われわれはかねて皇嗣職に、秋篠宮さまと英王室やチャールズ国王との交流について、過去の思い出やエピソードを紹介してほしいと要望してきました。ところが14日の会見で大夫は『承知していない』と言う。あらためて質すと、大夫は同席した報道室長に確かめる始末で、のちに供された資料は“いつ会われた”といった事実の羅列に終始し、要望とは程遠いものでした」 先の宮内庁関係者が言う。「秋篠宮ご夫妻は、毎週の皇嗣職大夫の会見を文書化してご覧になっています。これをもとに、しばしば紀子さまから大夫や皇嗣職幹部に『ここはこう言うべきでしたね』などと、細かなご指導があるといいます。会見が“空洞化”しているのは、余計なことを言うまいと大夫が過剰に自主規制していることも一因ですが、そもそもご夫妻に『プライベートは明かさなくていい』『記者会のリクエストに応じる必要はない』とのお考えがあるのは間違いありません。このために大夫は毎週、記者会との板挟みになっているわけです」「もう少しオープンにされた方が…」 秋篠宮さまの強いご意向で新たな広報体制が敷かれたというのに、お膝元の部署がこれでは説得力に欠けると言わざるを得ない。 皇室解説者の山下晋司氏は、こう指摘する。「眞子さんの結婚に際しては、皇族の“公と私”が焦点となりました。秋篠宮殿下は、この二つをできるだけ区別したいとのお気持ちが強いように見受けられます。ただし国民からすれば公私は関係なく、そのお人柄に関心が向けられます。むしろ“私”のお姿の中にそれがよくうかがえることもあるのです。チャールズ3世国王陛下はじめ英王室との交流についても、2年間留学なさっていたのだから、そのあたりのお話が紹介されないのは歯がゆく感じます。プライベートとはいえ、もう少しオープンにされたほうがいいと思います」英国アンケートで驚きの数字が さて、そんな中で赴かれる英国でも、戴冠式の話題はやはり「次男」に尽きる。1月に回顧録『スペア』を刊行したことで王室との関係がいっそう悪化し、動向が注目されていた国王の次男・ヘンリー王子について、英王室は4月12日、「出席する」と発表。あわせてメーガン妃は欠席し、2人の子とカリフォルニア州サンタバーバラの自宅に留まることも明らかになった。 前出の在英ジャーナリストは、「当日は長男アーチー君の4歳の誕生日でもあり、メーガン妃は自分が出席することで女王の国葬の時のような批判が再燃するのを忌避したとみられます。家庭では誕生日パーティーを催す予定で、ヘンリー王子も式典が終わると、その後の昼食会やパレードには参加せず、直ちにプライベートジェットで米国へ引き返すといい、実質36時間の小旅行になるといわれています」 むろん父や兄との関係修復など望むべくもない。『英国女王が伝授する 70歳からの品格』などの著書があるジャーナリストの多賀幹子氏が言う。「昨年6月、エリザベス女王の即位70周年を祝う『プラチナ・ジュビリー』に出席したヘンリー夫妻は、ロンドンのセントポール大聖堂前に集まった市民からブーイングを浴びました。二人は英王室を批判しながらもそれで稼いでいるため、英国で嫌われています。その姿を米国民に見られればブランド価値が低下し、ビジネスにも影響が及んでしまうのです」 実際に、こんな数字が。「4月22日に英国でアンケートが行われました。『理想のカップルはどちらか』という設問で、結果はウィリアム皇太子夫妻が71%、ヘンリー王子夫妻は14%。後者は依然として英国民に支持されておらず、それどころかますます嫌われているのが分かります。回顧録にはウィリアム皇太子も激怒しており、戴冠式当日は王室の配慮で、互いの視線がぶつからないようにヘンリー王子が10列後ろに座るとも報じられています」(同)小室夫妻に注目してきた英タブロイド紙 一方で秋篠宮ご夫妻は、欧州の君主らが参列されることもあり、招待客の中ではいわば“末席”に近い位置にお座りになる可能性も。英国のメディアでは現在、“大勢の招待客の一人”として報じられるにとどまっているのだが、「眞子さんと小室さんについては、これまで英タブロイド紙が追いかけて度々写真を載せており、非常に注目度が高い。お二人は、国内での批判を受けて渡米するなどヘンリー夫妻との共通点も多く、“第二のメーガン&ヘンリー”という位置付けです。秋篠宮ご夫妻が今後、タブロイド紙などで“あのプリンセスマコのご両親”などと紹介されることも十分あり得ます」(同)「週刊新潮」2023年5月4・11日号 掲載
昨年9月に96歳で亡くなったエリザベス女王が、自身の戴冠式に臨んだのは1953年6月。長男のチャールズ国王は当時、わずか4歳だった。
それから70年、新国王は前回と同じくウェストミンスター寺院において、伝統の儀式を迎えることになる。在英ジャーナリストによれば、
「式典は英国教会のカンタベリー大主教によって執り行われます。中でも重要なのは『塗油』の儀式。天蓋で覆われたチャールズ国王とカミラ王妃の手や頭部にエルサレムから運ばれた聖油が塗られ、祝福を受けるのです」
とのことで、
「前回、女王の戴冠式には約8千人が出席しましたが、今回は国王の意向もあり、物価高騰にあえぐ国民に配慮する形で規模を縮小。参列者は2千人程度に絞られます。また式典自体も、前回の3時間から1時間ほどに簡素化されることになっています」(同)
肝心の参列者については、
「従来“新たに王位に就いた元首の戴冠を、より在位年数の多い外国の君主が祝うのは欧州の慣習になじまない”との観点から、各国の王位継承者やその妃が出席するのが習わしとなっていました。ですが今回、英王室は元首にも招待の幅を広げ、これに応じる形でスウェーデンからはグスタフ国王、スペインはフェリペ国王、そしてルクセンブルクのアンリ大公も式典に出席すると発表されました」(同)
日本政府に届いた招待状にも、国家元首を招きつつ、元首が出席できない場合は代理の出席が可能である旨、記されていたのだが、
「海外王室の即位式や戴冠式には天皇陛下は出席されず、皇太子待遇の方が参列なさってきたという皇室の慣例もあって、今回は陛下が秋篠宮ご夫妻を差遣なさるという形で、4月11日に閣議で了解されました」(宮内庁担当記者)
秋篠宮さまは85年に旅行で訪英され、88年から90年にはオックスフォード大大学院に留学されているものの、英国への公式訪問は初めてとなる。さる20日には、紀子妃とともに東京・八王子の武蔵陵墓地を訪ねられ、昭和天皇と香淳皇后の陵墓を参拝、公式訪問前のご奉告をなさっている。
「ご夫妻は5月4日の午前に羽田空港から政府専用機で出発され、現地時間の5日午後、チャールズ国王が主催するバッキンガム宮殿でのレセプションにご出席。6日の午前中から戴冠式に臨まれ、午後には帰途に就かれます。ご宿泊は昨年、エリザベス女王の国葬の際に天皇皇后両陛下もお泊まりになった最高級ホテル『クラリッジズ』です」(同)
さる宮内庁関係者が言うには、
「秋篠宮さまは皇嗣となられてからも大規模な警備態勢を好まれず、海外ご訪問時は一貫して民間機を利用してこられました。今回は混雑が予想されるゴールデンウイーク中であり、加えて陛下の代理という重いお立場もあって“例外的”に政府専用機を用いることで了承なさったのです」
紀子妃もまた、
「政府専用機には初めてご搭乗なさいます。式典前日のレセプションでは各国の王室とも交流されるため、背負われた責任とともに紀子さまには並々ならぬ意気込みがうかがえ、いつになくお気持ちが高ぶっておられるご様子です」(同)
が、そんな晴れ舞台に水を差すかのように、ご夫妻の訪英には批判の声が沸き起こっていた。
一連の“小室問題”で、秋篠宮家は空前の逆風にさらされてきたのだが、とりわけ2月以降、両陛下の代わりに秋篠宮ご夫妻が訪英されるとの見通しが報じられると、宮内庁には抗議の電話やメールが殺到。「日本の恥だ」「愛子さまは参列できないのか」といった声から、戴冠式の5日後に催される園遊会にからめて「宮内庁が天皇ご一家を渡英させないようにしているのか」との“独自見解”まで寄せられたという。
「宮内庁に届くご意見の8割以上が、戴冠式に関するものでした。これらを窓口である長官官房の秘書課が取りまとめ、国民の声として長官へ伝えてきましたが、4月から広報室が新設されたのに伴い、国民からの問い合わせは、まず広報室で受け、それがご意見やご要望である場合には、あらためて役所のホームページからメールでお送りいただくことになりました」(同)
結果として国民の声は、ダイレクトに届きづらくなったといえるのだが、
「何しろ抗議の数が膨大で、すべてに対応していると通常業務もおぼつかない。これがシステム見直しの主たる理由だと聞いています」(同)
秋篠宮さまの肝いりで立ち上がった広報室が、さっそく国民に向けて“力”を行使し始めたわけである。
さる皇室ジャーナリストいわく、
「こうした批判を招くのは、“小室問題”だけが原因とも言い切れません。事実、その後も秋篠宮家は、悠仁さまの高校入学の経緯や作文コンクールでの無断引用などで物議を醸してきました。最近では、34億円を費やして改修した宮邸に佳子さまだけが引っ越されず、引き続き仮住まいの『御仮寓所』でお暮らしになっている件も批判されています」
が、これらの“疑念”払拭に向けて動く姿勢が、宮内庁にはまるで見られないのだ。前出の記者が言う。
「秋篠宮家のお世話をする皇嗣職のトップは、警察庁出身の加地隆治・皇嗣職大夫。御代替わりで皇嗣職が創設されたのに伴い、宮家の事務を統括する宮務主管から異動し、“秋篠宮家専従幹部”となった人物です」
その加地大夫は原則として、毎週金曜日に庁内で記者会見を行っており、
「以前から記者の質問には歯切れの悪い回答が目立ちましたが、最近はそれが顕著です。例えば4月7日の会見では、ご一家のお引っ越しについて質問が出ました。大夫は『必要なお引っ越しは終了した』と言いながら、『佳子さまはどうされたのか』と尋ねられると『私室の部分の利用については説明を控える』と、居住実態を明かそうとしない。記者からは『御仮寓所は本邸の完成後、事務棟として活用する名目で国費が支出されたはず。これでは目的外利用だ』と畳みかけられても『ご意見として承(うけたまわ)る』と言うばかりでした」(同)
続けて、翌週14日には、こんな話題も出たという。
「春休み中の悠仁さまの生活について質問がありました。大夫は『基本的に公的な行事以外はお知らせしない』と前置きしながら、ご両親と一緒に九州山地を巡検、つまりフィールドワークされたと切り出したのですが、それ以上は一切明かさない。このご旅行については、前日発売の『女性セブン』が日程や場所などを詳しく報じていたのですが、それでも大夫は“私的ご活動”を盾に説明を拒んだのです。本来ならば前週の会見で伝えてもいいはずで、われわれが14日に水を向けなければ、言わずじまいだったのは明らかでした」(同)
あまりの“隠蔽(いんぺい)体質”に、業を煮やした記者会からは、以下のような痛烈な皮肉も飛んだというのだ。
「九州の地名すら口にしようとしない大夫に『北九州市は含まれていませんよね』と尋ねたのです。『具体的なお話は控える』とする大夫に、この記者は『作文の関係者とお会いになったか』と、追い討ちをかけました。これは昨年2月、北九州市が主催する作文コンクールで佳作に入選された悠仁さまの作品に、ガイドブックなどの無断引用が発覚した件を踏まえたものですが、こうした皮肉を言いたくなるのもうなずけます。“なぜこんなことを隠すのか”という応酬が、毎週のように続いているのです」(同)
ご一家の日常にとどまらず、今回の英国ご訪問に関しても、理解しがたい対応がみられたといい、
「われわれはかねて皇嗣職に、秋篠宮さまと英王室やチャールズ国王との交流について、過去の思い出やエピソードを紹介してほしいと要望してきました。ところが14日の会見で大夫は『承知していない』と言う。あらためて質すと、大夫は同席した報道室長に確かめる始末で、のちに供された資料は“いつ会われた”といった事実の羅列に終始し、要望とは程遠いものでした」
先の宮内庁関係者が言う。
「秋篠宮ご夫妻は、毎週の皇嗣職大夫の会見を文書化してご覧になっています。これをもとに、しばしば紀子さまから大夫や皇嗣職幹部に『ここはこう言うべきでしたね』などと、細かなご指導があるといいます。会見が“空洞化”しているのは、余計なことを言うまいと大夫が過剰に自主規制していることも一因ですが、そもそもご夫妻に『プライベートは明かさなくていい』『記者会のリクエストに応じる必要はない』とのお考えがあるのは間違いありません。このために大夫は毎週、記者会との板挟みになっているわけです」
秋篠宮さまの強いご意向で新たな広報体制が敷かれたというのに、お膝元の部署がこれでは説得力に欠けると言わざるを得ない。
皇室解説者の山下晋司氏は、こう指摘する。
「眞子さんの結婚に際しては、皇族の“公と私”が焦点となりました。秋篠宮殿下は、この二つをできるだけ区別したいとのお気持ちが強いように見受けられます。ただし国民からすれば公私は関係なく、そのお人柄に関心が向けられます。むしろ“私”のお姿の中にそれがよくうかがえることもあるのです。チャールズ3世国王陛下はじめ英王室との交流についても、2年間留学なさっていたのだから、そのあたりのお話が紹介されないのは歯がゆく感じます。プライベートとはいえ、もう少しオープンにされたほうがいいと思います」
さて、そんな中で赴かれる英国でも、戴冠式の話題はやはり「次男」に尽きる。1月に回顧録『スペア』を刊行したことで王室との関係がいっそう悪化し、動向が注目されていた国王の次男・ヘンリー王子について、英王室は4月12日、「出席する」と発表。あわせてメーガン妃は欠席し、2人の子とカリフォルニア州サンタバーバラの自宅に留まることも明らかになった。
前出の在英ジャーナリストは、
「当日は長男アーチー君の4歳の誕生日でもあり、メーガン妃は自分が出席することで女王の国葬の時のような批判が再燃するのを忌避したとみられます。家庭では誕生日パーティーを催す予定で、ヘンリー王子も式典が終わると、その後の昼食会やパレードには参加せず、直ちにプライベートジェットで米国へ引き返すといい、実質36時間の小旅行になるといわれています」
むろん父や兄との関係修復など望むべくもない。『英国女王が伝授する 70歳からの品格』などの著書があるジャーナリストの多賀幹子氏が言う。
「昨年6月、エリザベス女王の即位70周年を祝う『プラチナ・ジュビリー』に出席したヘンリー夫妻は、ロンドンのセントポール大聖堂前に集まった市民からブーイングを浴びました。二人は英王室を批判しながらもそれで稼いでいるため、英国で嫌われています。その姿を米国民に見られればブランド価値が低下し、ビジネスにも影響が及んでしまうのです」
実際に、こんな数字が。
「4月22日に英国でアンケートが行われました。『理想のカップルはどちらか』という設問で、結果はウィリアム皇太子夫妻が71%、ヘンリー王子夫妻は14%。後者は依然として英国民に支持されておらず、それどころかますます嫌われているのが分かります。回顧録にはウィリアム皇太子も激怒しており、戴冠式当日は王室の配慮で、互いの視線がぶつからないようにヘンリー王子が10列後ろに座るとも報じられています」(同)
一方で秋篠宮ご夫妻は、欧州の君主らが参列されることもあり、招待客の中ではいわば“末席”に近い位置にお座りになる可能性も。英国のメディアでは現在、“大勢の招待客の一人”として報じられるにとどまっているのだが、
「眞子さんと小室さんについては、これまで英タブロイド紙が追いかけて度々写真を載せており、非常に注目度が高い。お二人は、国内での批判を受けて渡米するなどヘンリー夫妻との共通点も多く、“第二のメーガン&ヘンリー”という位置付けです。秋篠宮ご夫妻が今後、タブロイド紙などで“あのプリンセスマコのご両親”などと紹介されることも十分あり得ます」(同)
「週刊新潮」2023年5月4・11日号 掲載