千葉県船橋市漁業協同組合の職員ら漁業関係者4人が岸壁から川に転落した男児を救助し、市中央消防署から感謝状を贈られた。
4人の冷静な判断や見事な連携が幼い子どもの命を守った。
事故があったのは、3月10日午前10時55分頃。船橋市宮本の海老川河口付近で、小学1年の男児(7)が岸壁から転落した。友人の「助けて!」という声を対岸で聞いた漁師の鈴木好之さん(54)は、男児が沈まないように「あまり動くなよ」と呼びかけながら、市漁協職員の森泰一さん(34)に電話で応援を要請した。
森さんは同僚の丸山秀雄さん(55)と船で駆けつけ、ワイヤにつかまっていた男児を船に引き上げた。鈴木さんから声をかけられた水産会社社長の吉種正義さん(59)が119番し、救急隊に引き継いだ。4人の協力により、男児はワイヤで手を切る軽傷で済み、無事に帰宅できたという。
市消防指令センターで3月28日に開かれた贈呈式には、丸山さんを除く3人が出席した。松本貴(たかし)署長は「4人の迅速な判断と協力で命を救う結果となった」と謝意を示し、鈴木さんは「漁師の仕事は危険を伴うので、冷静に対処できた。これからを担う子どもを救えて良かった」と振り返った。