商談、トラブルの解決、家庭内での家事分担、男女の駆け引きに至るまで、日常はあらゆる交渉の連続だ。しかし、日本人は“お人よしの交渉ベタ”で主張を押し通せないこともしばしば……。そこで、SPA!は百戦錬磨の交渉のプロが監修した全22問の「交渉力検定」を作成。今回はゴネ得撃退編の4問を掘り下げる。「ゴネ得社会」をスマートに生き抜く本物の交渉力を身につけよ!◆【ゴネ得撃退編】どちらの選択肢が「交渉上手」だと思いますか?
Q1 ゴネる相手への対処で目指すべきは?
A 納得させる
B 諦めさせる
C 論破する
D 言わせるだけ言わせる
Q2 クレーム対処の人数は?
A 現場の担当者1人
B 上司1人に任せる
C できるだけ複数人
Q3 クレーマーの要求には?
A 大ごとになる前にその場で対処
B いったん引き取る
C 非がなければ取り合わない
D 相手の要望を全て呑む
Q4 「SNSで拡散するぞ!」どうする?
A 「どうぞ」と強気に出る
B へりくだって示談交渉
C 無視する
D やめさせるため全力で説得
※正解は記事最後に
◆ゴネ得を狙う厄介者は説得せず諦めさせる
はなから交渉に応じず、ゴネて利益を狙ってくる相手もクレーマーが社会問題化する現代ではいるだろう。クレーム対処は今や必須スキルだ。
「大前提として、ゴネたり悪質なクレームを入れてくるヤツらを『説得で納得してもらおう』と思わないこと。彼らの目的は99%が“目先の対価”ですから、ロジックで対話しても効きません。
~蠎蠅龍淑海飽きずられず冷静に対処し、∩蠎蠅何を求めているのかを見極めて、1海鮓逃さない。3点を意識して相手に『これでは何も引き出せない』と諦めさせるしかない。そのためにも、できるだけ複数人で対処すべきです」
そう語るのは、元マル暴刑事で現在はクレーム対応のプロとして活動する櫻井裕一氏。
◆クレーマーの要求にすぐに応じるのはNG!
諦めさせるためにも「クレーマーの要求にすぐに対応してはいけない」とか。
「事を荒立てたくないと思い、その場で対処したくなりますが、つけ上がって要求を引き上げてくるだけ。仮に責任者が自分でも『責任者とともに対応を検討します』といったん引き取り、時間を置いて裏付けを取るのが鉄則」
◆脅しにも毅然とした態度で対応すべき
「『SNSで晒す』といった脅しにも『どうぞ』と了承したうえで『ただ、事実と違うなら法的手段も辞さないですよ』と毅然と訴訟をチラつかせて釘を刺すのがセオリーです」
相手の興奮に動じず冷静かつクレバーな対処で、“説得”ではなく“諦めさせる”。この極意を覚えておきたい。
【正解と点数】Q1/A(2点)、B(5点)、C(0点)、D(2点)Q2/A(1点)、B(2点)、C(5点)Q3/A(2点)、B(5点)、C(1点)、D(0点)Q4/A(5点)、B(0点)、C(0点)、D(2点)
【元警視庁警視 櫻井裕一氏】 30年以上暴力団と対峙。退職後は企業の反社リスクのリサーチ・コンサルを行う会社を設立。著書に『マル暴:警視庁暴力団担当刑事』
取材・文/週刊SPA!編集部