史上初の外国人女流棋士として活躍したカロリーナ・フォルタン女流初段が、3月31日付で日本将棋連盟に引退届を提出し、棋士を引退していたことが3日、分かった。同連盟が発表した。
フォルタン女流初段は3日、自身のブログでも「これまでプロ棋士としての活動を休止していましたが、先日、プロ棋士から完全に引退する決断をしました」と引退を公表。「家庭の事情でヨーロッパに残ることになったので、女流棋士を続けることはできません。しかし、将棋と完全に決別するつもりはなく、逆に日本以外の国で将棋を教え、広めることに専念したいと思っています」と今後の方針を明かし、「私の足跡をたどる人が増えることを願っています。未来の世代の『将棋プレーヤー』の成長と将棋への情熱の向上を手助けしたいです」と結んだ。
フォルタン女流初段は2011年、フランスで開催された国際将棋フェスティバルに出場し、女性では最高成績の4位に。12年5月には海外招待選手として出場した第2期女流王座戦一次予選1回戦で女流棋士の高群佐知子女流四段に勝利。外国籍のアマチュア女性として初めて女流棋士に勝利した。
13年5月に研修会と6月に研修会試験を受験し、8局を3勝5敗として研修会C2クラスに合格。外国籍の女性として初の入会者となった。15年6月には関東研修会例会で3勝1敗とし、直近9勝3敗の成績で外国人で初めてとなる女流3級の資格を獲得し、同年10月1日付で関東所属の女流3級に。17年2月、第44期女流名人戦予選で決勝進出を果たし、女流2級に昇級。日本将棋連盟で初となる外国籍の正規女流棋士となった。
16年度の成績は8勝8敗で、規定により17年4月1日付で女流1級に昇級。21年4月1日付で女流初段に昇段した。同年8月11日から公式戦を休場し、ポーランドに帰国。結婚に伴い、22年8月26日付で「ステチェンスカ」姓から「フォルタン」姓となった。