大阪市は３日、今年１月に大阪湾の淀川河口付近で確認され、交流サイト（ＳＮＳ）上で「淀ちゃん」と名付けられたものの、死んだことが確認されたマッコウクジラについて、死骸の処理費用が約８千万円かかったと発表した。
市は死骸の埋設や焼却なども検討したが、その大きさや悪臭から断念し海へ沈めていた。
市によると、死骸処理の業務委託先は海運業「昭陽汽船」（同市港区）。費用の内訳は、同市此花区の淀川河口に流れ着いた死骸を区内の岸壁まで船でひく作業に約２００万円▽岸壁のクレーンで死骸をバージ船（はしけ船）に積み込む作業に約１３００万円▽岸壁から紀伊半島沖へ死骸を運び沈下させる作業に約６５００万円－。このうち１４００万円は、死骸の調査に当たった一般財団法人「日本鯨類研究所」からの補助金を充てる。
クジラは１月９日に見つかり、市が同１３日までに死んだことを確認。死骸は全長約１５メートルあり運搬して土中に埋めたり、解体して焼却したりする場所がなく、悪臭の問題からも海中への沈下を決定。同社が１８日から死骸の処理作業を始め、１９日に紀伊半島沖でコンクリートを結び付け沈めた。
市港湾局海務課の担当者は「死骸から出た油による汚れや悪臭で、バージ船の洗浄費用などが想定以上にかかった」と話した。