福岡県警は3月29日、風俗営業の許可を得ずに接待を伴う店を営業したとして、福岡市の繁華街である中洲2丁目のガールズバー『BAR LAFTEL』の経営者・東海里容疑者(23)や従業員の横前愛奈容疑者(21)ら男女4人を逮捕した。逮捕容疑は未許可の接客だが、このガールズバーは昨年だけでも16件ものぼったくり被害の相談が警察に寄せられていた“いわくつきの店”だったという。全国紙社会部記者が語る。
【写真19枚】「売れてお金持ちになりたいな♪」とWピースする容疑者 店には暴力団禁止の張り紙が堂々と「2022年10月、従業員の横前容疑者がマッチングアプリで知り合った初対面の男性を『知っている店がある』と従業員であることを隠して同店に連れ込み、男性に3時間で67万4000円を請求した。当初、飲み放題だと聞いていた男性は抗議をしたものの店員に連れられ、近くのATMで現金を引き出し、足りない分はクレジットカードで決済させられました。ぼったくり防止条例を適用するには事前の料金説明の有無などを立証する必要があり、適用のハードルが比較的高いため、今回のような未許可の接客で逮捕するのが通例です。また、無許可営業では従業員の逮捕は稀ですが、横前容疑者は客が支払った料金の一部を成功報酬として受け取っていたと見られているため逮捕に踏み切りました」 ぼったくり店は中州に限らず、全国で被害が相次いでいる。しかし、この『LAFTEL』のぼったくりは他とは一線を画していたという。「警察はこの店が売り上げの一部を暴力団に納めていた、つまり暴力団の資金源のひとつだったとみて捜査を進めています。ぼったくりは泣き寝入りする被害者も少なくないため、わずか1年で16件もの被害が寄せられているのは常習性が疑われます。また、この店は2020年12月にオープンしたばかりで日も浅く、逮捕された容疑者4人はいずれも21~23歳と若い。警察は4人の認否を明らかにせず、全容解明に力を入れている」(同前) 同店が入っているのはキャバクラやバー、クラブなど飲食店が80店以上も入る商業ビルで中州では有名だという。このビルに入っているキャバクラで話を聞くと、摘発されたことを知らず驚く人ばかりだった。店数が多いため、横の繋がりも限られているようで「今日も普通に営業していると思った」という声が多く聞こえた。◆「テキーラしか勝たん」 またこのビルに入っている飲食店の店員は『LAFTEL』に客を案内したことがあるという。「エレベーターを下りてきた若い男女がその店を探していたから店の前まで案内しましたよ。その男女が入店するとき、チラッと店内が見えたんですが、若い男女で溢れていたので繁盛している店なんだなという印象でしたね。ガールズバーとのことですが、アフターで使っているキャバクラ嬢のような人も来ていたと記憶しています。今回のような事件が起きるとこのビルに入っているほかの店まで一緒に見られてしまう。正直勘弁して欲しいです」『LAFTEL』はSNSのアカウントを有していて、TikTokでは経営者の東容疑者や横前容疑者とみられる従業員が顔出しした動画を投稿している。昨年の下半期には東容疑者がサンタ帽を被りながらソファーの上で笑顔でダンス。クリスマス期間はサイコロを振って出た目の数分のテキーラをサービスすることを謳っていた。横前容疑者とみられる女性も、もう1人の女性従業員と笑顔でピースをしたり、サンリオのキャラクター「マイメロディ」のぬいぐるみを抱えながら「売れてお金持ちになりたいな」と口ずさむ動画が確認できる。別の動画では「テキーラしか勝たん」「シャンパン飲みたいな」というハッシュタグも。 店と暴力団の関係性については今後の捜査で明らかになるだろう。中州で長年キャバクラを経営する人物は、いまの中州についてこう口にする。「中州は工藤會(特定危険指定暴力団)をはじめとした福岡に拠点を置く暴力団が長年みかじめ料を徴収していたが、警察によって工藤會が壊滅状態に追い込まれてからはかなり減っていた。しかし、昨年くらいから九州以外に本拠地を置く広域暴力団が中州に進出してきたという話をよく聞く。こうしたぼったくり店は噂になったり、摘発されるとすぐに閉店して、また別の名前で新装開店するケースが多い。今回の場合がどこまで暴力団が関わっているかはわからないが……」
「2022年10月、従業員の横前容疑者がマッチングアプリで知り合った初対面の男性を『知っている店がある』と従業員であることを隠して同店に連れ込み、男性に3時間で67万4000円を請求した。当初、飲み放題だと聞いていた男性は抗議をしたものの店員に連れられ、近くのATMで現金を引き出し、足りない分はクレジットカードで決済させられました。ぼったくり防止条例を適用するには事前の料金説明の有無などを立証する必要があり、適用のハードルが比較的高いため、今回のような未許可の接客で逮捕するのが通例です。また、無許可営業では従業員の逮捕は稀ですが、横前容疑者は客が支払った料金の一部を成功報酬として受け取っていたと見られているため逮捕に踏み切りました」
ぼったくり店は中州に限らず、全国で被害が相次いでいる。しかし、この『LAFTEL』のぼったくりは他とは一線を画していたという。
「警察はこの店が売り上げの一部を暴力団に納めていた、つまり暴力団の資金源のひとつだったとみて捜査を進めています。ぼったくりは泣き寝入りする被害者も少なくないため、わずか1年で16件もの被害が寄せられているのは常習性が疑われます。また、この店は2020年12月にオープンしたばかりで日も浅く、逮捕された容疑者4人はいずれも21~23歳と若い。警察は4人の認否を明らかにせず、全容解明に力を入れている」(同前)
同店が入っているのはキャバクラやバー、クラブなど飲食店が80店以上も入る商業ビルで中州では有名だという。このビルに入っているキャバクラで話を聞くと、摘発されたことを知らず驚く人ばかりだった。店数が多いため、横の繋がりも限られているようで「今日も普通に営業していると思った」という声が多く聞こえた。
またこのビルに入っている飲食店の店員は『LAFTEL』に客を案内したことがあるという。
「エレベーターを下りてきた若い男女がその店を探していたから店の前まで案内しましたよ。その男女が入店するとき、チラッと店内が見えたんですが、若い男女で溢れていたので繁盛している店なんだなという印象でしたね。ガールズバーとのことですが、アフターで使っているキャバクラ嬢のような人も来ていたと記憶しています。今回のような事件が起きるとこのビルに入っているほかの店まで一緒に見られてしまう。正直勘弁して欲しいです」
『LAFTEL』はSNSのアカウントを有していて、TikTokでは経営者の東容疑者や横前容疑者とみられる従業員が顔出しした動画を投稿している。昨年の下半期には東容疑者がサンタ帽を被りながらソファーの上で笑顔でダンス。クリスマス期間はサイコロを振って出た目の数分のテキーラをサービスすることを謳っていた。横前容疑者とみられる女性も、もう1人の女性従業員と笑顔でピースをしたり、サンリオのキャラクター「マイメロディ」のぬいぐるみを抱えながら「売れてお金持ちになりたいな」と口ずさむ動画が確認できる。別の動画では「テキーラしか勝たん」「シャンパン飲みたいな」というハッシュタグも。
店と暴力団の関係性については今後の捜査で明らかになるだろう。中州で長年キャバクラを経営する人物は、いまの中州についてこう口にする。
「中州は工藤會(特定危険指定暴力団)をはじめとした福岡に拠点を置く暴力団が長年みかじめ料を徴収していたが、警察によって工藤會が壊滅状態に追い込まれてからはかなり減っていた。しかし、昨年くらいから九州以外に本拠地を置く広域暴力団が中州に進出してきたという話をよく聞く。こうしたぼったくり店は噂になったり、摘発されるとすぐに閉店して、また別の名前で新装開店するケースが多い。今回の場合がどこまで暴力団が関わっているかはわからないが……」