東京・歌舞伎町でいわゆる“ぼったくり”を繰り返していたとして、警視庁は男女16人を一斉摘発しました。悪用していたのはマッチングアプリでした。
男性がATMでおろした金を受け取り数える水色のパーカーの男。歌舞伎町を中心としたいわゆる“ぼったくり”グループの一員です。
警視庁は、客の男性5人に対し“ぼったくり”行為をしたとして、この男の仲間とみられる木下幸也容疑者(28)ら男女16人を逮捕しました。
木下容疑者ら「払えないならコンビニに行って、金をおろして払え」
こう金を取り立てていたという木下容疑者ら。手口に使われたのは「マッチングアプリ」でした。
木下容疑者らは女性のふりをしてマッチングアプリに登録。男性と会う約束をとりつけた後、女性従業員を待ち合わせ場所で男性と合流させ、「知っている店がある」などとバーに連れ込ませていました。 警視庁によりますと、店は5000円の飲み放題と説明する一方、別料金とは知らせずに1杯3000円の酒を最大80杯注文させるなどして、最大で33万円を請求し22万5000円を支払わせていたということです。
マッチングアプリをきっかけに“ぼったくり”被害にあった男性がその手口を証言しました。
被害にあった男性「マッチングアプリをしていて、女性の方から『飲みに行こう』と誘われて。会った直後に『おすすめのバーがあるからそこに行こう』と言われて」
着いた先は池袋駅近くのバー。メニュー表には値段が書かれていませんでしたが…。
被害にあった男性「女性の方が一杯を数秒程度で飲んでは、また次の注文して」
わずか10分ほどの間に、女性はグラス6杯のお酒を次々飲んでいたといいます。
すると…。
被害にあった男性「(男性店員2人が)『あなたたちは飲みすぎです。今一旦ここで精算をしてください』と言って、見せられた額が13万円でした」
その後、女性とは連絡が取れなくなったといいます。
“ぼったくり”は、以前は街での客引きが主流でしたが、マッチングアプリの普及とともに2年ほど前からこれを悪用する手口が急増。今年2月末時点で新宿周辺のぼったくり事案の9割がマッチングアプリに関するもので、被害額はおよそ5700万円にのぼっているということです。
警視庁は「『知っている店に行こう』と誘われたら注意してほしい」としています。