陸上自衛隊の第8師団長ら10人が搭乗した多用途ヘリコプター「UH60JA」が沖縄県・宮古島周辺で行方不明になった事故で、海中の捜索で複数の乗員とみられる人影が確認されたことが、政府関係者への取材でわかった。
現場の海底には機体とみられる物が見つかっており、自衛隊は潜水士を送り込んで救助を急ぐとともに、機体の確認を進める。
関係者によると、13日夜、海自掃海艦の水中音波探知機(ソナー)や海中カメラによる捜索で、伊良部島北側の海底で、機体とみられる物が発見された。内部に乗員とみられる人影もあった。
現場は、事故機がレーダーから消えた位置に近く、水深は約100メートル。機体とみられる物は激しく損傷しているという。
捜索は、通常では潜ることができない深海に潜水士を送り込む特殊な技術「飽和潜水」で実施する。
潜水士は、潜水艦救難艦「ちはや」の設備で水圧に体を適応させた後、高圧状態が維持されるカプセルで海底へ降下。カプセルの外に出て活動する。機体とみられる物の状態を確認した上で、救助方法などを検討する。
飽和潜水は北海道・知床半島沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故でも活用され、民間事業者の潜水士が水深約115メートルの海底に沈んだ船の内部捜索に当たった。
事故機は、6日午後3時46分、宮古島分屯基地を離陸し、同56分、同島の北西約18キロの空域を飛行中にレーダーから消えた。陸自の階級で最高位である陸将で、九州南部の防衛警備を担当する第8師団のトップを務める坂本雄一師団長(55)ら10人が搭乗していた。