愛知県春日井市の特別養護老人ホームで、職員らが見守りを怠った結果、入所していた女性(当時81歳)が食べ物を喉につまらせて死亡したとして、遺族が施設側に計約3550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、名古屋地裁であった。
斎藤毅裁判長は施設側の注意義務違反を認定し、計約1370万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は認知症で要介護認定を受け、2019年2月に施設に入所した。同年12月12日午後、食事中に食べ物を喉につまらせて心肺停止状態となり、その後、窒息死した。
判決は、女性が以前から食事をかき込んで食べ、たびたび嘔吐(おうと)していたことから、「吐いた食べ物で窒息する危険性を予見できた」と指摘。女性が食事する際は職員が常に見守るべきだったのに、目を離した結果、女性が死亡したと認定した。
施設を運営する社会福祉法人「北陽福祉会」(愛知県春日井市)は「判決の内容を確認し、対応について判断したい」としている。