2月28日に公開された産経ニュースの記事がキッカケでSNSで「おっさんビジネス用語」が話題になり、翌1日、ツイッターで「鉛筆なめなめ」などの関連ワードがトレンドに入り、さまざまな反応が寄せられている。
記事は「『仁義を切って』『鉛筆なめなめ』は通じない? 『おっさんビジネス用語』の使い方と落とし穴」という見出しで、グラフィックを用いて、タダを意味する「ロハ」、裏工作を意味する「寝技」など、いわゆるおっさんビジネス用語を紹介。ごまかして数字の帳尻を合わせる「鉛筆なめなめ」、最優先事項を意味する「一丁目一番地」といった、一定の年代以外は通じにくい言葉で困惑したという30代男性会社員と20代女性会社員の事例を挙げつつ、“いい具合に”を意味する「よしなに」を多用してしまうという51歳の男性会社員の本音についても紹介している。
SNSには「昭和の名残り 平成生まれには難解用語」「まじで全部知らなくて笑う」「『よしなに』を使ってるおじさんは一人知ってる」「会社でめっちゃ聞くわ」「超超超多用してる。えいやの毎日」などの反応がズラリ。こうしたフレーズの使用に「記事にある通り、ストレートに伝えるより少しくだけた感じに伝えるための工夫かもしれない」「最初は違和感あるけど、実際使ってみると『トゲトゲしさ』がないので使いやすいんだよな」「一瞬で意図が伝わるの便利 若者も今風のことば考えたらいい」「命令や指示は相手に一点の疑義をも抱かせないのが理想ですから、こういうのは基本的に使うべきじゃないですよ」「こういう言葉は最近使わなくなった。正しく意図が通じないことが多いから」などの書き込みが寄せられた。
記事のなかで、武庫川女子大の佐竹秀雄名誉教授(日本語学)は「(主に)50代以上の人たちが、若いときに慣れ親しんだ感覚で使っている印象がある」とし、用語には、直接的な表現を避け、大半に俗語や隠語に近い性格があるのが特徴と分析。そのうえで「仲間意識を生んだり、職場でのコミュニケーションを円滑にしたりする役割も担う」としながらも、大半に明確な定義がないことから、「送り手と受け手で言葉のイメージが異なり、正確に伝わらなかったり、誤解を生んだりする可能性がある」と述べ、特に具体的な指示が必要な場面での使用には注意が必要と強調した。