ため池でおぼれる男児、インドネシア人男性が一目散に飛び込む…3人の連携で救助

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鳥取県大山町に住むインドネシア人男性3人が2月、ため池でおぼれている男児(5)を連携して救い出した。
とっさの判断で幼い命を救った栄誉をたたえ、琴浦大山署から1日、署長感謝状が贈られる。(東大貴)
3人はアディ・レイナルディさん(27)、ナジル・ザナリさん(29)、ローマディさん(32)。在留資格「特定技能」で来日し、昨年から県西部特産の野菜を中心とした仲卸業を営む「国崎青果鳥取営業所」(米子市淀江町)で、ブロッコリーの収穫や選別作業に従事する。
2月11日の午後5時頃のこと。3人はブロッコリーの選別を終えてJR大山口駅(大山町国信)近くの「笠原池」の横を車で通りかかった。いつもの帰り道だったが、助手席に座るアディさんがフロントガラス越しに、池の水面に動く赤いものに気づいた。堤には子ども2人が立ち尽くし、すぐに人だとわかった。
運転する社員に停車を求め、一目散に池に飛び込んだ。「とにかく必死で、どう考えたか覚えていない」と振り返る。池は水が満ち、成人男性でも底に足がつかないほどの深さだった。後部座席にいたナジルさんとローマディさんも続き、こけが生えて足を滑らせかねない傾斜の急なのり面に下り、足を水につけるなどして男児を受け渡し、堤に引き上げた。
3人は赤道に近いジャワ島の出身で、川や海での水遊びの経験は豊富だった。ただ、2月の日本は寒く、全身ずぶぬれになったアディさんは救助後、「ガクガクと震えが止まらなかった」と話す。
男児は近くに住み、保護者のもとに無事帰った。保護者は涙ながらに感謝していたと、駐在所の警察官から聞いたという。
「アニメをきっかけに日本に興味を持ち、機械化が進む農業を学びたい」(ナジルさん)など、それぞれの理由や目標を持って来日した3人。アディさんは「思い切って行動し、3人で協力できた」と誇らしげ。ローマディさんはインドネシアに妻と幼い長男(2)を残して働く。「家族に驚かれたけど、よい知らせを届けられてうれしい」とはにかんだ。

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