きのう、17歳の高校生の少年が埼玉県戸田市にある中学校に侵入し、男性教員を切り付けたとして逮捕された事件で、逮捕された少年が複数の刃物を持っていたことが分かりました。
けさ、事件現場となった中学校ではいつもより2時間ほど遅れて生徒が登校しました。学校側はカウンセラーを配置して生徒の心のケアに努めているといいます。
事件が起きたのは、きのうの昼。期末テストが行われていた平穏な中学校に衝撃が走りました。
110番通報「刃物を持った男が学校に侵入した。けが人が出ている。男はすでに取り押さえた」
逮捕されたのは、17歳の高校生の少年でした。少年は男性教員(60)の上半身の複数か所を切り付けたとして、殺人未遂の疑いが持たれています。
少年は逮捕直後、こう供述したといいます。
少年(17)「切り付けたことは間違いない。誰でもいいから殺したいと思った」
身を挺して生徒を守った男性教員は、ナイフで切り付けられただけでなく、腹も刺されていたといいます。
保護者「先生がいなければ、誰か子どもが傷ついていた可能性もある。先生も怖かったと思うが、体を張ってくれたので感謝しかない」
さらに、その後の捜査関係者への取材で、少年は凶器のナイフだけでなく、複数の刃物を持っていたことが新たに分かりました。
警察は少年が計画的に犯行に及んだとみていますが…。
捜査幹部「なんで気付いてあげられなかったのか…。なぜ、こうなってしまったのか。動機をしっかり調べないといけない」
一方、戸田市と隣接するさいたま市では、先月、切断された猫の死骸が相次いで見つかっています。少年はこの事件についても“自分がやった”という趣旨の話をしているといいます。
犯罪心理学の専門家は、2つの事件から、少年には犯行前に何らかの異変が起きていた可能性があると指摘します。
目白大学財津亘准教授「突発的に犯行するというよりかは、その前段階で何かしら周りの人も気づいていた部分があったのかもしれない」
少年が「誰でもいいから殺したいと思った」と供述しながら中学校で犯行に及んだことについては…。
目白大学財津亘准教授「小動物を犯行対象にしてからエスカレートしたということであれば、小さい子を対象にするということもありえなくはないが、今回については中学校ということで、そこのこだわりが気になる。中学校の頃に何か不満があったということは考えられる」
警察は引き続き、事件の動機やいきさつを慎重に調べています。