千葉県匝瑳市の住宅で、78歳の男性の遺体が見つかった事件で、同じ地区に住む93歳の男が、殺人の疑いで逮捕された。「ごみ捨て」などのトラブルから、殺人事件に発展した可能性があるという。
川口寛(かん)容疑者(93)は、去年12月26日から今年1月20日ごろまでの間に、千葉県・匝瑳市で、同じ地区に住む土屋好夫さん(78)の自宅に侵入。土屋さんの顔面をハンマーで複数回殴るなどして殺害した疑いが持たれている。犯行日は特定されていない。
1月20日、公共料金の集金担当者が、土屋さん宅を訪問したところ、応答がなかったため、室内に入り、ベッドの上で死亡している土屋さんを発見したという。千葉県警は、土屋さんの頭に殴られたような跡があったことから、殺人事件と断定し、100人態勢で捜査していた。
現場周辺の聞き込み捜査などから、土屋さんと知人関係にある川口容疑者が浮上。調べに対して容疑を認めていて、川口容疑者宅からは、凶器とみられるハンマーも見つかった。事件当時、川口容疑者は、カギがかかっていない勝手口から室内に侵入し、犯行に及んだという。
土屋さんは、パジャマのような恰好をしていて、ベッドの上でうつぶせの状態で見つかったことから、寝ているところを襲われた可能性もある。発見時、土屋さんは、ベッドと壁の間に、顔を埋めてていて、口から血を流していたという。室内に荒らされた跡はなかった。
関係者によると、土屋さんは、10年以上前に、妻に先立たれてから、ひとり暮らしを続けていたとのこと。
捜査関係者などによると、川口容疑者は、土屋さん宅の近くに土地を所有。数年前まで、畑として利用していたとのこと。ところが、その土地をめぐって、ごみ捨てなどで近所の人とトラブルになっていたのこと。
そのトラブルの相手が、土屋さんだった可能性もあるという。千葉県警は、日常的なトラブルが積み重なった末の犯行とみて、動機を追及している。