福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉・大丸別荘」が法令に違反し、大浴場の湯を年2回しか入れ替えず、県の調査に虚偽の説明をしていた問題で、福岡県は、虚偽の説明をしたとして、同旅館を公衆浴場法違反と旅館業法違反の容疑で県警に刑事告発する方針を固めた。
県によると、昨年8月、レジオネラ症を発症した人の利用施設の一つに同旅館があり、県の検査で基準値の2倍を超えるレジオネラ属菌が検出された。旅館側は県に対して浴場の管理簿を示し、湯の入れ替えや塩素注入を適切に行っていたと説明した。
しかし、同11月に県が再検査したところ、基準値の最大約3700倍となるレジオネラ属菌が検出された。この際、旅館側は管理簿の内容が虚偽で、8月の調査では事実と異なる説明をしていたことを認めた。
県は昨年、衛生管理の違反に関して公衆浴場法に基づく行政指導を実施。同旅館は改善し、昨年12月に営業を再開した。一方、同法と旅館業法には、知事は必要がある場合、報告を受けたり、立ち入りをしたりすることができるとされている。虚偽説明をした場合は、公衆浴場法で2000円以下、旅館業法で50万円以下の罰金が科されると規定されている。