横浜市内の京浜急行本線・金沢文庫駅のホームで、鉄道ファンらが人気電車の撮影でお互いに罵声を浴びせ合う動画がツイッターに投稿され、話題になっている。
京急では、黄色い線の内側だったとしながらも、「注意しようと思っても逃げて行きます」と困惑した様子だ。改めてそのマナーの悪さが浮き彫りになっている。
「押すなー!」「おい」。カメラを構えた鉄道ファンら20人以上がホームに集結し、険悪な空気が流れる。
その先には、黄色い車体の電車が停車していた。深夜のため、ライトを点けている。
「止めろ!」「前押すの止めろ」。また怒声があちこちから起こっている。後ろの方では、脚立や三脚を使っている姿が見られるが、風が強くて髪も乱れている。
手前には、別の電車が止まっており、ドアを閉めるというアナウンスが流れた。そんな中でも、鉄道ファンの罵声大会は続く。
黄色い電車が動き出すと、やっと退散するファンらが相次ぎ、足早に立ち去っていた。手前の電車の車掌がドアなどを目視する様子が映ったところで、約1分の動画が終わっている。
この動画は、ツイッターで2023年3月1日夜に投稿された。
この日は、京急の新1000形電車「イエローハッピートレイン」が試運転をしていたと、鉄道ファンらが別の場所などで撮った写真を次々に投稿している。人気の電車のため、ファンらが駅に集結したらしい。
この電車は、「しあわせの黄色い電車」と呼ばれ人気だった鉄道事業用の黄色い電車を14年5月から一般乗客用にも導入したものだ。京浜急行電鉄の広報担当者は3月3日、J-CASTニュースの取材に対し、22年11月に制御機を更新するため、久里浜工場に入っていたが、3月1日夜は、4か月ぶりに試運転として姿を見せたと説明した。
その説明によると、試運転の電車は、京急川崎駅までを往復し、復路で金沢文庫駅に22時前に到着したときに動画のシーンがあった。ホームには、鉄道ファンら30人弱が集まったという。
電車が発車した後に、鉄道ファンらに声をかけようとしたが、後の祭りだったという。
この電車は、3月3日から京急久里浜線で営業運転を行っている。なぜその前に鉄道ファンが集まったかについては、「通常は行き先が表示されますが、試運転という表示はなかなかありませんので、撮りたかったのではないでしょうか」との見方を示した。
公表されていない試運転の情報について、鉄道ファンらがどこで得たのかについては、分からないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)