警察車両の後部座席で、終始うつむく丸刈りの男。逮捕された「若き天才料理人」に、多数のセレブが店に集まるオーラは感じられなかった――。
警視庁本所署は3月27日、飲食店店長の崎楓真(さき・ふうま)容疑者(25)を住居侵入と強制わいせつの疑いで逮捕したと発表した。崎容疑者は東京・銀座の高級割烹料理店「いづく」の料理長。政治家や大企業の経営者、芸能人などのセレブが通っていたという名店のシェフは、知人女性に性的暴行を加えたとされる。
「事件が起きたのは今年1月の早朝6時頃です。崎容疑者は、高校の後輩で別の料理店に勤めていた20代の女性Aさんの住む墨田区内のマンションへ侵入します。マンションはオートロック式でしたが、他の住民が出入りするのを見はからって内部へ入ったとか。
崎容疑者は、カギのかかっていなかったドアからAさんの部屋へ。眠っていたAさんの胸を触ったりキスをするなど、数時間にわたり複数回わいせつな行為を働いたようです。Aさんは警察に相談。逮捕された崎容疑者は、調べに対し『酒を飲んで酔っていたので覚えていない。弁護士が来たら話します』という趣旨の供述をしています」(全国紙社会部記者)
三重県出身の崎容疑者は、幼い頃から注目されていた料理人だ。4歳の時に地元紙で、七夕の短冊に「抹茶アイスと友達が欲しい」と願い事を書いたことが紹介されている。
「高校は食物調理科に進み、『調理クラブ』の部長をしていました。学生時代から全国漁業協同組合連合会が主催するシーフード料理コンクールで農林水産大臣賞を獲得するなど、30以上の賞を受賞。17歳の時には、イタリアで行われたミラノ万博で松阪牛のにぎり寿司などの日本食を紹介しています。将来を嘱望されていたんですよ」(グルメ雑誌編集者)
「京都吉兆」などで修業を積み腕を認められ、崎容疑者が「いづく」をオープンしたのは23歳の時だ。店はカウンターのみの8席。完全予約制で、酒などを頼めば1人5万円は下らない。「いづく」の近くで働く男性が話す。
「完全予約制だから、『いづく』は開店当初から看板もビルのインデックスに店名も出していませんでした。営業中は、いつもロールスロイスやマイバッハなどの高級車が停まっていましたよ」
前述のとおり、客の大半は大企業の社長などのセレブだ。自身の動画で〈行動の源泉になる部分ってワクワクすることと楽しいことがメインなので〉と語っていた崎容疑者。メディアも「若き天才料理人」「イケメンシェフ」などと褒めたたえた。
「注目されたことが、かえって崎容疑者のプレッシャーになっていたようです。崎容疑者はマジメで料理一筋の性格だとか。アルコールで、重圧を忘れようとすることも多かったと聞いています。崎容疑者の供述が本当なら、事件当日も朝まで酒を飲み泥酔していたのでしょう。しかし当然、強いストレスを感じていたからといって女性へのわいせつ行為が許される理由にはなりません」(同前)
誤った認識と行動で、崎容疑者は若くして築いたステイタスを失ってしまった。