浜田防衛相は28日、航空自衛隊所属の女性自衛官が同僚の隊員からセクハラを受けたとして、国に対し約1200万円の賠償を求める訴えを東京地裁に起こしたことについて「訴状が送達された時点で適切に対応したい」とした上で、「極めて深刻で誠に遺憾だ」と述べた。
訴えによると、航空自衛隊所属の現役女性自衛官が、沖縄・那覇基地に所属していた2010年以降、同僚の自衛隊員から当時の交際相手との性行為などについてセクハラ発言を受けた。
女性隊員は関係部署に被害を相談したが、同僚と同じ基地での勤務が続くなどほとんど対応が取られなかったことから「セクハラの事実が隠蔽され、被害者として保護されず被害を被った」として国に対し、慰謝料などおよそ1200万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。
浜田防衛相は28日の記者会見で「現時点においては、訴状は送達されておらず、訴状が送達された時点で、内容について関係機関と検討の上、適切に対応してまいりたい」と述べた。
その上で、自衛隊内でハラスメント被害が相次いで明らかになっていることについて「防衛省のハラスメント防止対策の効果が組織全体まで行き届いていなかったことの表れであり、極めて深刻で、誠に遺憾だ」と述べた。さらに「ハラスメントを一切許容しない組織環境を構築することが必要だ。時代に即した対策が講じられるよう見直しを継続的に行いたい」と強調し、全ての自衛隊員にハラスメントを容認しないことを徹底させる考えを改めて示した。