国立宇都宮大学の大学院で3年間授業を行っていなかったにも関わらず単位を与えていたなどとして大学は27日、准教授ら2人に停職の懲戒処分を行ったと発表しました。
県庁で記者会見した大学によりますと2月24日付でそれぞれ停職5カ月と3カ月の懲戒処分としたのは大学院地域創生科学研究科の40代の男性准教授と60代の男性教授です。
40代の准教授は、2019年度から2021年度の3年間担当する授業を行っていなかったにも関わらず自分のゼミに所属していた合わせて11人に、この科目の単位を与えていました。
本来、単位を取得するには週1回90分の授業を15回受講しなければなりませんが、准教授はゼミと学会発表などの指導をその代わりとしていました。去年1月から2月に行った学生へのアンケートで「授業が行われなかったのに単位が与えられた」という記載があり発覚したということです。
一方、60代の教授は2020年3月に行った外国人留学生の入学試験で自分の研究室での指導を希望する男性の受験者1人に対し、合格しやすいように入試問題と似ている問題を事前の課題として提出を求めたほか論述試験や面接のアドバイスを行っていました。去年3月にメールで内部通報があり明らかになったということです。
関係する学生は、全員、修了しており大学は、再発防止策をまとめ、授業を受けずに単位が与えられていた学生には謝罪するとともに動画配信型の教材を受講してもらいその後、レポートの提出を依頼します。
職員の不祥事を受けて池田宰学長は「厳格な入学者選抜と単位認定が求められる大学でこのような事態が発生したことは大学の信用を失う重大なことであり、今後このようなことを二度と起こさないよう信頼の回復に努めていく」とコメントを発表しています。