お湯の取りかえを年2回だけ…福岡県の老舗旅館「大丸別荘」のずさんな温泉管理が明らかに。発覚した理由は温泉の利用客に「レジオネラ症」が発症したことでした。「最悪、死に至る」とも言われているレジオネラ症について詳しくみていきます。【写真を見る】「最悪、死に至る」どこにでもいる菌で感染?レジオネラ症とは基準値の最大“3700倍”が検出南波雅俊キャスター:老舗旅館「大丸別荘」の大浴場でお湯の交換が年に2回しか行われておらず、レジオネラ菌が基準値の3700倍検出されました。まず「大丸別荘」という旅館は福岡・筑紫野市、二日市温泉という温泉地にあります。この二日市温泉は日本最古の歌集とも言われている万葉集にも書かれた歴史のある温泉地で、この大丸別荘も長い歴史があります。1865年に創業され、昭和天皇も宿泊したことがあります。敷地は6500坪で客室数は41、大浴場は男女とも100坪ということで、かなり規模も大きく歴史も長い旅館です。

なぜ、この大丸別荘で今回の件が発覚したのかということなんですが、2022年の8月に福岡県外の人がレジオネラ症を発症しました。そして利用先の一つが大丸別荘だったのです。2022年8月、県の検査では…・基準値の2倍のレジオネラ菌が検出・大丸別荘が原因だとは特定されず大丸別荘側も過去3年間保管しておかなくてはいけない管理記録を示し、「湯交換、塩素注入は適正」だったと主張したんです。しかし2022年11月、保健所の抜き打ち検査では…・基準値の最大3700倍のレジオネラ菌が検出・塩素濃度も基準値を下回る福岡県の条例としては1週間に1回以上完全に交換することが定められていましたが、この大丸別荘は大浴場の湯の交換は2019年以降は1年間に休館日の2回のみだったということなんです。福岡県としては虚偽申告に対して、公衆浴場法にある「虚偽申告をした場合には2000円以下の罰金」という罰則を適用できるか、現在確認中だということなんです。レジオネラ菌に感染するとどんな症状?南波キャスター:そして気になるこのレジオネラ菌、レジオネラ症。まず菌は河川や土壌汚染などに生息していて、決して珍しいものではありません。感染すると、レジオネラ症を引き起こし風邪や肺炎のような症状が出ます。ただ珍しいものではないと言いつつも、この基準値の3700倍について専門家に話を聞きました。東京歯科大学市川総合病院 寺島毅 医師:「レジオネラ症は肺炎などを引き起こして最悪の場合死に至る可能性もある怖い病気。基準値の3700倍は考えられない値」実際、2022年3月には神戸市の有馬温泉・かんぽの宿を利用した70代の男性がレジオネラ症で亡くなったという例もあるんです。そして二日市温泉・大丸別荘の山田真 社長がコメントを出しました。大丸別荘山田真社長:「毎分約70Lの湯が入り、それで入れ替わっているという認識があった。塩素濃度不足も知っていたが問題ないと思っていた。レジオネラ菌3700倍の結果にびっくりした。認識が甘かったと思っている。利用者や他の温泉旅館に対して申し訳ない」ホランキャスター:温泉旅館なども含め、観光業の方々は新型コロナウイルスの影響で大変な損害と被害をこうむっているわけですよね。管理記録があるのは2019年からで、以前からこういう状態だったのかどうなのか。いずれにしてもしっかりとルールを守らなければならないということを考えると、なぜこれだけお湯の交換がなされなかったのかは気になりますよね。歴史時代小説家今村翔吾さん:気になりますね。なにが理由なんでしょう?経費の問題なのか、コストを抑えたいのか、身も蓋もないですけど面倒くさかったのか。あとちょっと気になるのは、管理記録を差し出してその後の抜き打ちでわかったということですよね。ということは、その間体制を変えなかったってことですよね。ピンチやと思って変えることが出来たのを変えなかった、どんだけ傲慢なんだろうってちょっと思ってしまいましたね。ホランキャスター:そういう意味ではしっかりと抜き打ち検査をして、状態や環境が整えられているかを自治体と保健所が調べたということはかなり効果があったということですよね。日比麻音子キャスター:老舗高級旅館ということで歴史も長いですから、存在はこの地域にとっても大きかったと思います。ですからこういうことがあると、地域の他の旅館であったり観光施設にとってもかなりショックなんじゃないかと思うんです。今村翔吾さん:創業1865年って書いてましたよね、江戸時代からってことでしょう。この地域には他にも古い旅館があるのかもしれないですけど、一つの名物にはなってたはずですし、温泉自体がそうじゃないかと疑われるような責任はあるんじゃないかなと思う。今後のことはともかくとして、絶対こういうことがないようにしなければならないですよね。ホランキャスター:一見すると綺麗なお湯に見えますが、もしかしたら他の旅館や温泉施設などでも「大丈夫かな」ということがあるのだとしたら、ルール作りというものを厳しくしていくのかどうか、しっかりと考えなければと思います。
お湯の取りかえを年2回だけ…福岡県の老舗旅館「大丸別荘」のずさんな温泉管理が明らかに。発覚した理由は温泉の利用客に「レジオネラ症」が発症したことでした。「最悪、死に至る」とも言われているレジオネラ症について詳しくみていきます。
【写真を見る】「最悪、死に至る」どこにでもいる菌で感染?レジオネラ症とは基準値の最大“3700倍”が検出南波雅俊キャスター:老舗旅館「大丸別荘」の大浴場でお湯の交換が年に2回しか行われておらず、レジオネラ菌が基準値の3700倍検出されました。まず「大丸別荘」という旅館は福岡・筑紫野市、二日市温泉という温泉地にあります。この二日市温泉は日本最古の歌集とも言われている万葉集にも書かれた歴史のある温泉地で、この大丸別荘も長い歴史があります。1865年に創業され、昭和天皇も宿泊したことがあります。敷地は6500坪で客室数は41、大浴場は男女とも100坪ということで、かなり規模も大きく歴史も長い旅館です。

なぜ、この大丸別荘で今回の件が発覚したのかということなんですが、2022年の8月に福岡県外の人がレジオネラ症を発症しました。そして利用先の一つが大丸別荘だったのです。2022年8月、県の検査では…・基準値の2倍のレジオネラ菌が検出・大丸別荘が原因だとは特定されず大丸別荘側も過去3年間保管しておかなくてはいけない管理記録を示し、「湯交換、塩素注入は適正」だったと主張したんです。しかし2022年11月、保健所の抜き打ち検査では…・基準値の最大3700倍のレジオネラ菌が検出・塩素濃度も基準値を下回る福岡県の条例としては1週間に1回以上完全に交換することが定められていましたが、この大丸別荘は大浴場の湯の交換は2019年以降は1年間に休館日の2回のみだったということなんです。福岡県としては虚偽申告に対して、公衆浴場法にある「虚偽申告をした場合には2000円以下の罰金」という罰則を適用できるか、現在確認中だということなんです。レジオネラ菌に感染するとどんな症状?南波キャスター:そして気になるこのレジオネラ菌、レジオネラ症。まず菌は河川や土壌汚染などに生息していて、決して珍しいものではありません。感染すると、レジオネラ症を引き起こし風邪や肺炎のような症状が出ます。ただ珍しいものではないと言いつつも、この基準値の3700倍について専門家に話を聞きました。東京歯科大学市川総合病院 寺島毅 医師:「レジオネラ症は肺炎などを引き起こして最悪の場合死に至る可能性もある怖い病気。基準値の3700倍は考えられない値」実際、2022年3月には神戸市の有馬温泉・かんぽの宿を利用した70代の男性がレジオネラ症で亡くなったという例もあるんです。そして二日市温泉・大丸別荘の山田真 社長がコメントを出しました。大丸別荘山田真社長:「毎分約70Lの湯が入り、それで入れ替わっているという認識があった。塩素濃度不足も知っていたが問題ないと思っていた。レジオネラ菌3700倍の結果にびっくりした。認識が甘かったと思っている。利用者や他の温泉旅館に対して申し訳ない」ホランキャスター:温泉旅館なども含め、観光業の方々は新型コロナウイルスの影響で大変な損害と被害をこうむっているわけですよね。管理記録があるのは2019年からで、以前からこういう状態だったのかどうなのか。いずれにしてもしっかりとルールを守らなければならないということを考えると、なぜこれだけお湯の交換がなされなかったのかは気になりますよね。歴史時代小説家今村翔吾さん:気になりますね。なにが理由なんでしょう?経費の問題なのか、コストを抑えたいのか、身も蓋もないですけど面倒くさかったのか。あとちょっと気になるのは、管理記録を差し出してその後の抜き打ちでわかったということですよね。ということは、その間体制を変えなかったってことですよね。ピンチやと思って変えることが出来たのを変えなかった、どんだけ傲慢なんだろうってちょっと思ってしまいましたね。ホランキャスター:そういう意味ではしっかりと抜き打ち検査をして、状態や環境が整えられているかを自治体と保健所が調べたということはかなり効果があったということですよね。日比麻音子キャスター:老舗高級旅館ということで歴史も長いですから、存在はこの地域にとっても大きかったと思います。ですからこういうことがあると、地域の他の旅館であったり観光施設にとってもかなりショックなんじゃないかと思うんです。今村翔吾さん:創業1865年って書いてましたよね、江戸時代からってことでしょう。この地域には他にも古い旅館があるのかもしれないですけど、一つの名物にはなってたはずですし、温泉自体がそうじゃないかと疑われるような責任はあるんじゃないかなと思う。今後のことはともかくとして、絶対こういうことがないようにしなければならないですよね。ホランキャスター:一見すると綺麗なお湯に見えますが、もしかしたら他の旅館や温泉施設などでも「大丈夫かな」ということがあるのだとしたら、ルール作りというものを厳しくしていくのかどうか、しっかりと考えなければと思います。
南波雅俊キャスター:老舗旅館「大丸別荘」の大浴場でお湯の交換が年に2回しか行われておらず、レジオネラ菌が基準値の3700倍検出されました。
まず「大丸別荘」という旅館は福岡・筑紫野市、二日市温泉という温泉地にあります。この二日市温泉は日本最古の歌集とも言われている万葉集にも書かれた歴史のある温泉地で、この大丸別荘も長い歴史があります。1865年に創業され、昭和天皇も宿泊したことがあります。敷地は6500坪で客室数は41、大浴場は男女とも100坪ということで、かなり規模も大きく歴史も長い旅館です。
なぜ、この大丸別荘で今回の件が発覚したのかということなんですが、2022年の8月に福岡県外の人がレジオネラ症を発症しました。そして利用先の一つが大丸別荘だったのです。2022年8月、県の検査では…・基準値の2倍のレジオネラ菌が検出・大丸別荘が原因だとは特定されず
大丸別荘側も過去3年間保管しておかなくてはいけない管理記録を示し、「湯交換、塩素注入は適正」だったと主張したんです。しかし2022年11月、保健所の抜き打ち検査では…
・基準値の最大3700倍のレジオネラ菌が検出・塩素濃度も基準値を下回る
福岡県の条例としては1週間に1回以上完全に交換することが定められていましたが、この大丸別荘は大浴場の湯の交換は2019年以降は1年間に休館日の2回のみだったということなんです。福岡県としては虚偽申告に対して、公衆浴場法にある「虚偽申告をした場合には2000円以下の罰金」という罰則を適用できるか、現在確認中だということなんです。
南波キャスター:そして気になるこのレジオネラ菌、レジオネラ症。まず菌は河川や土壌汚染などに生息していて、決して珍しいものではありません。感染すると、レジオネラ症を引き起こし風邪や肺炎のような症状が出ます。ただ珍しいものではないと言いつつも、この基準値の3700倍について専門家に話を聞きました。
東京歯科大学市川総合病院 寺島毅 医師:「レジオネラ症は肺炎などを引き起こして最悪の場合死に至る可能性もある怖い病気。基準値の3700倍は考えられない値」
実際、2022年3月には神戸市の有馬温泉・かんぽの宿を利用した70代の男性がレジオネラ症で亡くなったという例もあるんです。そして二日市温泉・大丸別荘の山田真 社長がコメントを出しました。
大丸別荘山田真社長:「毎分約70Lの湯が入り、それで入れ替わっているという認識があった。塩素濃度不足も知っていたが問題ないと思っていた。レジオネラ菌3700倍の結果にびっくりした。認識が甘かったと思っている。利用者や他の温泉旅館に対して申し訳ない」
ホランキャスター:温泉旅館なども含め、観光業の方々は新型コロナウイルスの影響で大変な損害と被害をこうむっているわけですよね。管理記録があるのは2019年からで、以前からこういう状態だったのかどうなのか。いずれにしてもしっかりとルールを守らなければならないということを考えると、なぜこれだけお湯の交換がなされなかったのかは気になりますよね。
歴史時代小説家今村翔吾さん:気になりますね。なにが理由なんでしょう?経費の問題なのか、コストを抑えたいのか、身も蓋もないですけど面倒くさかったのか。あとちょっと気になるのは、管理記録を差し出してその後の抜き打ちでわかったということですよね。ということは、その間体制を変えなかったってことですよね。ピンチやと思って変えることが出来たのを変えなかった、どんだけ傲慢なんだろうってちょっと思ってしまいましたね。
ホランキャスター:そういう意味ではしっかりと抜き打ち検査をして、状態や環境が整えられているかを自治体と保健所が調べたということはかなり効果があったということですよね。
日比麻音子キャスター:老舗高級旅館ということで歴史も長いですから、存在はこの地域にとっても大きかったと思います。ですからこういうことがあると、地域の他の旅館であったり観光施設にとってもかなりショックなんじゃないかと思うんです。
今村翔吾さん:創業1865年って書いてましたよね、江戸時代からってことでしょう。この地域には他にも古い旅館があるのかもしれないですけど、一つの名物にはなってたはずですし、温泉自体がそうじゃないかと疑われるような責任はあるんじゃないかなと思う。今後のことはともかくとして、絶対こういうことがないようにしなければならないですよね。